Jリーグ20周年。なぜ開幕戦はヴェルディとマリノスだったのか。

 本日2013年5月15日、Jリーグが20周年を迎えました。
 1993年の5月15日は土曜日でした。
当時の僕は中学生で、午後から近隣の学校と練習試合が組まれていて、試合は確か1-3で負けました。「今日からJリーグが始まるから、勝ちたかったなぁ」なんて思いながら、開幕戦の中継を家でみたいから、サッカー部のみんなとトボトボと家に帰ったのを覚えてます。
 テレビに映っていた開幕戦のセレモニーは、派手なカクテル光線だったり、なんだかテレビの中の別世界の出来事みたいに思いながら、見ていた気がしますね。カズだ、ラモスだ、井原だ、松永だ、と思っていたら、なんか全然知らない外国人がすげぇミドルを決めて、「マイヤー!!・・・誰?」ってなったものです。たぶん日本全体がそうなったはずでしょう。
 サッカーライターの仕事を始めてから、ラモスさんにこの開幕戦の思い出話をじっくり聞いたことがあります。毎年5月15日を迎えるたびに、いつも思い出します。ものすごく刺激的な話でしたから忘れることができません。
 まずラモスさんは、日本リーグ時代の「読売」のサッカーにとてつもなくプライドを持っている方です。そして自分たちが日本サッカーをけん引してきたという強烈な自負がありました。

「ロングボールを蹴って走って蹴って走っての時代に、俺たちはショートパスをつないでつないでサッカーをしていた。見た目もチャラチャラしてたから、『あんなのサッカーじゃない』って言われたよ。けど、『俺たちが日本で一番うまいクラブだ』って言って頑張った。そこで加茂さんが『俺たちのほうが読売クラブよりも強い』ってすばらしい日産を作って、そこから他のクラブが『何が読売だ』、『何が日産だ』って意地を出してきて、89年とか90年に日本リーグ全体のレベルが高くなった。それがあったから日本もプロになれるビジョンができたんだよ」


 だから、開幕戦がヴェルディ対マリノスだったんだよと、こんな風に言い切ります。
「何でJリーグの開幕戦はヴェルディとマリノスだったの?どのチームも開幕戦には出たいんだから、別に抽選でもよかったんじゃない?でも開幕戦は、ヴェルディとマリノスだった。それは読売と日産が日本のサッカーを引っ張ってきたからでしょ。間違いないよ」。

 その開幕戦が行われた国立競技場は超満員でした。
開幕前年にナビスコカップがあり、8千人とか1万人でプレーしていたけれど、ラモスさん自身もまさか国立がいっぱいになるとは思わなかったそうです。当時はミーハーも多く、新聞を全然読んでいなかったから、世間がどういう風に盛り上がっているのか、イマイチ把握してなかったとのことでした。

「3万人か4万人は入るかもよって聞いていたけど、国立に入ってみてビックリしたね。どわーっと超満員だよ?5万9千人って発表されているけど、たぶん6万2千人は入っていたよ」


 メディアの数も含めると、本当に国立から人が溢れてしまっている状況だったそうです。確かに、6万人以上入っていたとしてもおかしくないかもしれません。
 試合のポイントとしては、ヴェルディとしてはやはりマリノスの堅い守備をどう崩すかだったとのこと。特にアジアの壁・井原正巳選手をどう攻略してゴールをこじ開けるのか。
「僕たちは攻撃のチームだったから、どうやって井原をサイドとか前に引き出して、その裏にうまく武田を走らせたり カズの足元に出して勝負させたり、いかに井原を真ん中から追い出す、引っ張り出すのか。攻撃ではそこの駆け引きですよ。井原もそこをわかった上で対応していたから、じゃあサイドから崩していこう、2対1で攻めていこうとか。毎回すごい細かい駆け引きをしていたよ」

