いやはや、「大久保劇場in NACK5にようこそ」という試合でしたな。
試合前に発表されたスタメンでは、大久保嘉人、レナト、小林悠の3トップに、トップ下が中村憲剛という顔ぶれでした。この前線が噛み合ったときの破壊力は、今のJリーグの中では随一なのではないでしょうか。それぐらい期待感がありました。
個人的に期待をしていたのは小林悠選手でした。
この日が誕生日でしたし、2011年からはNACK5で毎年点を取っているなど、相性もかなり良いからです(2012年は天皇杯で得点)。ただ残念ながら、小林選手は前半途中に負傷交代。レナトも後半に交代。両翼を替えざるをえなくなる事態に・・・。
そんな中で爆発したのは、約2週間のインターバルを経て復帰となった大久保選手。
試合前日に「コンディションはマジで良い。身体が軽いんよ」と言っていてゴールの匂いがプンプンだったので、たぶん点を取るでしょ、と思っていたら、3点も取っちゃいました。
3点目なんかは、正直ちょっとモノが違いましたね。
ヘディングでボールを浮かしつつ、相手に身体をぶつけながらブレずに突き進むのですから。そして、角度がないのにニアサイドにズドン。一人だけ別次元のプレーでした。久々に記者席で「うぁぁーーー」と言ってしまいました。
個人的には、2点目の崩しの駆け引きが好きだったりします。
田中裕介選手が右サイドの1対1を抜き去り、マイナス方向に出すと見せかけたフェイントで高橋祥平選手をズレして、DFとGKの間に出したグラウンダーのパス。それを大久保選手が難なく合わせました。
この駆け引きと精度は、実に風間サッカーらしいものに見えました。
まず今のフロンターレでは、サイドで起点を作っても、簡単に中へのクロスを選択しません。理由は簡単。「えい、やぁ」という五分五分のクロスを供給して何度も競り勝てるほど背の高いFWがチームにいるわけではないからです。右サイドバックの田中裕介選手は、風間監督から「高さで解決するな」と言われていると言っていました。
背の高いFWがいないならどうするのか。
そこで大事なのが、敵陣を深くえぐってからも、最後まで中を見極めて密集の中でもピンポイントにパスを出す精度と冷静さ。もちろん難易度は高いですが、出し手と受け手の呼吸が合えば、この2点目のような形の得点が2人だけで生み出せるわけです。
・・・・にしても、大久保劇場でしたな。明日の仙台戦も楽しみです。
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