どうも、いしかわごうです。
本日は等々力でサンフレッチェ広島戦です。試合の見どころは、この人に尽きます。新井章太。柏戦から足を負傷しており、多摩川クラシコには痛み止めと打って強行出場していた西部洋平が欠場濃厚となりました。そこで出場機会が巡って来そうなのが、今季セカンドキーパーとしての役目を果たしてきた新井章太です。
キャリア5年目ですが、プロ4年間の公式戦出場はいまだゼロ。あるときは「日本にいるJリーガーの中で、自分が一番試合に出たいと思っているぐらい」と漏らしたほど、試合に飢えているオトコが、ついにプロデビュー戦を迎えそうです。
Yahoo!で「新井章太」と検索したら、検索結果に出て来たのが、Wikipedia、Twitterアカウント、本人の画像、そして僕が執筆したピックアッププレイヤーの原稿「何者でもない」、僕が執筆したブログ記事「新井章太が今年にかけている理由。」という順でした。俺の記事率が高ぇな、オイ。
—–
「出番はあるでしょう。技術はあるし、ポテンシャルもある」
今シーズンを迎えるにあたって、大久保嘉人が話してくれた新井章太に対するコメントです。公私ともに親しい間柄で知られる2人ですが、この2年間、Jリーグで最もゴールを決めていたストライカーが、プロになってから4年間一度も公式戦に出ていない新井章太のことを「ポテンシャルもある」と評していました。
昨日の練習後、「いよいよ新井章太に出番が来そうですね。何か声はかけたんですか」と大久保嘉人に聞いてみました。すると、「かけていないよ。昨日(風邪で自分は練習に)いなかったから、今日知ったんで」と意外にも素っ気ない返事でした。誰よりも喜んでいるのかと思いきや、「働いてもらわないとね。プレッシャーのかかる中で、どれだけやれるかでしょ。それでダメだったら、そこまでの選手だということ」と、むしろ厳しめのエールを贈ってました。
でも、それが「プロとしてピッチに立つこと」であり、「プロはピッチで実力を表現してナンボ」だということを彼は言いたいのだと思います。自らの実力を得点という結果で示し続けて来た大久保嘉人の言葉だけに、なんだか説得力がありました。
事実、新井章太には苦い経験があります。
それは今季開幕前の2月21日、等々力競技場で行われたアルビレックス新潟との練習試合。彼は1本目のゴールマウスを守ってますが、結果は約30分たらずで4失点。練習試合とはいえ、試合後のミックスゾーンを通る彼の表情はとても険しく、話しかけるのをはばかられるほどでした。
後日、あらためて聞いてみました。あの練習試合を自分の中でどう消化したのか、と。
「ゲームの中でいかに練習通りのプレーができるか。それを出せないとまったく意味が無いとわかりました。特に1失点目。あの1失点目がなければ2失点目もなかったし、3失点目、4失点目もなかったかもしれない。あの1失点目を防ぐ方法を考えて、練習からもっとこだわってやっていかないといけない」
そしてこう一言。
「でも練習試合だったからこそよかったとも捉えてます。あれが公式戦だったら、もう自分に二度とチャンスは巡ってこない」
あれから3ヶ月。ついにそのチャンスが巡ってきました。あの練習試合の経験は、彼の中でどう生きているのか。プロ公式戦出場を控えた昨日の練習後に聞いてみると、彼は自信を持ってこう語ってくれました。
「競技場とここ(麻生)は感覚が全然違うんですよ。例えば、ボールの音とかね。やりにくかった。でも、もう大丈夫です。今シーズンはずっと入ってきていたんで、感覚もある。クロスの感覚もね。良いイメージしかしていないです。なんとしても勝つ。その流れをキーパーで作りたい」
頑張れ、新井章太。自分は何者なのか。それをピッチで証明しよう。