柏戦翌日の麻生にて〜中村憲剛選手がパウリーニョに伝えたこと。


本日はACLです。中国の貴州人和戦。日本時間では21:00キックオフ。
 注目はスタメンですね。柏戦で先発した[4-4-2]のメンバーでいくのか。盛り返しを見せた後半の憲剛選手をトップ下にした[4-2-3-1]にするのか。それとも、他の組み合わせで臨むのか。負けられない試合ですから、風間監督がどういうメンバー編成で臨むのか、注目です。
 チームは柏戦翌日に出発しています。
その日の麻生での一幕。試合に出た主力組はリカバリーで切り上げたのですが、主力組がみな上がった後、憲剛選手とパウリーニョが通訳の中山さんを交えた3人で話し込む場面がありました。

 憲剛選手が身振り手振りを交えていろいろと伝えていたので、昨日の柏戦でボランチを組んだパウリーニョにプレーや距離感に関するレクチャーをしていたようでした。20分ぐらいは話していたと思います。
 練習後、憲剛選手に聞くと、こう明かしてくれました。
「パウロの中でまだ消化し切れていないから。やらなきゃいけない、こうしなきゃいけないという気持ちが強すぎる状態。でも、理解をしているからそう考えるのであって、次に進む段階として必要なことでもある」
-----チームのスタイルにフィットしようとしているからこその現象?
「そう。何も考えずにやっているのとはワケが違うからね。風間監督のもとでこの練習を三ヶ月やってきて、それを試合でどう出そうかというのは、まだできていない。攻撃でも守備でもそう。それが整理できれば良さが出て来る。レナトもジェシも半年かかったんだから慌てないで良いよ、というのは伝えている」
————柏戦の前半、憲剛選手のプレーが窮屈そうな印象でした。コンビを組んでいたパウリーニョに具体的に改善して欲しい部分というのは?
「柏戦に関して言えば、居て欲しい場所にいなかった。目の前の相手とばかりやっていた。目の前の相手を外すことばかりを意識していた。確かに相手を外すことも大事なんだけど、そんなに動かなくても良い。ボランチはもっとドッシリと構えてくれても良い」
————風間監督は、「ボールを持って相手を振り回せ」とも言いますよね。
「自分たちがプレーしながら、相手を動かしていけばいい。ビョンジュンもそう。相手を外さなきゃいけないということばかり考えてしまうと、案外外れていない。無駄をなくして、いかに外せるようになれるか。それをみんなができると、ここ数試合のようなサッカーができるようになる。チームとしての頭と目を揃えるようになることが大事。そうすれば、ゴール前に何人いても点は取れるようになる」

 風間監督のサッカーを理解し、それを実戦するのは容易ではないのは、どの選手も口にします。小林悠選手は、最初の頃を振り返って「出来なさ過ぎて泣きそうになった」と話していましたし、新加入の森島選手も「毎日、帰りの車の中で『今日のあそこは、こう判断すべきだったんかな』と、練習の反省をしている」と言っていました。
 きっと新加入のパウリーニョもまだ消化不良を起こしているということでしょう。特に彼はJ2の栃木のチームスタイルで要になっていた選手ですから、シュートパスの交換で密集地帯を崩していくよりも、カウンターであったり、サイドチェンジなど大きい展開を好むタイプのボランチだったため、どうしてもその癖がまだ抜けないのだと思います。
 試合に出続けている選手と、そうではない選手はどこに差があるのか。柏戦はそこがハッキリと浮き彫りになった試合でした。でも、まだ十分にできなかった彼らが今後できるようになれば、それがチーム力の底上げに直結します。壁を乗り越えて欲しいですね。
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