カンブリア宮殿・岡田武史。


 先週木曜日(14日)、テレ東「カンブリア宮殿」で岡田武史特集。
アルゼンチン戦、日韓戦が終わったばかりのタイミングでしたからね。世間の目はすでにザックジャパンに向けられているし、僕自身も南アフリカの話題はもういいかなと思っていたのだけど、なんのなんの、これが丁寧な作りでなかなか面白かった。

 岡田さんの自宅の様子も公開。
サッカーに関する練習法や、気に入った言葉のメモが書いてあるノートもパラパラと公開。同行ディレクターの「練習もご自身で考えるんですね」との問いかけに、「当たり前だよ。何言ってるの。それが仕事なんだから!」と苦笑い。サッカーの代表監督に向かって「練習もご自身で考えるんですね」って、ものすごい失礼なこと言うな、このディレクター(笑)。

 岡田さんの哲学がうかがえる言葉もありました。

 <オレは運を掴み損ねたくねえんだ>

「選手にもよくいうけど、運は誰にでもどこにでも流れているそれをつかめるかつかみそこねるか。オレはつかみ損ねたくねえんだと。こっからここまでダッシュと言ったら、1メートル手前じゃない。たった1メートル手前で力を抜いたために運をつかみそこねてワールドカップに行けないかもしれない。ボクは結構そういう細かいことにうるさいんですよ。『勝負の神様は細部に宿る』と選手に言うんですけど、勝負を分けるのって戦術論やシステム論も大事なんだけど、ボクの感覚ではね、8割くらいは小さいこと。お前が1回『まあ、いいか』と思ったおかげて負けたとかね。だからそういう運を掴み損ねないようなことをしていると不思議と最後なんかね、もうあやしい話になりますけど・・・・神様がご褒美をくれるようなね」


 こういう細かい部分、僕は「ディテール」って言ってますけど(英語にしただけですが・笑)、サッカーって本当にそういうところの重要性が問われますからね。互いの戦力差であったり、戦術とかシステムとか、そういう理論的なところで徹底的に考え抜いたら負けるはずはないのだけど、ピッチに立っている選手のほんの少しの気の緩み・・・例えば一回だけボールへのアプローチをさぼるとか、リードしていたからカバーリングをついルーズにしてしまったとか、そういうところから綻びが出て、そこから全く違う結果が生まれてしまう怖さがある。岡田監督で連覇した時のFマリノスは、そういう勝負どころでの強さが半端なかった気がします(ロスタイムにジュビロを下して完全優勝を果たした時の試合とかね)。

 試合中の判断力に関しても、非常に分かりやすい例で説明してましたね。

「ここに敵が二人いたらね、ボールを持っている方に必ず味方一人がディフェンスに行きますよね。敵がもう一人いてもそこに行ってはいけないんで、カバーリングのポジションに下がれとボクは言う。でも、ボールを持つ敵がオドオドしていてパスを出さなそうなら、そこに行けばいい。敵が逃げたら2人で行く。これは選手が判断する。ボクはここが正しいポジションだと言う。『監督に言われたからここにいました』、これでは選手じゃない。この傾向が外国人よりちょっと多い」


 机上の理論に頼るのではなく、ピッチ上での判断がいかに大事か。サッカーに正解はないと言われるのは、こういう場面が非常に多いからなんだろうな。他にも、選手に向けた意識改革とか福島大学の教授の走行法とかいろいろ面白いこといろいろ紹介されてました。全部紹介するのは面倒くさいので、このへんでやめときますが。

うーん、「プロフェッショナル 仕事の流儀」もまた再開したし、最近ドキュメンタリーばっかり見てるなー。

では、また。

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