ブラジルW杯終焉〜勝者を見つめる敗者。


ブラジルワールドカップが終わりました。
 延長戦120分の死闘の末に、最後はドイツ。

強かったですね。内容的にも優勝に値するサッカーを見せてくれた国でした。
自分のなかでこの試合の最大のハイライトとなったのは、延長戦終了間際、ロスタイムにゴール前のやや遠い位置でアルゼンチンにフリーキックが与えられた場面です。
 ボールをセットして構えたのはメッシでした。
残り時間を考えたら、ほぼラストチャンス。全世界が固唾をのんで見守っていたのではないかと思います。
 しかし彼が全てを込めて蹴ったであろうボールは、ゴールマウスの頭上を大きく、大きく外れて飛んで行きました。
 その軌道が自分のイメージとはあまりにもかけ離れていたためでしょうか。次の瞬間、メッシは「マジか?信じられないぜ」といった表情でふっと笑い、そして天を仰いでいました。人はあまりにも理解できない出来事にでくわしたとき、逆に笑えてくるもんです。
 もちろん、足はとっくに限界を超えていたのでしょう。なにせ一ヶ月に渡る大会で、最後に120分の死闘ですから無理もありません。メッシといえども、シュートをコントロールする力が残っていなかったのかもしれません。この試合で一番といっていいほど印象的なシーンでした。
 そう、1994年アメリカ大会の決勝戦で、最後のPKを大きく外したロベルト・バッジョのように。
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 試合後の表彰式が始まるまでの間、ピッチ上には歓喜の輪を作ってはしゃぐドイツの選手達と、その場で噛み締め続けるアルゼンチンの選手達の姿がありました。
 まさに勝者と敗者のコントラスト。
より印象的なのは、腕を組みながらその場でじっとしているアルゼンチンの選手達です。

 その光景に、解説・岡田武史さんがこんな風に切り出しました。
「アルゼンチンの選手がじっとドイツを見てますよね。これを見なきゃいけないんですよ。そして、スタンドにいるアルゼンチンの子どもたちがじっとみて、いつかは・・・とこの悔しさを次に繋げていくんです。これ、目を逸らしてはいけないんですよ」
 メッシがいてもたどり着けない。それがワールドカップの頂です。
じゃあ、どうすれば良いのか。それを学ぶことができるのは、敗者の特権だと岡田監督は言います。
「負けたときこそ、学ぶべきものがありますよ。アルゼンチンは、これをどう考えるのか。メッシに頼ってほぼ2大会ですか・・・決勝までは来れたけど、結果は出せなかった。次ももう一回メッシにかけるのか。それとも、方向転換をするのか。アルゼンチンも考えどころじゃないでしょうか。」
 
 しかし長かったぜ、ワールドカップ。
日本がコートジボワールに逆転負けを喫したのが、2年ぐらい前の出来事のよう・笑。もう深夜に目覚ましかけたり、朝方に無理矢理起きたりする生活からは解放されるけど、それはそれでちょっぴり寂しくなるんだろうな。まぁ、サッカーが終わるわけではないので。Jリーグが再開するんで、また日常が戻っていくだけです。
それでは、4年後にまた・・・(こち亀の日暮さんみたいだな)。
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