 読売と日産時代から幾多の名勝負を繰り広げてきたからこそ生まれる、駆け引きや戦略があったというわけです。なかなか興味深い話ですよね。Jリーグのあの開幕戦のピッチ内の駆け引きを分析した談話というのは、あまり伝わってきません。
「井原のいいところと悪いところ、和司のいいところと悪いところ、相手のことはすべて知っていたし、あっちも僕たちのことを全部知っていた。例えば、水沼はスピードがあるからその前の段階で都並がいかに潰すか、でも都並が先に警告もらえば強くいけなくなるから、わざとつっかけてくるとか、もう毎回お互いの駆け引きは最高だったよ。今日はこうきたな、とかすぐわかる。生意気かもしれないけど、そのレベルの高さは半端じゃなかった。たまらなかったよ」
 試合は1対2でマリノスの逆転勝ち。後半のCKからエバートン、終盤にはラモン・ディアスのゴールでマリノスが逆転勝ちです。Jリーグの初勝利はマリノスが刻みました。ただ試合後、ラモスさんの中にあったのは勝ち負けを越えた感情だったそうです。

「試合には負けたけど、すごくいい試合だった。それよりも、俺たちこういう舞台でやれたなっていう喜びのほうがずっと大きかったね」

 試合後は、選手みんなで祝賀会(?)をしていたそうです。
「試合後、俺たちもようやくここまできたなってみんなで飲んでたら、水沼とか井原も騒ぎに来て、喜びを分かち合った。試合には負けてるし、相手はライバルだよ。でも、ここまできたぜ、もっと頑張ろうぜ。そういう気持ちのほうがすごかったんだ。でも和司だけが『あれ?また勝てなかったの?弱いのー』って、あの広島弁でバカにしてきたけど(笑)。アイツはいつもそうなんだよ。このやろー、アホって言ってやったけど(笑)」
 木村和司さん、相変わらずですな・笑。
 結局、ヴェルディは序盤こそつまずくも、初代Jリーグチャンピオンになります。まさに王者の強さでした。
 なぜあんなに強かったのか。もちろん、圧倒的なタレント集団だったことが最大の原因に他なりませんが、選手同士の競争意識やミスに対する厳しさ、緊張感ももの凄かったとラモスさんは明かしています。
 「僕が現役のときも、ミスしたら『なんだ、このミス!』ってよく怒っていた。都並(敏史)によく『フザケンナ!』って怒鳴ってたよ。でもそれは本人たちのためを思って、厳しく言っていた。だって彼らがよくなれば、ヴェルディというチームが強くなるじゃない?どうやって攻めるのか、どこでボール奪うか、セットプレーとか、そういう戦術的な部分だけに監督は専念できた。それ以外の、1対1に負けないとか、攻守の切り替えをしっかりする、とかそういう部分は『なんだ、その戻りは?ここで早く戻れよ!』って選手同士で徹底的に言い合って修正していた。確かにものすごく強い個性を持っている選手たちだったかもしれないけれど、選手が自分達で勝手に修正してくれたので、監督としては楽だったんじゃないかな。ある有名な監督は、『監督の力は30パーセント』って言っているけど、俺は20パーセントだと思っている。残りの80パーセントは選手だよ。コンディションとか、どういう気持ちで戦っているか、そこが問題。失敗はしてもいいけど、選手がちゃんと反省をして、選手同士で修正しないといけない」
 その証拠にヴェルディはナビスコカップも強かったですよね。代表選手であるチームの主力が抜けて若手主体で戦っても、チームはちゃんと決勝戦まで勝ち残っていました。チャンスをもらった若手が発奮していたのです。
「僕たちの時代は、藤吉とか永井とか若手だけで2年連続で決勝まで行ったんだ。そして僕たちが決勝で美味しいところを持っていった(笑)。でも当時『なんだよ?決勝は俺たちを出してよ』って文句言った選手は誰もいなかったよ。当たり前のように若手はベンチに戻って、ベンチに入らない選手もいた。それでも雰囲気はものすごくよかった。僕たちも彼らに対して失礼なプレーはできないと思っていたから、ものすごいプレッシャーを抱えながらピッチに立ったよ。彼らのためにも優勝しないとダメだぞ、プライド見せるぞって気持ちでプレーしていたよ」
 その意味で、ラモスさんは最近の若手の野心のなさをよく怒っていました。
「例えばナビスコカップでチャンスを与えられたら、若手はもっと自分を追い込んで必死でやって応えないといけないと。『ここで結果ださないと2回目のチャンスはもらえないぞ』ってね。そして2回目のチャンスのときには、3回目のチャンスもらうぞ、3回目のチャンスのときは、これで完全にレギュラー取るぞ、もうサブじゃないぞ、そういう強い気持ちでやらないと。試合に出てお金もらって満足しているだけじゃダメ。自分の目標は何なんだ?将来はどうなりたいんだ?お金が欲しいだけなのか?それとも、ここでレギュラーを取って、日本代表にいきたいのか。試合を見ていて、そういう気持ちが伝わってこないね」
20年後の今日、開催される大会は、ナビスコカップです。
ニューヒーロー賞があるように、若手にもチャンスが巡ってきやすい大会です。
なにより、あれから20年。自分が仕事としてJリーグに関わっていることに幸せを感じながら、取材に行きたいと思います。
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フクアリ取材。

