先日、日米通算4000本安打を達成したイチロー選手。
会見の様子はニュース映像で流れていたのでダイジェストで見てはいたのですが、全文会見を読んでみると、いやはや・・・面白いですね。インタビューの言葉の端々にイチロー選手の哲学、姿勢、生き方がたくさん詰まってます。「これぞプロフッショナルの極み」ですわ。
日米通算4000本安打達成のイチローが会見(全文掲載)/一問一答
ガツンと響いた名言を紹介しておきますね。
「誇れることがあるとすると、4000のヒットを打つには、僕の数字で言うと、8000回以上は悔しい思いをしてきている」
見ている僕らはスポットライトが浴びる「4000回の成功」の部分にしか注目しません。しかしその影には8000回の失敗があったわけです。その中で試行錯誤し、失敗を乗り越えてきたプロセスがあってのことを忘れてはいけませんよね。
ふと、先日の大久保嘉人選手の話を思い出しました。
今年、大久保選手は、Jリーグ通算100ゴールを達成している。しかしその後、中断明けからは湘南戦でPKをポストに当て、その次の仙台戦でも完全な決定機がポストに弾かれるなど、どうにも運がありません。周囲はちょっと嫌な流れなんじゃないかと感じていたのですが、当の大久保選手自身の見解は全然違いました。
「そんなの全然気にしていないよ。今までもポストには何万回も当てているから」
いくらなんでも何万回は盛り過ぎでしょ、と思いましたが、要は、そのぐらいはほんのちょっとの悔しい思いをしていたということですよね。そして迎えた多摩川クラシコでは貫禄の1ゴールですから、さすがでした。ある意味、失敗の数の多さが彼らを支えているのかもしれないな、とイチロー選手と大久保選手の話を聞いて感じたわけです。
「これからも失敗をいっぱい重ねていって、たまに上手く行ってという繰り返しだと思うんですよね。何かを、バッティングとは何か、野球とは何か、ということをほんの少しでも知ることが出来る瞬間というのは、きっと上手く行かなかった時間とどう自分が対峙するかによるものだと思うので、なかなか上手く行かないことと向き合うことはしんどいですけど、これからもそれを続けていくことだと思います」
上手くいかないときに自分とどう向き合うのか。勝てないとき、試合に出ていないとき、その人がどういう風に向き合っているのか。そのときの振る舞い、姿勢がその後のターニングポイントになっていることは多いですよね。そういう意味では、これはアスリートに限らず、仕事、もっというと人生に置き換えても成り立つのかもしれません。
「満足したらそれで終わりだと言いますが、とても弱い人の発想ですよね。僕は満足を重ねないと次が生まれないと思っているので、もの凄いちっちゃい事でも満足するし、達成感も時には感じるし、でもそれを感じる事によって、次が生まれてくるんですよね。あの意図的に、こんな事で満足しちゃいけない、まだまだだと言い聞かせている人は、しんどいですよ。」
小さな満足感を積み重ねることで、大きなことも達成できる。当たり前ですけど、4000本のヒットは一日では打てないわけです。100ゴールも一日では達成できないわけです。でもその一歩一歩の歩みにちゃんと満足する。あまり禁欲的にならないことも大事なのかもしれないですね。
・・・こんな感じで、イチロー選手のスタイル、こだわりがよくわかる会見全文、面白かったです。
イチロー選手の考え方が読める本・・・こんなところでしょうかね。
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