どうも。いしかわごうです。
シーズンオフですから、フロンターレネタは去年の取材裏話を中心に更新していきたいと思ってます。
去年、中村憲剛選手にインタビューをしていたら、ふとした流れで漫画談義になりました。サッカー漫画以外もたくさん読む彼は、「め組の大吾」という漫画に出て来る、あるフレーズがお気に入りだと話していました。
め組の大吾は、わりと昔の漫画ですね。「消防士によるレスキュー物語だったはず・・・」ぐらいの知識しか僕は持ってないんですけど、「どんな状況でも絶対にあきらめない」、「自分を信じて奇跡を起こす」というアツい漫画だと知人からオススメされたのを覚えてます。
「あの漫画で、『ワールドカップの得点王になるのは、ワールドカップの得点王になれないかも・・・・なんて考えたことの人なんじゃないか』っていう言葉があるんだよ」と憲剛選手。
・・・これはなかなか深いなと思い、早速帰りに探してみることに。わりと昔の漫画なので、本屋ではなくブックオフに寄ったんですけど、バラバラの巻数でしか置いてない。そのセリフが出て来るのは物語ラストのほうだと言うので、最終巻の20巻前後を求めて探していたものの、なかなか見つかりません。それでもめげずにいろんな店舗で探していたら、ようやく文庫版の最終巻(11巻)が置いてました!
そのシーンを確認してからレジに持って行き、じっくりと読みました・・・これは響きますね。せっかくなので、そのくだりをちょっと紹介します。
事故現場へ向かうヘリコプターの中で、消防学校時代の同期生である甘粕が朝比奈大吾(主人公)に、「”目的”を・・・”夢”を実現する人間って一体何が違うと思う? 」と問いかけるんです。
「例えばさ・・・サッカーで国の代表になり、ワールドカップで得点王になった英雄・・・何万・・・いや、何億分の一かの確率かもしれないな、オレはずっと興味があった。 彼らは一体”いつ”の時点で自分が”そうなれると思った”のか」
言葉を紡ぎ始める甘粕。
「でも、それは違うのかもしれない。
ある時に『俺はそうなれるかも』と気付くんじゃなくて・・・『俺はワールドカップの得点王になれないかも…』なんて、最後まで考えたことすらない奴が−
本当にワールドカップの得点王になってしまうんじゃないかって・・・!!!
甘粕の言葉は止まらない。
人間は成長していくにつれ、いろんな現実を思い知らされる…
『う−ん、現実は以外と理想通りに進まないぞ』
そして・・・
『もしかしたら自分の夢はかなわないかも』
『そうはなれないかも』と思う。そう”思った人間から”本当に、”そうなれなくなっていく”んだよ・・・
でも世の中には少数だが、どんなに大人になっても、いつまでたってもそう思わない人間がいる。
朝比奈、こんだけオレが今回の崩落事故救出作業の困難さを説いても、オマエ、 『きっと何とかなる』って思ってるだろ? オマエの最大の才能はそれさ、消防に入って今日まで・・・ ”もうダメだ” ”しんどい”と口では言っても、 実は本当に”もうダメだ”と思ったことがない。 ”自分はそうなれる”と信じているうちは、 どんなことだって”可能性”だけは常に残されている。 」
この漫画を通じて作者が伝えたかったメッセージは、この 「 ”自分はそうなれる”と信じているうちは、 どんなことだって”可能性”だけは常に残されている。 」という部分だったのかもしれないですね。そのぐらい強烈な思いもこもっているシーンでした。
自分を信じることができる・・・これは武器であり、長所ですね。そして大きな何かを成し遂げようと決意したら、それぐらい自分を信じてやらなくてはいけないということ。川崎フロンターレが目標として掲げている初タイトルも、選手、コーチングスタッフ、クラブスタッフだけではなく、サポーターを含めて関わる人全員が、そのぐらい強く信じないと手に入らないのかもしれません。
いやぁ、そんなことが学べる熱い漫画ですわ。め組の大吾・・・興味ある人は読んでみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。