 日曜日はフクアリに。
J2の千葉対富山の取材に行ってきました。
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 暖かかったですね。
というか、暑かったぐらいです。お腹がすいていたので、喜作のソーセージ盛りを食べました。タッパー持参だとちょっとサービスしてもらえるんですね。知らんかった。
 試合は3対2で千葉が勝利。
千葉が開始早々に先制し、前半終了間際に追加点。そして後半開始時のタイミングでポンポンポンと効率よく3点取りました。ただ富山はそれでも気持ちを切らさずに反撃し、終盤に2得点。粘りを見せる展開に持ち込むも一歩及ばず、惜敗となりました。
 この試合、富山はやるべきことはやっていたと思います。
ボールをしっかりと握り、豊富な運動量と局面局面で顔を出す選手が多いのは相変わらずで、ゴールに向かう意識も強かったです。放ったシュートも17本でした。千葉の9本に対して2倍近い数字を叩き出しています。
 守備でも高い最終ラインでコンパクトな戦い方で、幾度となく狙い通りのオフサイドを取っています。それだけにもったいなかったのは、やはり失点の形。前半に関しては、わずかシュート3本で2失点。後半の3点目も軽率な中盤のボールロストからカウンターを受け、いったんはよくリカバーしたのですが、そのこぼれがケンペスの目の前に転がってしまう、ややアンラッキーな形でもありました。本当にもったいない。
 とはいえ、千葉の得点も狙い通りだったと思います。
この試合、二列目の兵働選手が右サイドに、田中選手を左サイドにと、あえて利き足の違う両サイドを入れ替えていました。
 1点目はサイドチェンジから、左利きの兵働選手が右から中央に入って起点を作ることで目の前のスペースを作り、左足でスルーパス。右サイドバックの米倉選手の攻撃参加を促します。駆け上がっていた米倉選手のクロスに中央でケンペスがダイビングヘッド。
 2点目もしかりです。
左利きのスピードある選手であれば縦に抜けてそのまま左足でクロスという形が多いと思うのですが、右利きの田中選手は左から中央に切り込み、右足で挙げたクロスを兵働選手がうまく合わせて追加点。2点とも両サイドを入れ替えた効果がうまく出た得点シーンだったと思います。
 ただ富山視点でいえば、左サイドにいた木本選手の対応が気になる場面でもありました。
マークの受け渡しの部分を含めて、2得点ともうまく振り切られてサイドを破られている印象でした。いつもであればここの位置に入っているのは木村勝太選手なのですが、この試合では当日発熱したため欠場だったそうです。富山のベンチメンバーが6人しかいないのはそのためです。急遽、木本選手が左サイドに入ることになったとのこと。守備に関してはそこの影響が少なからずだったのかもしれません。
 ただここは後半に修正されました。
ハーフタイムに安間監督は、相手に引っ張られるのではなく、自分が仕掛けることで対面の兵働選手と米倉選手を自陣に押し込めということを木本選手に伝えたと話していました。サッカーにおけるサイドの攻防というのは、相手の良さを消すか、こちらの持ち味を出すのかという引っ張り合いが常にあるのですが、ここの攻防はなかなか面白かったです。木本選手もよく盛り返したと思います。
 試合後は、安間監督や、國吉選手、足助選手に色々話をきかせてもらいました。
 
