プロフェッショナル・井上雄彦。


 最近、ハンパなく落ち込むことがありました。

 えーっと。
先週のNHK「プロフェッショナル~仕事の流儀」は、漫画家・井上雄彦だったんですよ。

いしかわごうの「サッカーのしわざなのだ。」
 そう、あの「スラムダンク」と「バガボンド」の作者です。それも一時間のスペシャル版。スラムダンクをこよなく愛すオトコ・いしかわごうとしては、この放送を2週間前から楽しみにしていました。もちろん予約録画バッチリグーです。できれば当日はリアルタイムで正座して見るつもりでした。

 ただこの日の夜は、例の鹿島対川崎の再試合とヴェルディの株式譲渡の取材が入り、夜までサッカー協会にいました。Jの理事会が異常に長引いたことと、モロモロの仕事もあってすっかり帰りが遅くなってしまい、家に着いたのは0時近く。それでも「まぁ、録画したからいいか」と思い、ワクワクしながら再生ボタンを押しました。

・・・しかし。

テレビ画面に映っていたのは、まさかのニュース番組・・・鳩山新政権の話題を伝えてました。「えぇ?」と思い、がく然としてよく画面を見ていたら、

 プロフッショナル「漫画家・井上雄彦」は10時20分から放送します

のテロップが出てるではないですか。

・・・・絶句。

もうね、大ショックですよ。声も出ませんよ。

♪ 今はこーんなーに、かなーしくてー 涙もー枯れーはてぇーてぇー

 と、頭の中では中島みゆきの「時代」がリフレインする始末でした。

 もちろん20分過ぎからはちゃんと本編が始まりましたよ。

でもすでに最後の20分が録画されてないのがわかっているわけで・・・どうもテンションが上がらず鑑賞。井上雄彦が原稿と戦う姿をリアルに映してして、すげぇ面白かったんですけど、やっぱりいいところで映像が切れてしまい、凹む。なぜか「サッカー協会のバカバカ」となぜか逆恨みする始末でした。

 どうにかして続きを見たかったので、「youtube」でも探してみたんですけど、残念ながら見当たらず。仕事場で会う人、会う人に「井上雄彦のプロフェッショナル、録画してないですかね?」と聞いてみたんですけど、誰も撮ってませんでしたね。

 ただね、神様は僕を見捨てなかったね・・・何の神かわからないけど。
そのことを話した知り合いから、昨日の深夜、ひたすら原稿を書いていたら、「今、プロフェッショナルの再放送してますよ!」とのメールが。

 おっしゃーーーーーーー!!!! ゴリラダーーーーーンク!!!

 原稿をほっぽり出して、急いで録画開始。無事、最後まで見終えることができました。

「手に負えないことをやる」

「漫画家であり続けるために漫画を描く・・・っていうつもりはまったくない」

「ネームは、山を登るようなもの」

「プロフェッショナルとは、向上し続ける人」

自分の作品に真正面から向かい合い、徹底的にもがき苦しむ・・・実に見応えのあるドキュメントでした。

 井上雄彦の姿を見ていて感じたのは、どんなジャンルであれ、自分の全身全霊をかけて、世の中に何かを送り出す人は、やっぱりカッコイイということ。それは「製品」、「システム」、「音楽」、「絵画」、「笑い」・・・それこそ「サッカー」でもいい。送り出すものが何であれ、本気でこだわりまくったものを信じながら、世に発信していく人はやはり素敵だ。

 サッカー選手は、自分の心と体を使ってピッチでサッカーを表現する。

 ときに試合後、その場に立っていられないほどの全力で。

 だから、観ている人の心を打ち抜けるんだと思う。

 そして自分は「サッカーを観る」、「サッカーを書く」ということに、もっと向き合わなければなりません。

 大事な試合の前に、そんなことを思った。

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