鹿島戦勝利。「運ぶ」は、サッカーに変化をつける。


先週末の金曜日は等々力取材。
鹿島アントラーズ戦でした。

試合は3-0で見事に勝利。
ホーム最終戦を白星で飾りました。

サッカーには不思議な相性というものがあって、
鬼木監督が就任して以来、川崎フロンターレは
リーグ戦で鹿島に一度も負けていません。
2017年からの7シーズン、一度もです。

相手がそれほど良くないチームであれば
実力の差なので特に何も思いませんが
鹿島は国内で最多のタイトル数を獲得している
クラブですからね。そこに一度もリーグで負けていない、
なんだったらほとんど勝っているというのは
驚異的な相性の良さです。

なぜそうなのかは、
ピッチを映像だけ見て分析していても
なかなか説明できない類だと思います。

だから僕は選手の声を取材して聞くのが楽しいし、
その声から色々考える材料があるので、
サッカーって面白いと思っているのですが。

さて。
この試合で大きかったのは
なんといっても前半の先制点です。

立ち上がりから25分ぐらいまでは
ハイプレスとロングボールで揺さぶってくる
鹿島に支配される時間帯でした。

そこをしっかりと耐えたこと。
そして一瞬の隙を突いて先制したこと。

山村和也がうまくボールを運び、登里享平に。
マルシーニョへのスルーパスを通して、
最後はレアンドロ・ダミアンが仕留めました。

これがチームに勇気を与えましたね。
やはり試合はゴールで動くものです。

特に登里享平が通したパスが実に絶妙でした。
相手DFの須貝英大が伸ばした足がわずかに届かない、
ギリギリのボールです。

ノボリに聞くと、回転をかけていたと明かします。

「(ピッチが)スリッピーでしたし、ギリギリ足元で、
相手が届かない場所ぐらいに。縦、縦で出したら(タッチラインを)
出るかなと思って回転をかけました。
マルシーニョも早いので、そこは通す意識で」(登里享平)

同時に、サイドで起点を作った登里享平にパスを出した
山村和也のドリブルも良かったです。

鹿島の4-4-2に対して、2トップの脇という構造的に
空いている場所からCBがドリブルでボールを運ぶことで、
サイドハーフを引きつけて、ノボリを高い位置でフリーに
押し上げることができました。山村和也の運びが
なければ、ノボリはあれだけ狙い澄ました
スルーパスを出せなかったと思います。

ちなみにハイプレスでペースを握る鹿島から
川崎が流れを引き戻したのも
22分ぐらいに、ハイプレスを受けた中で
サイドで山根視来がドリブルで運んで
打開した局面からだったと思ってます。

「運ぶ」と言うのは、サッカーに変化をつけるんですね。

というわけで、
鹿島戦はなぜ勝てたのか。
レビューでぜひ確認してみてください。

ラインナップはこちらです。

■「難しいゲームの中で我慢強く戦えたこと。
それがこういう3−0という結果に結びついたと思います」(鬼木監督)、
「最後の粘り強くやるとか、そういうところは
できたんじゃないかなと思っています」(大南拓磨)。
チームに戻ってきた「我慢強さ」。
戦列復帰からの完封を支えた大南拓磨が秘めていた、ある思い。

■「両センターバックが相手のサイドハーフに
ちょっかい出せるようなズレを生じさせるポジショニング、運び方、誘い方。
それが守備ブロックを組んでくる相手を
攻略する手段になる」(登里享平)。先制点はいかに生まれたのか。
鹿島の4-4-2ブロックに効果的だったプレーとは?

■「鹿島戦は気持ちが入る一戦でもありますし。
やっぱり成長した姿を常に見せたいと思っているので」(山村和也)。
完封勝利で飾ったJリーグ通算200試合出場。試合後の彼が、
岩政大樹監督に挨拶に行く理由。

■「ランニングを見つつ、しっかりと相手を下げさせてからやり直す。
それで矢印が向かない。その感覚を持ちながらやりました」(登里享平)。
人に強く守るから、それを逆手に攻め込める。
鹿島の足を止めた、後半のボール回しの狙いとは?

■「マルシーニョも自分もリハビリで苦労したシーズン。
二人のコンビネーションで2ゴールを取れたことを
うれしく思います」(L.ダミアン)。
それがレアンドロ・ダミアンという人間だということ。

全部で約10000文字です。

ホーム最終戦ということ、翌日にヴィッセル神戸が
J1初優勝したことも踏まえ、
「フロンターレらしさってなんだろう?」ってことも
最後に書いております。

「すべてがFになる」 (リーグ第33節・鹿島アントラーズ戦:3-0)

ぜひ読んでみてください!!

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