 特に足助選手とは久々にお話しました。3月のときは怪我をしていたので会えずじまいでしたから。ルーキー時代からよく知ってますが、今やカターレ富山の在籍もすでに5年目。キャプテンとして、すっかりとたくましく成長しています。いつ会っても「来てくれたんですかー」と人懐っこい笑顔で対応してくれます。
 守備の部分で聞くと、足助選手個人が悔やんでいたのは、先制点の崩され方ではなくて、そのボールを失った流れでした。右サイドで自分がつなごうと國吉選手に出した場面を狙われて相手ボールのスローインになりました。そこから始まったボールを左サイドに展開されての失点だったからです。そこの判断を少し悔やんでいました。
 「立ち上がりなので裏に蹴ってしまえばよかったのだけど、そこでスローインになった流れで、逆サイドに展開されて失点してしまった。ボールを動かすときは自信を持って動かせば良いけど、相手が前から奪いに来ているときは、後ろを狙ってもいい。そういう場面での個人の見極めですよね」
 ケンペスの対応としては、裏への一発をやられないように意識していたと話してました。あれだけ高いラインを保っているチームですから、当然そこのスペースを狙われるわけですが、そこの対応はできていたと思います。チームとしてもオフサイドは9回取っています。

「さぼっているときはさぼっている選手なので。そこはゲームに参加していないわけで、流れの中では自分たちがこまめにコントロールして、ラインで消すことができていました。ただ生き返ることもあるので、そのときはちゃんと気をつけました」


 それでもケンペスは2点取ってるんですよね・笑。点を取る以外の仕事はほとんどしてないのに、点だけは取る・・・まさにザ・ストライカーですわ。たいしたもんです。
 ここにきて、富山は悪くない試合をしながらも勝利から見放されています。そこに対しても「内容がよくても負けは負けです。負けはしっかりと受け止めていかないと」と受け止めていました。
 「2年かけて少しずつフットボールになってきた」と安間監督。ボールを握り、自分たちがやるべきことはできていても、千葉にケンペスがいたように、アタッキングサードの質の差で負けてしまう試合もまだまだ多いです。それでも「ウチは何かが足りないので、そのための組み合わせを考えていくのが楽しいんですよ」と試行錯誤を楽しんでいるようです。内容と結果を少しずつ両立させていってもらいたいと思います。... 記事を読む

等々力取材〜距離感って大事だよね。

 等々力取材。
5月11日は誕生日でした。フロンパークを歩いていたら、「誕生日おめでとうございます」と声をかけてくれるサポーターの方も・・・ありがとうございます。
いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
 相手はセレッソ大阪。試合は2-2のドロー。
今季は「先制すれば勝てる」という方程式がある一方で、「先制を許すと勝てない」というジレンマもありましたが、そういう現象は解消されつつありますね。逆転勝ちした前節清水戦同様、2点を先攻される展開になりながらも簡単には負けないしぶとさも出てきました。
 なにより、ピッチ上で展開されるサッカーにも「らしさ」が戻ってきましたね。
ということで、ここ3試合を見ていて感じた「自分たちの距離」をテーマにフットボールチャンネルで原稿を書かせてもらいっております。
川崎フロンターレ復調の要因 プレッシングを逆手にとる”絶妙な距離感”に迫る

