どうも、いしかわごうです。
先週末は味スタ取材。
ルヴァンカップ準々決勝2ndレグ・鹿島アントラーズ戦でした。試合は1-3で敗戦。準々決勝での敗退となりました。
勝負所はいくつかあったとは思います。
意外だったのは、勝たなくてはいけない鹿島が守備から入ってきたことでしょうか。
例えば、レオ・シルバと永木亮太のダブルボランチ。第1戦では中村憲剛と谷口彰悟がボールを持つと、積極的に前に出て奪いに来てましたが、第2戦は、前になかなか食いついてきません。奪いに行くのは2トップのプレスバックが軸で、ダブルボランチはそれほど背中を空けないんですね。むしろ真ん中でしっかりと構えてきました。
その出方を見て、フロンターレは空きがちだった右サイドのエウシーニョの推進力を生かしていきます。右サイドでリズムをつかみ、良い崩しもありましたが、決定打が入りません。ただ悪くない試合の進め方だったと思います。
それだけに、あの27分の失点場面は悔やまれます。セットプレーからのこぼれ球とはいえ、遠藤康にクロスボールの仕事をされました。
そもそも、鹿島の攻撃で気をつけるべきは、2トップよりも、鹿島の右サイドで攻撃の時間を作って、クロスの起点を担う遠藤康でした。フロンターレもそれがわかっているので、できるだけ遠藤康にボールを触らせないような守り方をしながら、そういう試合展開に持ち込んでいました。実際、失点が生まれる25分ぐらいまで、彼はあまりボールに触っていないですし、サイドで効果的な仕事もできていなかったはずです。あの場面は、もっと後ろが警戒すべきでした。
2失点目もそうですが、あのサイド攻撃は鹿島の定石です。
鹿島はサイドに人数を集めて密集を作ることで、起点を作ります。狙いは相手選手をサイドまで引っ張り出すことです。それによって手薄になったゴール前中央にクロスし、逆サイドにいるサイドバックも含めて、中央に飛び込んでいくことで得点を狙うわけです。わかっていながらも、手筋にそのままやられてしまった。
ちなみにフロンターレの「サイドの局面崩し」は違います。
サイドに人数を集めた密集地帯で起点を作っても、空いているエリアに展開して攻略するのではなく、そのまま同サイドの局面を崩し切ってしまいます。高い技術と緻密なつなぎを駆使したコンビネーションで、密集している同サイドを崩し切ってしまうのがフロンターレ流です。後半開始時から長谷川竜也が左サイドに入りましたが、中村憲剛のパスに抜け出した登里享平が獲得したPKの場面は、まさにそういう崩し方でした。
後半は、あの追撃弾から同点、逆転と畳み掛けたかったところ。
大岩監督が安西幸輝を投入して、フロンターレが狙っていた攻撃の狙いをうまく消されました。そこからの打開力も少し足りなかったですね。そうなってから3点目を失ってはさすがに厳しい。2試合合計での負けをしっかりと受け止めて、残りの2つのタイトル獲得にまた向かっていくしかありません。
試合の詳しいレビューは、ごうnoteで公開しています。
レビュー公開してます。後半、ポジションレスで仕掛け続けた中盤と、安西幸輝の投入で塞がれた左サイドの打開策など 。/ 味スタ劇場は起こらず。主力6人不在の「総力戦」で足りなかったもの。(ルヴァンカップ準々決勝2ndレグ・鹿島アントラーズ戦:1-3)|note(ノート) https://t.co/HZYCQ5exUj
— いしかわごう (@ishikawago) September 10, 2018
ラインナップはこちら。
1.「そこはもっともっと重く受け止めないといけない。細かい部分にこだわっていかないと勝てない」(谷口彰悟)。クロスの起点になる遠藤康にボールを持たせないために行っていた対策。前半25分までには機能するも、徹底し切れなかったことで起きた水漏れで、痛恨の2失点。
2.「1戦目はだいぶ両ボランチに食いついてきたが、今日はバランスをとりながら、要所要所で食いに来る」(谷口彰悟)。前に食いついてこなかった鹿島のボール狩人。第1戦目とは出方を変えて中央を空けない鹿島守備陣を、どう攻略しようとしていたのか。
3.「ノボリくん(登里享平)が気を使って、間に入ってくれると、相手のDFはついてこれない」(長谷川竜也)、「一瞬、中に行こうとしたが、タツヤがサイドで引っ張っていたので、あのスペースは空いていた」(登里享平)。反撃の狼煙を上げたPK獲得。狙い通りだった左サイドの崩しを読み解く。
4.「流動的に出たり入ったりを繰り返した。そうしないと、ゴール前は開かないかなと思っていたので」(鈴木雄斗)。ボールを握り、ポジションレスで仕掛け続けた総攻撃も決定打が入らず。そして安西幸輝の投入で塞がれた左サイドエリアのスペース。手詰まりとなった左サイドで、長谷川竜也が考えていた打開策とは?
5.「負けたのが全て。それ以上でも、それ以下でもない」(中村憲剛)。敗退が決まったミックスゾーンで中村憲剛が語ったこと。
以上、5つのポイントで全部で約9000文字です。この敗戦をどう消化すべきか。いろいろ悩むところですが、大会総括的な部分も含めて書いておりますので、ぜひ読んでみてください。
味スタ劇場は起こらず。主力6人不在の「総力戦」で足りなかったもの。(ルヴァンカップ準々決勝2ndレグ・鹿島アントラーズ戦:1-3)