第10節サンフレッチェ広島戦〜小林悠の開始直前離脱で生まれてしまった「高さという選択肢がない」という問題点。



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 どうも、いしかわごうです。

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 広島戦は0-1の敗戦。

 まず開始直前にアクシデントが起きました。
アップ中に小林悠が膝を痛めて離脱。これにより急遽、船山貴之が先発に。戦術理解度の高い船山貴之が先発組に繰り上がったのは妥当だったと思います。3トップの一角でできる候補としては、杉本健勇、アン・ビョンジュンなどもいましたが、風間監督が起用する序列を考えると、船山貴之を出すのが当然です。

 ただし、同時に問題も生まれていました。
それは前線の3人がみな小柄な選手になってしまったことです。小林悠の不在により、3トップは大久保嘉人(170cm)、レナト(167cm)、船山貴之(170cm)と「高さという選択肢」がなくなってしまった。これまで小林悠がいない試合で船山貴之ではなく杉本健勇がスタメンを張っていたのは、おそらく「高さ」にも要因があったわけで、緊急事態だったとはいえ、この偏りが試合にどう出るのかは懸念材料でした。

 試合が始まると、その影響が出ていました。
開始3分の失点場面がそうです。あの場面だけを切り取れば、ドウグラスに気づかずに処理を誤った谷口彰悟の判断ミスであり、その指示を谷口彰悟に伝え切れなかった新井章太のコーチングミスとも言えるかもしれません。

 「もったいなさ過ぎます」とプロ初失点場場面を悔やんでいた新井章太。「DFが2人いた。DFはドウグラス選手に気づいていなかった。もっと簡単に処理できるように、自分がハッキリと指示を出せば良かった」と反省していたように、あの現象だけを切り取れば、GKとDFの連係に問題がありました。

 しかしあの失点の場面を巻き戻すと、あれはフロンターレのゴールキックから始まってます。ミキッチが味方にパスに追いつけずラインを割ったゴールキック。プロ初タッチになった新井章太は、素早く近くにいる味方につけようしましたが、広島の前線の選手たちに阻止されました。結局、このゴールキックは、間合いをじっくりとってロングキックに切り替えてます。

 ただこのロングボールに対して、競り合いにいける選手はフロンターレの前線に不在です。通常であれば小林悠が競りにいって、まずまずの勝率を見せる、あるいは中盤でセカンドボールの奪いあいになるのですが、制空権の勝負にすら持ち込めず。この場面では船山貴之が競りにいきましたが、さすがに分が悪過ぎます。中盤で跳ね返されたボールは、そのまま前線にいるドウグラスに。そのこぼれに佐藤寿人が反応し、高い位置で受けた柴崎が最終ラインの背後を狙って浮き球を放り込む・・・見方によってはショートカウンターです。もちろん、フロンターレが対応を誤らなければ何も問題がない局面でしたが、これが失点につながり、そして試合を決める決勝点に・・・。

 試合後の新井章太に聞いてみました。
小林悠のアクシデントで、ロングボールに競れるターゲットがいなかったことの配給の難しさはあったのか。そして最初のロングボールの狙いと判断について。彼はこう明かしてくれました。

「悠がいれば、というのはありましたね。あの場面は、最初だから少しでもリスクがあるなら簡単にやろうと思ってました。新吉さん(菊池新吉GKコーチ)にもそう言われてましたし。一発目(のキック)だったので、遠くを狙いました。レナトに蹴れればよかったかもしれないけど・・・」

 難なく先制点というアドバンテージを得た広島は、前線に佐藤寿人1枚だけを残して、潔く[5-4]のブロックで構えます。ペナ幅に中盤の4枚が構えて、かなり強固です。結局、フロンターレはこの守備を最後までこじあけられず。

 人数が揃って守る広島守備陣を地上戦で崩し切ろうとして、結局、シュートまでいけない場面が目立ったことで「なんでもっとクロスを放り込まないのか」という指摘はあると思います。事実、後半の最大の決定機は、中央にいた中村憲剛が見事なターンで相手を外して、守備組織のギャップに走り込む大久保嘉人の頭にピンポイントで合わせた空中戦でした。もし空で勝負させ続けるならば、あの精度を続けていくことなのですが・・・あのプレーは相当難易度が高いです。

 そこまでしなくても、相手の組織が崩れていない状態でラフなクロスをゴール前にあげて、「空中戦で決めてくれ」で解決できれば楽チンなのですが、この日の前線はみな小柄な選手達・・・その可能性に期待するのは、あまりに酷でしょう。

 制空権の駆け引きでも、小林悠の不在の影響が大きかったと思います。
実際にクロスをあげるかどうかは別にしても、裏のスペースに抜ける動きと空で相手と競り合える特徴のある彼が前線に居ることで、相手守備陣の頭の中に「空もある」という選択肢を思わせることができるわけです。スラムダンクの流川対沢北じゃないですが、この「選択を刷り込ませる」というのは意外と大事だったりします。ついでにいうと、クロス配給に優れた車屋紳太郎も出場停止。クロッサーと長身選手の不在により、「いざとなったらクロスをあげて空からも攻撃するよ、というカードをちらつかせる駆け引き」すら、広島守備陣に対して出来ませんでした。「高さがないこと」ではなくて「高さという選択肢がないこと」で攻撃の幅を狭めてしまった・・・この日の無得点には、そんなことを痛感しました。

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 3連敗となったことで頭を下げがちですが、プロ5年目にして新井章太が初先発を飾りました。試合前、フィールドプレーヤーよりも先に出て来て始まるゴールキーパーのアップ練習で、Gゾーンからこんな応援ダンマクが出ました。

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 ショータイムならぬ、章太イム。章太仏(ほとけ)じゃないですいよ・笑。試合後、新井章太にあのダンマクについてコメントを聞きましたが、「そこまでしてくれるなんて。みんな待っていてくれていたのかと感動しました」と話してくれました。

 早い時間帯で喫した失点にショックも大きかったと思いますが、そこから精神的に崩れることもなく試合を終えました。素早いフィードやパス出しのテンポ、ディフェンスラインの背後のカバーなど、持ち味を出していたと思います。ちなみに試合後の大久保嘉人も「問題ないでしょ。大丈夫でしょ。全然やれていた」と、一定の評価を下してましたよ。次は勝ちを飾ってもらいたいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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