 ボール回しが格段に機能するようになった背景には、ここを選手間で共有できていることがあると思っています。個々の選手に目を向けると、憲剛選手、山本選手のダブルボランチがうまく起点になっているそうですが、同じぐらい大島選手の存在も大きいですよね。
 原稿の中で憲剛選手もコメントしてくれていましたが、試合中にシンプリシオや扇原選手にプレッシャーを受けても、大島選手がポジションに捉われずに小回りの利くレシーバーになることで、ボールを失わずにゴールに向かうボール運びがチームとしてできるようになっています。このへんがうまく噛み合い出して、良い距離感でのサッカーができていますよね。それでもこじ開けられないなら、後半からレナトの個人技で打開していくというオプションがあるのもチームとしての強みになっています。
 もちろん、これからも「自分たちの距離」でいつもサッカーが出来れば問題ないですが、相手あってのサッカーですからそう簡単ではありません。完敗を喫したFC東京戦のように、長いボールをこわがって最終ラインが引いてしまっては、チーム全体が間延びしてしまい、自分たちの距離でサッカーはできなくなる試合もあります。おそらく、今後の対戦相手もフロンターレにはこの距離感でサッカーをさせないようにシフトしてくるはずで、今後はそこの対応力がチームで問われていくかと思います。
 試合後のことも少し。
ミックスゾーンで今年移籍した楠神順平選手と少し話しました。
「めっちゃブーイングが起きてるタイミングで入ったねー」と話しかけると、「そうなんすよ。あれは俺に対してじゃないですよね?」と少し気にしてました・笑。直接的にはその前の判定を巡って山本選手に出た警告などの起きていた大ブーイングだったのですが、その煽りを受けた形になってしまいましたね。
 プレーでの見せ場はあまりありませんでした。
むしろセットプレーでのこぼれ球を拾った場面で軽率なボールロストをしてしまい、カウンターとなるレナトの突破をファウル覚悟で止めて警告を受けてしまう始末。あの場面を聞くと、「退場やと思ってました。そしてすごい形相でこっちにきた憲剛さんにめっちゃ怒られました」と苦笑いしていました。確かに退場でもおかしくなかったと思います。憲剛選手も「あれは退場でしょ」と言ってましたが、ゴール前ではなく場所がセンター付近でしたし、自陣に茂庭選手も残っていたことから、得点機会阻止には当たらないと高山主審が判断したのでしょうかね。
 それよりも、4分のロスタイム中にGKキム・ジンヒョンが負傷で1分近くも時間を消費したにもかかわらず、49:00になる瞬間にタイムアップの笛がなった判断のほうが個人的には謎でした。GKの治療であったにもかかわらず、時計を止めていなかったのでしょうか。スタジアムの雰囲気が完全にひっくり返す流れだっただけに、あのロスタイムの短さはちょっと意外でした。
・・・とまぁ、ちょっとジャッジに関する記述が多くなってしまう試合は、やはり残念ですよね。連戦ですから、しっかり切り替えていってもらいたいと思います。
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Jリーグ開幕20周年。

 Jリーグが開幕したのは1993年5月15日でした。
 20周年ということで、あのときのJリーグ開幕について取り扱った話題が増えてきていますね。憲剛選手にもJリーグ開幕当時の思い出に関する取材が増えているそうです。
 今日の練習後も、そんな雑談になりました。
あの開幕時、憲剛選手は中学1年生だったそうです。ヴェルディやマリノスやラモスさんやカズさんとかの思い出話はすでにたくさん話していたようなので、僕はちょっと角度を変えて「Jリーグチップスのカードって集めていた?」と聞いてみました。
 自分は憲剛選手と同世代だからわかるのですが、Jリーグブームのとき、サッカー少年の間ではカルビーのJリーグチップスも大流行していたんです。もちろんお目当ては、それについてくるJリーグの選手のカードね。
 すると憲剛選手は「かなり集めてたよ!」と笑顔。
そこで「よくダブった選手っていなかった?」と聞くと・・・
「・・・大嶽直人さん!フリューゲルスの!」


・・・はやっ!!
20年前の出来事なのに、答えるのはやっ!!
その早さにウケましたね。
まぁ、大嶽直人選手ばかり引き当てていた少年が、20年後には、日本を代表するサッカー選手になっているわけですから。
いま、Jリーグチップスって売ってないですよね。
確か5年前ぐらいは、まだあったと思います。というのも、Jリーグチップスの裏にある選手紹介文の書く仕事を、エルゴラ経由でしてましたから。いまは日本代表版なら、たまに出てるのかな?
 僕は明日5月11日が誕生日なのですが、先日、練習場で取材をしていたら、女子サポーターの方が「誕生日プレゼントです」とのことで、いただいてしまいました。
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 ありがとうございます!!
パインアメです。甘酸っぱくてジューシーです。なぜにパインアメだったのかはよくわかりませんが、まぁ、「いしかわごう=パインアメ」みたいなイメージってありますもんね、パッと見。
プレゼントは2014年の5月10日まで一年間ほど受け付けているので、遠慮なくどうぞ。
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14番をつける理由。

