今さらですが、先週の「情熱大陸」は、サッカー選手・香川真司選手でした。
アジアカップ優勝直後の放送ということもあり、本来ならば、「ドイツでの大活躍→アジアカップ優勝」という番組構成にしたかったと思います・・がっ、ご存知のように残念ながら準決勝韓国戦の骨折で決勝直前に離脱。カタールとは違う場所で日本代表の優勝を見守ることに・・・ということもあり、ドイツでの生活を密着した内容が中心でしたね。
彼らしい自然体の様子が感じられる映像でした。プレーで解説されていたのが、ブンデスリーガで見せた「直角フェイント」のようなドリブルで決めたシーン。あれは本当に香川選手らしいプレーだと思います。DFの立場になってみればよくわかるのですが、エリア付近でドリブルを仕掛けてくる相手に対する準備としては、「縦方向」に切れ込んでくるのか、あるいは「斜め」にドリブルしてくるかを想定するところ。しかし香川選手の選択は、「横のドリブル」ですからね。
この「横」っていう動きの変化が意外にも盲点で・・・・ 例えば野球でフォークボールを打ちにくいのは、カーブやシュートなどの変化球が「横」の回転であるのに対して、フォークボールが「縦」に落ちるボールだからというのがあるじゃないですか。動きに落差があるので、視覚的にも瞬間的な反応がしにくいわけです。
香川選手のあの横切るドリブルも似たようなもので、ゴール前でボールホルダーに突然(←これが大事)目の前を横切られる動きをされたら、縦か斜めの突破を準備していたDFは体勢的に準備ができていないですし、そのうえでスペースを捨ててその動きにくらいついていくか、それとも隣にいる味方にマークを受け渡すか、瞬間的な判断も求められるわけです。何度も対戦していれば、その対策もできるでしょうけど、所見では後手になりますよね、あの仕掛けは。
彼はセレッソ時代から日本代表ではプレーしていましたが、J2リーグでのプレーが中心だったため、彼自身の一般的な知名度はさほど高くなかったと思います。ただ、08年&09年シーズンのJ2リーグを見ていた人ならわかると思います。セレッソ大阪での香川選手には乾選手という相棒がいて、あのコンビによる破壊力というのは、本当に脅威でした。
ドリブルをしながら、お互いを見てワンツーを仕掛けてくる距離感とタイミングが絶妙で、対戦相手もわかっていながらやられてしまうというのが、正直なところでした。とにかく彼の周りのスペースをコンパクトにして、ドリブルに入る前のファーストタッチで身体をぶつけて、スピードに乗せない、プレーをさせないというのが精いっぱいの防止策だったように思えます(それでも、一瞬の隙であっという間に置き去りにされ、失点してしまう)。だったら、そのパス供給源を押えればいいのですが、ボランチのマルチネスの緩急の付け方、球出しもうまいだな、これが。1+1が2ではなく、3や4になるというのは、あのコンビの崩しのことをいうのでしょう。まさにキャプテン翼に出てくる翼くんと岬くんの黄金コンビのような突破でした。あれは恐ろしかった。
そんなことも思いつつ・・・それにしても、情熱大陸にサッカー選手が出る放送では、ケツを見せたり(遠藤保仁)、勝負パンツを見せたり(香川真司)、やたらとサービスショット満載ですなぁ(笑)。