どうも、いしかわごうです。
先週末は等々力取材。浦和レッズ戦でした。試合は1-1のドロー。
ラストプレーで失点。最後の最後に水をこぼしてしまうという悔やまれる引き分けでした。序盤こそ相手の勢いを受ける形になったものの、試合全体の内容を見ればフロンターレの勝利が妥当だっただけに、実にもったない決着となってしまいました。
ショッキングな結末だっただけに、あのラストプレーの対応や流ればかりに目が行きがちですが、守りきれなかったことよりも教訓とすべきことは、追加点を決めるべき時に決めておかなければ、こういう結末になる可能性があるということです。
77分、2トップの連携で三人目の動きで抜け出した守田英正が放ったシュートをDFに阻まれた場面。
80分、長谷川竜也が裏に抜けた場面からの折り返しを、ニアサイドで流し込むはずの小林悠がミートしきれなかった場面。
そしてロスタイム。長谷川の仕掛けによる絶好のお膳立てを、家長昭博がフリーで合わせるも、ゴールの枠をとらえきれなかった場面。
それ以外にもまだありましたが、少なくとも3度ほどの追加点を取れる決定機がありました。そしてこうした決定機の多くに顔を出しているのが、左サイドの長谷川竜也です。この試合でも抜群の存在感でした。
得点場面では、ボールを持っても加速せず、スローなテンポで切れ込んで行き、相手を引きつけてから、縦に抜ける登里享平を生かすパスを選択するという判断を見せました。
https://twitter.com/J_League/status/1134800511717191680
なぜ長谷川は、あの場面で加速するのではなく緩急をつけようとしたのか。それはドリブルのスピードを減速することで、周囲の状況を認識するためです。
「あそこで必要以上にスピードを上げてしまうと、相手との距離が近くなってしまって、他の選手が見えなくなってしまうんです。その中で、あそこでスピードをコントロールして、ゆっくりとカットインしたことで、ノボリくんの動きも見えました」(長谷川竜也)
つまり、自分が局面を突破するためではなく、周囲の状況を把握し、そして生かすためのスローなドリブルなんですね。そしてパスでお膳立てする。
もちろん、それによって、また自分の仕掛けるドリブルも活きてくるわけです。今の彼は、そういう使い分けができているようになっているように感じます。非常に良い傾向だと思います。
「1対1もオフェンスの選択肢の一つにすぎねぇ」
漫画スラムダンクで、湘北高校のエース・流川楓が、王者・山王工業のエース・沢北との1対1に大苦戦している時、ライバルである仙道彰から言われたこの言葉を思い出すというシーンがあります。それによって、パスという選択も使い分けていき、次第に沢北をも凌駕するプレーを見せ始める・・・という展開になるのですが、最近の長谷川竜也の成長ぶりは、なんだかそれに近いものを感じますね。
・・・とまぁ、長々と書きましたが、試合の詳しい掘り下げはレビューで。今回のレビューでは長谷川竜也と大島僚太についてのプレーをたくさんまとめております。
レビュー書きました。約12000文字の大ボリュームです。よろしくどうぞ。➡️ 左サイドで圧巻の存在感を放ち続けた長谷川竜也と、舵取り役の大島僚太が後半に見せた大胆な位置取り。浦和守備陣を完全攻略して生み出した先制点を読み解く。(リーグ第14節・浦和レッズ戦:1-1)| https://t.co/e1D6nBKCGQ
— いしかわごう (@ishikawago) June 3, 2019
ラインナップはこちらです。
1.「あとは2トップだったので、ボランチとディフェンスの間に誰かが立ってくれると思っていたところはあります。後半はそこを変えて、自分も入っていくし、アキさん(家長昭博)も入っていくという感じになりました」(大島僚太)。トップ下・脇坂泰斗の不在で生み出せなかった、中央での攻撃のリズム。サイド重視になった前半の攻め筋を検証する。
2.「あそこで必要以上にスピードを上げてしまうと、相手との距離が近くなってしまって、他の選手が見えなくなってしまうんです」(長谷川竜也)。局面突破の仕掛けではなく、周囲を生かすドリブルと判断力を身につけ始めたタツヤ。左サイドで放ち続けた圧巻の存在感と、浦和の5バックを攻略して生み出した先制点を読み解く。
3.「斜めへのボールだったり、そういうところは意識しながらやれてたので」(車屋紳太郎)。車屋紳太郎の右SB起用にあった2トップを生かす攻撃の狙い。そして逃げ切りの難しさを生んだ交代策。
4.「何をやってくるかわからないところがあったので、自分たちとしても受けではないが、どうやってくるかなと構えた部分もありました」(大島僚太)。舵取り役の大島僚太が語ったゲームの入り方と進め方。そして得点シーンに象徴される、後半の大胆なポジショニングの理由とは?
5.「簡単にコーナーを与えてしまうというのは、何が起こるかわからない。そういうリスクを避けるためにも、一人一人ができることはあったと感じている」(谷口彰悟)。ラストプレーで溢れ落ちた勝ち点3と、どう向き合うべきか。
以上、5つのポイントで冒頭部分も含めて全部で約12000文字の大ボリュームです。読み応えはたっぷりあります。試合から数日過ぎて、少し落ち着いた方も多いと思います。ぜひ読んでみてくださいね。
左サイドで圧巻の存在感を放ち続けた長谷川竜也と、舵取り役の大島僚太が後半に見せた大胆な位置取り。浦和守備陣を完全攻略して生み出した先制点を読み解く。(リーグ第14節・浦和レッズ戦:1-1)
ではでは。