 先日、テレビの仕事に同行させてもらいました。
J:COMで放送されているジモトピという番組内に「100%スフィーダ」というスフィーダ世田谷の応援コーナーがあるのですが、そのロケ取材です。
 番組に登場してくれたのは、チームの顔であるキャプテン・田中麻里菜選手。普段は下北沢にある「スポーツショップマリオ」で働いているので(公表しています)、そこにお邪魔して仕事風景も含めて撮影しました。
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 店内にはサッカーグッズもたくさん。レジには麻里菜選手がユニバーシアード日本代表のときに着ていたものでしょうか。サイン入りで14番のなでしこ代表ユニフォームも飾られていました。
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 田中麻里菜選手は、スフィーダ一筋のいわゆる生え抜きです。U-15時代は東京都選抜にも入れなかった選手でしたが、そこから成長を遂げてユニバーシアード日本代表に選ばれるまでになった努力家です。
そんな「ミス・スフィーダ」と言っていい存在の彼女が、クラブで着けている背番号は14番。
 普段、川崎フロンターレを取材している身としては、同じ14番の中村憲剛選手ともなんだか少しだけ重なってしまったのです。
 そんなわけで撮影の合間に雑談がてら「14番にこだわりってあるんですか」と聞いてみました。
 ちなみに憲剛選手の場合は、バルサ好きなので、ヨハン・クライフに憧れていた・・・・のかと思いきや、「誰にも理解されないんだけど、1と4のバランスがいいんだよね」という、「えぇっ・・・」という理由でした。正直、ずっこけそうになりますよね。
一方、麻里菜選手から返ってきた理由は・・・・
「なんとなくです」
・・・・ズコー!!!ってなりかけました。いや、なりました。
空いてた番号が14番だったので、それで14番をつけているそうです。
 まぁ・・・そんなもんですよね。数字なんて結果として輝くものですから。
番組は、5月13日(月)~5月19日(日)のジモトピの「100%スフィーダ」で放送されます。J:comが視聴できる方はぜひどうぞ。詳しい放送スケジュールはこちら
<撮影風景は選手ブログでもどうぞ。>
ジモトピ/田中 麻里菜 オフィシャルブログ
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川邊監督のインタビュー紹介記事が掲載されています。スフィーダの歴史がよくわかります。... 記事を読む

アイスタ取材。守備で魅せる川崎のヨシト。

 いまさらながらですが、清水戦の感想でも。
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 船越英一郎が映画の宣伝に来ていました。
試合も、まるでサスペンス劇場のようなスリリングなどんでん返しで連勝!!・・・・いや、確かに逆転勝ちでしたけど、名古屋戦ほどのスリルはなかったですな。しっかりと勝ち切りました。
 リーグ戦初連勝という結果もさることながら、内容もよかったですね。現時点でのベストゲームじゃないでしょうか。
 出し手がボールを持つ、顔を出して受けに来る味方にパスを出す、そして出し手が動き直す。ベースとなっているのはこのシンプルな繰り返しではありますが、風間監督が徹底して言い続けている形を選手が自信を持ってやれていました。
 あとは前線の選手による中盤のプレスバックが機能していることで、中盤の高い位置でボール奪ってからのショートカウンターの回数が増えてきています。ダブルボランチが簡単に相手に引き出される場面も減ったことで後ろが陣形を崩さずに守れていますからね。
 もちろん、守備のときにあれだけプレスバックを要求されるので、2トップはかなり「しんどい」と思いますが、憲剛選手が「ちゃんとやれ!」と試合中に言い続けているらしいです。特に矢島選手に・笑。
 なにせ大久保選手の献身性はもの凄いですからね。
例えば1失点目の場面。相手のカウンターに2対1の局面を作られたときに対応にいった伊藤選手が芝に足を取られてしまったという不運もありましたが、本来であれば、大島選手が素早く戻って左サイドのスペースを埋めて対応していなければなりませんでした。
 だから大島選手が悪いと言っているのではないですよ。現在の大島選手は左サイドのポジションにこだわることなく、中央のエリアで頻繁に顔を出してパスワークを円滑にしたり、豊富な運動量を生かして中盤のセカンドボールを拾う持ち味も出しているわけです。ただそこには、こういう形でカウンターを浴びるリスクもあるというだけの話です。
 この失点場面でも大島選手が中に絞っていた状況だったわけですが、このときに猛然と左サイドのカバーに走って行ったのは前線にいた大久保選手でした。クロスにはわずかに足が届かなかったものの、FWがあそこまで必死に戻って、しかも身を投げ出しての懸命なスライディングタックル。
 残念ながら失点してしまいましたが、この場面だけではなく、90分を通じて見ても、あれだけ守備を頑張る大久保選手の献身ぶりは本当に素晴らしかったと思います。ゴールゲッターではなく、守備で魅せる「川崎のヨシト」という一面も見せていますね。
 試合後は静岡県では有名なハンバーグ店「さわやか」で夕食。
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 ジュビロ磐田・前田遼一選手の御用達だそうです。前田選手はこのげんこつハンバーグを二人前ぺろりといっちゃうそうです。ふぇー。
今月からモロモロの仕事が入ってきて忙しくなってきました。さらにギアをあげていかねば。
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夢の島取材。スフィーダ世田谷対常磐木学園高校戦。

