ナビスコカップファイナルに見る、決勝戦の戦い方。


 ナビスコカップ決勝は自宅でテレビ観戦。
決勝戦でも「いつも通り」の戦い方で臨んだ浦和レッズに対して、柏レイソルは「カップ戦の決勝戦」という舞台を意識した戦い方をしていたように感じました。試合は、1-0で勝利した柏が優勝。
 
 浦和の攻撃に対する噛み合わせ方や、ボールを保持したときの選手の出方を観察するに、前半の柏は失点しないことにかなり軸足を置いたゲームプランだったように感じました。言い換えれば、前半は0-0でもOKぐらいの慎重な試合運び。そうやって浦和をじらしたところ、ネルシーニョ監督は後半に勝負を仕掛ける算段だったと見ています。
 そんな中、前半ロスタイムに藤田選手のクロスに工藤選手が合わせる形で柏が先制。ネルシーニョからすれば、リードしてハーフタイムを迎えるという、願ってもない展開だったのではないかと。
 後半の柏はさらに重心を低く構えて、カウンター狙いに徹していました。ただ浦和の圧力も予想以上だったのか、柏もかなり低いラインになって対応していました。
 ロスタイム直前、柏のクリアボールの跳ね返りがこぼれ球となり、それをゴール前で詰めていた興梠選手が決めて同点・・・かと思いきや、これがオフサイドによって取り消し。この判定が下されるまでには、少し時間がかかりました。浦和の選手が歓喜の輪を作ってからのゴールの取り消しだったので、現地は困惑していたようにも見えました。
 この場面、興梠選手は、決めた後に山口副審の旗が上がってなかったのを確認してから歓喜の輪を作っていました。「オフサイドの旗は上がっていない」と判断して喜んだのだと思います。でも山口副審はゴールを認めるスプリント(ハーフラインに向けたダッシュ)をせず、ジャッジを保留していました。おそらく副審の位置からは、興梠選手の位置はオフサイドだけど、柏のクリアがどの選手に当たって、そこにこぼれたのかまでは判断できなかったんでしょう。あの瞬間、エリア内に選手が密集していましたからね。
 逆に扇谷主審の位置からは浦和の選手に当たったのはわかっていても、興梠選手がオフサイドだったのかどうかまではわからなかったのだと思います。扇谷主審が副審のもとに確認しにいき、最終的にノーゴールといいう判断になりました。そしてこれは正しいジャッジとなりました。
 この判定、もちろん一発でオフサイドと判定することがベストであるのは間違いないです。でもそれが難しかった場面でどうするのか。審判団が取るべき行動としては、これはベストといえるナイス判断だったと思ってます。現地で生観戦していた方達には、何が起きたのかよくわからかったこともあったためか、試合後の審判団は大ブーイングを浴びたそうですが、ちょっとお気の毒でもありますね。
 柏はこれで11年にリーグ、12年に天皇杯、そして今年はナビスコカップと3年かけて3大タイトルを取りました。10年にJ2に降格してからですから、やはりこれはネルシーニョ監督の手腕が大きいですよね。
 今日のネルシーニョ監督が見せた「決勝戦の勝ち方のお手本のような試合運び」を見ると、こういう一発勝負試合に特化した戦い方の教科書というのはあるんだろうな、とも感じます。将棋の対局でも、負けたくない対局では負けにくい穴熊にしたり、と棋士が選ぶ戦法もやはり違いますからね。そういう感覚で解釈してますが。
 一方のペトロヴィッチ監督はなかなかタイトルが取れませんね。リーグ戦では上位につけていますから、彼が「勝負強い」、「勝負弱い」というと、それもちょっと違う気がします。なんだろう・・・わからん・笑。
・・・・って、サラサラッとお茶漬け感覚で書くつもりが、こんな長文になってしまいました。他の話題を書きたかったけど、それはまた今度で。

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