森内俊之竜王・名人の「覆す力」〜正しい将棋と勝つための将棋。


 最近読んだ本。
森内俊之竜王・名人の「覆す力」。
覆す力 (小学館新書)/小学館

¥756
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 渡辺さんの勝負心に続き、森内さんの新書も発売されました。現在の将棋界というのは、7つあるタイトルのうち、羽生さんが3冠、森内さんが2冠、渡辺さんが2冠という内訳になっています。そのなかでも、森内さんは将棋界の2大タイトルと言える竜王と名人の2つを保持しているため、現在の将棋界のトップに君臨していると言っても過言ではありません。
 羽生さんや渡辺さんと比べると、自身の勝負哲学などはそれほど積極的に発信していない印象でしたから、この本では森内さんの思考や信条、そして心情もたくさん語っていて、面白く読めました。ライバルと言われている羽生善治3冠とは、それこそ小学生時代から競い合って来た仲です。その羽生さんが7冠を達成したのは今から約20年前で、20代の頃。どちらかというと年齢を重ねながら超一流になっていった大器晩成タイプですし(あくまで羽生さんや渡辺さんと比べると、ですが)、その意味でも、違う視点で書かれているトッププロの本という印象を持ちました。あとは将棋ファンから「カレー定跡」と呼ばれている二日制の対局ではいつも夕食にカレーを注文する手筋の話とかも触れてます・笑。
 個人的には、「正しい将棋」と「勝つための将棋」に対する考え方が興味深かったですね。そして読みながら、これはサッカーに置き換えても当てはまる考え方だなぁ、とも思いました。「正しいサッカーかどうか」という問いかけって、深いですから。
 スポーツ好きであるのと、メンタルを鍛える為にスポーツ選手の本をよく読んでいるようで、スポーツに例えて説明する描写も多かったです。例えば、「渡辺さんと戦うのは若手の速球派のピッチャーと対戦するようなものだ」とか、年齢によって棋風を変化させることを、「ストレート中心で勝ち星をあげてきたピッチャーが、自らの衰えを感じて変化球ピッチャーとして生まれ変わるようなものだ」のような感じで。頭脳アスリートによるビジネス書として、気軽に読めますね。
 プロ棋士による新書は、他にも色々出てます。
「渡辺さんの勝負心」
勝負心 (文春新書 950)/文藝春秋

¥788
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羽生さんの新書はロングセラーがたくさん。
決断力 (角川oneテーマ21)/角川書店

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大局観 自分と闘って負けない心 (角川oneテーマ21)/角川書店(角川グループパブリッシング)

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直感力 (PHP新書)/PHP研究所

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 僕の本もよろしくっす。
スペイン代表好きなら将棋のこの戦法、ブラジル代表好きならこの戦法、イタリアならこれ、と将棋の楽しさとサッカーファンにもわかるように提案した将棋入門書です。
将棋でサッカーが面白くなる本―3日で理解できる将棋戦法入門/朝日新聞出版

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