 5日は夢の島陸上競技場に。
スフィーダ世田谷対常磐木学園高校戦を取材してきました。天気がよかったですね。これまでのホームでは2試合とも強風だったり、雨だったりで、なかなかいいピッチコンディションで試合ができていませんでしたから。サッカー観戦日和でした。
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 立ち上がりは、サイドや二列目からどんどん飛び出してくる常磐木学園の選手をスフィーダの最終ラインが捉え切れず、立て続けに決定機が連続。GK川口選手は大忙しの展開でした。
 ここを無失点で耐えたことでスフィーダも少しずつリズムを引き戻したのですが、常磐木学園の選手も巧かったですね。さすが名門。個々の技術的な高さもあるのですが、スピードがあるので、カウンターも鋭い。サイドを起点にしたアーリークロスも織り交ぜながら、高いラインを保つスフィーダ守備陣を揺さぶってきます。前半は両者譲らず0-0で終了。
 後半はスフィーダが主導権を握って攻めていきます。
特に最終ラインが積極的になっていたと思います。左サイドバックの永田選手が高い位置に顔を出して攻撃に絡み出し、センターバックの臼井選手も状況を観て配給だけではなく、スルスルと前線に上がっていってチャンスを作ったりと、ゴールの匂いが漂ってきました。もうプンプンでしたね。
 しかし、まさにその矢先の後半19分、攻撃で前がかりになってことで生まれたサイドのスペースを突かれて失点。カウンターで裏に抜け出した常磐木学園・白木選手が、GKとの1対1を制し、冷静にゴールネットを揺らして均衡を破りました。
 まだ残り時間は25分も残っていたのですが、優勢だっただけに後半に先手を奪われる展開になったことで、スフィーダの選手には精神的な動揺が少なからずあったようです。何人かは焦りが出てしまったと試合後に話していました。
 その後も丁寧に攻め続け、後半28分には、GKを交わしてシュート、さらにそのこぼれ球にもつめてシュート・・・という波状攻撃も見せたのですが、常磐木学園の守備陣がゴール前に3人戻って必死でブロック。最後まで1点が奪えぬまま、タイムアップ。0-1で常磐城学園が勝利となり、スフィーダは開幕からの連勝が4で止まりました。
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 スフィーダは今季初黒星となりました。
その敗因については我々が優勢に押し込んでいたので、あのカウンターは致し方が無い。そこは気にしていないです。一番はこちらが点を取れなかったことだと思います」と、川邊監督は失点よりも無得点に終わった側面を問題視していた印象です。
 この日のスフィーダの2トップは森選手と下条選手。ともに機動力と技術があり、ここまで得点数6と2人ともリーグトップという文句ない数字を叩き込んでいます。この試合でも、中盤に顔を出しながらも、得意のヒールパスやダイレクトでの落としを使いながら、テンポ良く相手にゴールに迫っていきましたし、決定機もありました。実際、それを決めていれば何も問題ない試合でもあったと思います。
 そこで無得点という点に関して、2トップに攻撃面でのどういう工夫がもっと欲しかったのかを監督に聞いてみました。
「裏を取るタイミング。あとは1対1のときにもっと仕掛けて欲しかったですね。相手を背負いながらも、そこはもっと向かっていって欲しい。ただ2人とも、もともとは中盤の選手ですから。今はFWらしいFWがおらず、トップ下やボランチがあそこにいる。ボールを回す分にはいいが、フィニッシュの迫力に欠ける部分はあったかもしれないですね。そこが課題です」
 そういう意味では、身体を張って前線で起点になるプレーのできるタイプがいない影響が、この試合に限っていえば、攻撃面で響いたとも言えるのかもしれません。こういう試合展開だからこそ、前線で時間を作れるポストプレーヤータイプが欲しかったところだったかもしれません。ただし田中(麻)選手が離脱中ですし、それは無い物ねだりというもの。そういう台所事情の踏まえたうえで監督は現在の2トップを組み合わせていて、しかもこれまで十分な結果を出しているわけですから。
 だからなのでしょう。試合後の川邊監督は「もちろん、負けたのは悔しいですよ」と前置きしながらも、「長いリーグ戦なので、変なつまずき方は必ずありますから。それが今日だったと思っています。悪い内容ではなかったと思ってます」と敗戦を冷静に受け止めていました。これを続けていくことでチーム全体の質を高めていくことが近道なのかもしれません。
開幕からの連勝は止まってしまいましたが、ここでいったん仕切り直しです。もう一度、チームのネジを締め直してもらいましょう。
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等々力取材備忘録。

