日曜日はフクアリに。
J2の千葉対富山の取材に行ってきました。
暖かかったですね。
というか、暑かったぐらいです。お腹がすいていたので、喜作のソーセージ盛りを食べました。タッパー持参だとちょっとサービスしてもらえるんですね。知らんかった。
試合は3対2で千葉が勝利。
千葉が開始早々に先制し、前半終了間際に追加点。そして後半開始時のタイミングでポンポンポンと効率よく3点取りました。ただ富山はそれでも気持ちを切らさずに反撃し、終盤に2得点。粘りを見せる展開に持ち込むも一歩及ばず、惜敗となりました。
この試合、富山はやるべきことはやっていたと思います。
ボールをしっかりと握り、豊富な運動量と局面局面で顔を出す選手が多いのは相変わらずで、ゴールに向かう意識も強かったです。放ったシュートも17本でした。千葉の9本に対して2倍近い数字を叩き出しています。
守備でも高い最終ラインでコンパクトな戦い方で、幾度となく狙い通りのオフサイドを取っています。それだけにもったいなかったのは、やはり失点の形。前半に関しては、わずかシュート3本で2失点。後半の3点目も軽率な中盤のボールロストからカウンターを受け、いったんはよくリカバーしたのですが、そのこぼれがケンペスの目の前に転がってしまう、ややアンラッキーな形でもありました。本当にもったいない。
とはいえ、千葉の得点も狙い通りだったと思います。
この試合、二列目の兵働選手が右サイドに、田中選手を左サイドにと、あえて利き足の違う両サイドを入れ替えていました。
1点目はサイドチェンジから、左利きの兵働選手が右から中央に入って起点を作ることで目の前のスペースを作り、左足でスルーパス。右サイドバックの米倉選手の攻撃参加を促します。駆け上がっていた米倉選手のクロスに中央でケンペスがダイビングヘッド。
2点目もしかりです。
左利きのスピードある選手であれば縦に抜けてそのまま左足でクロスという形が多いと思うのですが、右利きの田中選手は左から中央に切り込み、右足で挙げたクロスを兵働選手がうまく合わせて追加点。2点とも両サイドを入れ替えた効果がうまく出た得点シーンだったと思います。
ただ富山視点でいえば、左サイドにいた木本選手の対応が気になる場面でもありました。
マークの受け渡しの部分を含めて、2得点ともうまく振り切られてサイドを破られている印象でした。いつもであればここの位置に入っているのは木村勝太選手なのですが、この試合では当日発熱したため欠場だったそうです。富山のベンチメンバーが6人しかいないのはそのためです。急遽、木本選手が左サイドに入ることになったとのこと。守備に関してはそこの影響が少なからずだったのかもしれません。
ただここは後半に修正されました。
ハーフタイムに安間監督は、相手に引っ張られるのではなく、自分が仕掛けることで対面の兵働選手と米倉選手を自陣に押し込めということを木本選手に伝えたと話していました。サッカーにおけるサイドの攻防というのは、相手の良さを消すか、こちらの持ち味を出すのかという引っ張り合いが常にあるのですが、ここの攻防はなかなか面白かったです。木本選手もよく盛り返したと思います。
試合後は、安間監督や、國吉選手、足助選手に色々話をきかせてもらいました。
特に足助選手とは久々にお話しました。3月のときは怪我をしていたので会えずじまいでしたから。ルーキー時代からよく知ってますが、今やカターレ富山の在籍もすでに5年目。キャプテンとして、すっかりとたくましく成長しています。いつ会っても「来てくれたんですかー」と人懐っこい笑顔で対応してくれます。
守備の部分で聞くと、足助選手個人が悔やんでいたのは、先制点の崩され方ではなくて、そのボールを失った流れでした。右サイドで自分がつなごうと國吉選手に出した場面を狙われて相手ボールのスローインになりました。そこから始まったボールを左サイドに展開されての失点だったからです。そこの判断を少し悔やんでいました。
「立ち上がりなので裏に蹴ってしまえばよかったのだけど、そこでスローインになった流れで、逆サイドに展開されて失点してしまった。ボールを動かすときは自信を持って動かせば良いけど、相手が前から奪いに来ているときは、後ろを狙ってもいい。そういう場面での個人の見極めですよね」
ケンペスの対応としては、裏への一発をやられないように意識していたと話してました。あれだけ高いラインを保っているチームですから、当然そこのスペースを狙われるわけですが、そこの対応はできていたと思います。チームとしてもオフサイドは9回取っています。
「さぼっているときはさぼっている選手なので。そこはゲームに参加していないわけで、流れの中では自分たちがこまめにコントロールして、ラインで消すことができていました。ただ生き返ることもあるので、そのときはちゃんと気をつけました」
それでもケンペスは2点取ってるんですよね・笑。点を取る以外の仕事はほとんどしてないのに、点だけは取る・・・まさにザ・ストライカーですわ。たいしたもんです。
ここにきて、富山は悪くない試合をしながらも勝利から見放されています。そこに対しても「内容がよくても負けは負けです。負けはしっかりと受け止めていかないと」と受け止めていました。
「2年かけて少しずつフットボールになってきた」と安間監督。ボールを握り、自分たちがやるべきことはできていても、千葉にケンペスがいたように、アタッキングサードの質の差で負けてしまう試合もまだまだ多いです。それでも「ウチは何かが足りないので、そのための組み合わせを考えていくのが楽しいんですよ」と試行錯誤を楽しんでいるようです。内容と結果を少しずつ両立させていってもらいたいと思います。