カシマスタジアムでの試合って、いつも天気がよくないイメージがあったんですが、この日はピーカンでした。
試合は1-4で敗戦。完敗ですね。
0-4になってからは、かなり冷静に試合を見ていたのですが、「うまい守り方をするな」と思って見ていました。鹿島はフロンターレの攻撃陣を研究し尽くしていました。
試合後、トニーニョ・セレーゾ監督が会見でその対策を詳細に明かしていました。
http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00163627.html
外国人監督はあまり戦術的なことは明かしたがらない傾向があるので、ここまで詳しく説明するのは、ある意味で、凄いと思います・笑。
とはいえ「鹿島が対策を練ってきたから負けました」というほど単純な試合ではなかったとも思ってます。相手が中央の大久保選手と左サイドのレナトを重点的にケアしてくるならば、フロンターレとすれば右サイドの小林選手が生きやすくなる展開とも言えるわけで、実際、前半の立ち上がりは相手のそういう警戒を上回って決定機を作っていたわけです。
6分には、山本選手のスルーパスにダイアゴナルランで抜け出した小林選手が決定的なチャンス(この1対1は、曽ヶ端選手の飛び出しで防がれる)。30分にも、中央で粘った憲剛選手の絶妙なスルーパスに小林選手が中田浩二選手の背後を突いて素晴らしい抜け出しをしています。
ほれぼれするような一発だったのですが、なんとこれが無情にもオフサイド。
・・・「いや、そんなはずは?」と思い、家に帰って録画を見直してみると、オフサイドを判定した副審は、最後尾に戻っていた5番の青木選手ではなく、6番の中田浩二選手にオフサイドラインを合わせていたようなジャッジの仕方をしているんですよね・・・そりゃねーぜ。
だからこそ、「立ち上がりの決めるべきチャンスで決めておかないと・・」と使い古された言葉を言わなくてはならないのですが、ただ立ち上がりに主導権を取られても慌てずに盛り返せる鹿島の試合運びも巧かったと思います。
例えば、GKの曽ヶ端選手。
前半の立ち上がり、フロンターレが立て続けに決定機を作る時間帯が続くと、ゴールキーパーの彼はすぐにはプレーを始めようとせず、少し間を取りながら、ゲームのテンポを落とすような再開の仕方をしていました。一回呼吸を整えることで、動揺している味方を落ち着かせているのと同時に、フロンターレの選手達の攻め気も少しだけ削いでいるんですよね。さすが400試合出ているGKです。こういう何気ないプレーがうまいんですよね。
ボールを持ったときも、鹿島はやるべきことを徹底してましたね。ノボリがいる左サイドに目がけてロングボールを蹴っていき、そこで起点が作れなくても、チーム全体を少しでも間延びさせる。これを徹底されることで選手間の距離を徐々に広げさせられましたし、そうなるとボールを保持してからもテンポが出ず、良い距離感でのボール運びができせん。アンカーの稲本選手の両脇のスペースも的確に突いてきました。
そして相手のミスを見逃さない。
ご存知のように、失点は田中裕介選手の判断と技術のミスから起きました。それで1-0のままでハーフタイムを迎えたかったですが、前半終了間際にもジュニーニョの絶妙なクロスから大迫選手が合わせて追加点。悪くない前半だったはずが、後半に向けては2点のビハインドを追いかけ無くては行けない展開になってしまいました。これは厳しいです。
その意味で、後半はこちらが攻撃に出ざるをえなくなったところをうまく畳まれた感じですね。あれよあれよと、4失点。これだけのスコアならば、完敗としか言えません。
カシマスタジアムは、かなり高いところに記者席が設置されています。0-4になってからは、ピッチだけではなく、スタジアム全体の雰囲気も含めてなんとなく視界に入れて観戦していたのですが、スタジアムを俯瞰して試合を観ていると、なんか幻想的な感じを受けるんですよね。
うまく言えないですけど、スタジアムで試合しているサッカーの様子って、UFOに乗っている宇宙人が空から見たら、「これは地球人の何かの儀式か?」って思うんじゃなかろうか。この感覚は、うまく説明できないですけど、そんなことを思ったわけです。
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試合後、「ヒロキ!」と叫んで川崎のバスに近寄ってきた選手が…ジュニーニョでした。伊藤選手とめっちゃしゃべってました。しかも、たぶん日本語で。2点目と3点目のCKにつながるクロス、素晴らしい精度でした。
今週はナビスコ決勝があるので、少し期間が空きますね。次の試合は来週、清水戦です。
フットボールチャンネルで、鉄道フェスタの紹介記事を書いてます。ガッツリのレポートではなく、ニュース記事的な感じですので、そのつもりで読んでください。
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