 昨日の夜は等々力取材に。
グランパス師匠も駆けつけてくれました。
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 試合は1点リードのまま、試合をクローズしにかかったものの、逃げ切りに失敗。どうなることかと思いましたが、山本真希選手による起死回生のミドルシュートで勝ち越す劇的な展開で勝ちました。
 あのミドルシュートの弾道、前にも等々力で見たことがあるなと思っていたのですが、そうだ!2010年、ナビスコカップ準々決勝鹿島戦の2mdレグで、中村憲剛選手が等々力で決めたミドルシュートですね。代表帰りながら後半途中から強行出場して決めた一撃です。あれと似ていた気がします。
 あとはキャプテン翼に出てくる松山くんが放つ北国シュートもあんな感じですよね・笑。
思えば彼は昨年北海道(コンサドーレ札幌)にいましたから、踏ん張りの利かない雪原の中であのシュート力に磨きをかけたのでしょう(違います)。
「出たー、ヤマモトくんの地をはうシュート、マサキミドルだー!」とか実況の方が叫んでいたとかいないとか・・叫んでいませんけどね。
 勝ち越してからも最後までヒヤヒヤ。
ジェシを中心とした守備陣の頑張りが光りましたが、選手全員が魂を込めて戦い続けていました。そしてなにより試合終盤の等々力を包んでいた、フロンターレサポーターのあの「勝たせたい空気」も凄かったと思います。サポーターがピッチで本当に観たいものというのは、案外、こういう姿なのかもしれませんね。
・・・こんな感じで締めたいのですが、サッカーライターなので・笑、サッカー的なポイントも少しだけ。
 レナトとノボリという左サイドにおける攻撃のストロングポイントを失った状態で攻撃の形をどう構築していくのか。ここはポイントのひとつだったと思うのですが、名古屋戦では出ている選手たちが自分の特徴を生かしながらやり始めてきた印象を受けました。
 具体的に言うと両サイドハーフです。例えば左サイドハーフにいる大島選手は、レナトとは特徴が大きく異なります。「レナトのようにドリブルで突破しろ」と言われても無理なわけです。そこでどうするのか。
 この試合前日、憲剛選手に攻撃のイメージについて聞くと、こう話していました。
「僚太がサイドのポジションだけど、そこに張り続けている必要はない。相手のボランチの背中であったり、サイドからどんどん顔を出して中に入っていい。僚太が中に入ってきたら、それに合わせて自分も動くし、2人で攻撃の時間は作れると思っている。そこで悠と嘉人、ヤジでゴール前に勝負させていきたい」
 名古屋戦ではその言葉通りの形が何度もみられました。サイドに張り続けているのではなく、積極的に中に顔を出しパスワークの潤滑油になったり、トップ下のような位置からゴール前に現れたりして、攻撃に厚みやアクセントを与えていました。FC東京戦ではまるで「らしさ」を出せなかった彼ですが、左サイドで出場したときの自分の役割がクリアになっていたと思います。
 右サイドにいる小林選手もしかりです。得点は運も味方したヘディングによるものではありました。ただ前半は逆サイドにいる大島選手やダブルボランチからの配給を信頼して、相手の背後にナナメから入る込む動きで最終ラインを何度も脅かしていました。彼も左サイドハーフでの動き方に何かコツを掴んだのではないでしょうか。
 それにしても・・・全治4週間とリリースされたのに、2週間で復活して出場してしまったレナト。前日に練習を観てビックリしました。憲剛選手は「ジュニーニョもそういうことがよくあった」と苦笑いしてましたけど、戦闘民族サイヤ人ならぬサッカー民族ブラジル人の身体は、ほんとにどうなっているんでしょうか・笑。... 記事を読む