情熱大陸・道尾秀介。


 いまさらですが、先週の情熱大陸は面白かったですねぇ。登場したのは、先日、「月と蟹」で直木賞を受賞した作家・道尾秀介さん。
$いしかわごうの「サッカーのしわざなのだ。」
 ビックマウスで退路を断つ彼。4回連続で受賞候補になり、いずれも落選(4度連続候補は、戦後初の記録)するも、そのときの残念会では、「えーっ、6ヶ月後(次回)の前祝いに来ていただき、ありがとうございます!」、「もし、次取れなかったら、責任を取って・・・・・・・もっといい作品を書きます!」と自信満々。強気な姿勢を崩さない発言で、その場を沸かせていました。
 番組内では日々の生活や仕事場での様子を密着。執筆作業は、朝10時から夕方5時まで机に向かって行う。夜になれば慣れ親しんだ近所のバーでくつろぎ、深夜には週に4日、8キロのランニングを行うというのが、ルーティンのようです。規則正しいリズムで小説を書いていく、というスタイルみたいですね。
 そして最大のハイライトが、「月と蟹」を書きあげた瞬間のシーンを撮影していたこと。
これって、かなりすごいことですよ。だって、まずテレビ的に見て、パソコンに向かって文字を何時間も打ち続ける作業って、とことん地味な画ですからね。動きがないからいい画は撮れないし、なによりも見ている方が耐えられない。同じことは作家もしかり。例えば桜庭一樹さんのときは、定点カメラを置いて撮影していたのですが、やっぱり気が散ってはかどってなかったですからね。テレビカメラが回っている前で執筆に集中するなんて、まず無理なんじゃないかと思います。つまり、両者にメリットが少ない場面なんですよね。そんな奇跡とも言える瞬間の撮影に成功。本人も「人前で小説を書き終えたのは初めてですよ」と苦笑いしてましたね。
 そんなビックマウスの彼も、あるとき、「パソコンを立ちあげて、開くのが怖くてたまらない」と、思わむ心情を吐露した場面も。朝、仕事する前に「俺は書ける」と20回、声を出して唱え、今度は「俺は書く」と20回唱えてから書き始めるそうだ。「自信はあるけど、怖い」と。このへんが情熱大陸らしいですね。そしてラストは受賞報告会の場では、いつものビックマウスで「今後『月と蟹』以下の作品は、書きません!」と公約してエンディング。
 作家が作品を生む貴重な場面を垣間見れたり、才能ある人でもあんなに不安を抱えているのかなどなど、なんとも興味深い回でしたね。面白かったので、保存版にします。
 ちなみに次回の情熱大陸は、サッカー日本代表の香川真司選手です。このタイミングで怪我をしてしまったけど・・・オンエアはどんな感じになるんだろうか。
月と蟹/道尾 秀介

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