渡辺啓太「なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか」


最近読んだ本。
いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
「なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか」
サッカーではなくバレーボールの本です。
ロンドン五輪で、見事に銅メダルを獲得したバレーボール女子日本代表。そのチームアナリスト・渡辺啓太さんによる本。出版したのは五輪前です。以前、「ナダールの穴」という番組にも出演していましたね。
 そもそも、チームアナリストってなんじゃらほい?って話になると思うのですが、女子バレーでは、眞鍋監督が試合中にiPadを手に持ちながらあれこれ指示を出していますよね。
 そのiPadには「データバレー」という世界標準のソフトが入っていて、目の前で行われているリアルタイムのゲームデータが反映されている。具体的には、コートを45分割して、ボールの落ちてきた位置を座標で素早く入力し分析。監督はそのデータを元に、作戦や戦術の指示を出すわけで、監督が持つそのiPadに情報を送るのが、アナリストの渡辺啓太さんの仕事です。そんな彼のデータ分析術が公開されていました。彼がどうやってアナリストになったかの紆余曲折も面白かったです。今までない職業ですから、それを認めさせて居場所を確保するのは大変ですよね。
 どうしてもサッカーとの比較をしてしまうのですが、サッカーもかなりの情報戦になってきていますが、ピッチの広さもありますし、タイムが取れないスポーツですし、バレーのように分析をリアルタイムに伝えるというのは、まだできないですよね。せいぜいハーフタイムに情報を伝えるぐらいでしょうか。iPadのような通信手段の道具をベンチに持ち込むことも制限されていますし、PK戦のときにコーチがメモをGKに渡したことが問題になったこともありました。
 サッカーとの比較という意味でも、情報化が先鋭化されているバレーの世界の分析が垣間みれて、興味深い一冊でした。
なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか―勝利をつかむデータ分析術 バレーボール「観戦力」…/渡辺 啓太

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