圧倒的な努力と爆発的な熱量を描くジャズ漫画「BLUE GIANT」を語る。


どうも、いしかわごうです。

今日はオススメの漫画を紹介します。

少し前のアメトーーク!でも紹介されていた「BLUE GIANT」を読みました。

・・・・いやぁ、完全にドハマりしました・笑。

 最初は2巻まで買って読んでみたのですけど、完全に掴まれましたね。すぐに電子書籍で一気読みしたいのをグッとこらえて、毎日2冊ずつ購入して噛み締めながら。少しずつ読みました。10巻で完結するので、ボリューム的にもとても読みやすい(現在は海外編が始まっている)。

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 タイトルの「BLUE GIANT(ブルージャイアント)」とは、「あまりに高温なため赤を通りこし、青く光る巨星、青色巨星」のこと。主人公の師匠が世界一輝くジャズプレイヤーのことを「BLUE GIANT」と呼んでいたことから由来します。

 主人公は、宮本大(ミヤモトダイ)という高校生。
ジャズの生演奏に心打たれた彼が、まっすぐな情熱で、世界一のジャズプレイヤーを目指していくという物語です。漫画でありながら「音」が響いてくるような迫力に、読んでいてグイグイと引き込まれますし、なにより読んでいて、ハートが熱くなる漫画です。
 
「BLUE GIANT」を読んでいて「いいなぁ」と思ったのは、「才能」だけではなく、「努力」と「お金」の描写がとてもリアルなこと。

 まず宮本大の努力の量が半端ないです。
雨の日も、猛暑の日も、極寒の日も・・・毎日サックスの練習をひたすら積み重ねていきます。「何でそこまで頑張れるんだい?」と聞きたくなるぐらいの爆発的な熱量で、毎日毎日サックスを吹き続けます。まさに圧倒的な努力。

東京で出会う天才ピアニスト・沢辺雪祈(サワベユキノリ)も幼い頃から毎日練習しているし、素人ながらドラマーを目指す高校の同級生・玉田俊二(タマダシュンジ)もしかり。「才能」の一言で済ますのではなく、取り憑かれたように音楽に打ち込み続ける、日々の努力の描写が本当に多い漫画です。

 そして「お金」。
ここの描写がとても良いんです。この漫画の登場人物は、「お金」という日常の現実にしっかりと向き合いながら、音楽に励んでいるんです。まず主人公・宮本大が使用している相棒のテナー・サックスは51万円で、年上の兄が初任給で36回払いのローンを組んで買ってくれた楽器です。上京した後は、ハードなバイトを掛け持ちしながら音楽を続けていくお金を稼いでますし、天才ピアニスト・沢辺雪祈も肉体労働のアルバイトをしています。漫画だからといって、日常の「お金」の部分をごまかさない。

ある場面では、電車内で隣に座ったおじさんが、サックスのケースを持っている宮本大に話しかけてくるんですが、そのおじさんは、何年間も500円玉貯金をして楽器を購入し、歯の矯正をしたことを明かします(しかし演奏は下手)。こういう音楽とお金にまつわるエピソードが多くて、現実感があります。

 練習に打ち込んで、打ち込んで、打ち込んで・・・本番のライブステージで最高のパフォーマンスを見せて、それまでの自分の限界を超えていく、そして観客やまわりのジャズマンの心も震わせていく・・・・そんな成長物語なので、読んでいて胸が熱くなるし、本当に心地よい漫画です。

ちなみにこの漫画の特徴として、巻末の最後に「BONUS TRUCK」として数年後の家族や知人たちのインタビュー映像の描写という構成になっています。宮本大に関して回想しているもので、つまり、彼は世界的な音楽家として成功したことが、1巻から明らかになっています。その過程を辿っているわけですね。

 自分の人生においてジャズとの接点を思い返してみると、父親が部屋でいつも聞いていたのがジャズだったぐらいです・笑。あとは映画「スウィングガールズ」という上野樹里の出世作が大好きだったぐらいで、ほとんど知識がないです。

でもこの漫画を読んでジャズに興味が出たぐらい、圧倒的に面白いです。「BLUE GIANT(ブルージャイアント)」、自信を持ってオススメします。





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