等々力取材〜見応え十分だった多摩川クラシコ。

多摩川クラシコということでイベントも盛りだくさん。試合前のフロンパークでは、フットブレインによるガチトークバトルが開催されてました。
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司会は勝村政信さんとテレビ東京の水原アナでした。杉崎美香アナじゃないのね・・・(めざにゅーの頃から好きなので)。僕は第2部の寺田周平コーチと佐原秀樹コーチ、そして小林成光コーチ(FC東京)のトークバトルを観戦してました。
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 面白かったのが、選手の移籍に対する話題でしょうか。
佐原選手が川崎フロンターレからFC東京に移籍した経緯があるということでその話になったのですが、周平さんが「フロンターレのサポーターは移籍した選手に対して、拍手する文化がありますね」と言っていたのに対して、小林コーチが「FC東京の場合、ブーイングされるかどうかは・・・・人によりますね・笑」と言っていました。勝村さんは「スペインのクラシコで相手に移籍したら、豚の頭を投げられますよ、コーナーフラッグで!!」と興奮してました・笑。
 試合の方は2-2のドロー決着。
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勝てませんでしたが、何も出来ず完敗に終わった前回の対戦に比べると、チームとしての変貌ぶりを存分に見せつけた内容ではあったと思います。ゲームについての分析はフットボールチャンネルでバッチリ書かせてもらいました。中盤を巡る攻防について書いてます。詳しくはそちらを読んでください。
多摩川クラシコで躍動した中村憲剛。FC東京の“川崎対策”はなぜかわされたのか?
 原稿にも書きましたが、GK西部選手のミドルレンジで通したパスを起点に始まったあの先制点の崩し方、何度見ても鮮やかですな。相手選手にはボールを全く触れさせてないですし、あんなパスワークをされたら、権田選手、森重選手、高橋選手の日本代表3人が構える守備陣もお手上げでしょう。攻撃に自信をつけているだけに、勝ちたかったですね。
 ここにきてけが人がさらに増えてきたのは気になるところです。この試合でも交代カードの3枚全てがアクシデントによる交代となってしまいました。實藤選手は軽い脳しんとう、森谷選手は熱中症とのことだったので、復帰までに時間はかからないと思いますが、レナトの状態はちょっと・・・いや、かなり心配です。重傷ではないといいのですが。
 試合後のミックスゾーンでは伊藤選手に少し話を聞きました。
「多摩川クラシコの歴史を知る男としてコメントください」と話しかけると「ふふふ・・・」と笑ってくれました。憲剛選手は意外と多摩川クラシコに欠場してますから、一番出場しているのは、現役ではたぶんこのお方でしょう(調べてないですけど)。
 「今年は勝てなかったから悔しいね」と地味に悔しがっていました。あと多摩川クラシコが点の取り合いになっていることには、実は守備陣として少し複雑みたいです・笑。最近、得点を量産している憲剛選手の活躍についての評価も聞いてみたのですが、「今日のはごっつぁんでしょ。ポストに当てたミドルを決めないとダメ」と、やっぱり憲剛選手には辛口でした。ヒロキさんによる憲剛選手のダメ出しトーク、たまらないっす。
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 しかし暑い日が続きますね。
等々力からの帰り道、いつものように駅まで歩いて帰ったら、かつてないほどの汗だくになってしまいました。あの酷暑の中、90分間サッカーボールを追いかけて走り続けていた選手達、マジリスペクトっす。
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将棋×サッカー漫画「ナリキン!」の第4巻が出た。

将棋×サッカーの漫画「ナリキン!」の4巻が出ました。
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ヴァンフォレスト甲府戦の決着、そして表紙にもなっていることからわかるように横浜F マリノスとのコラボ企画として、天皇杯準々決勝で横浜F・ナノリスとの対戦が描かれております。
 マリノスとのコラボ企画は、イベントにもなりました(僕のレポートです)。
中村俊輔は銀と桂馬を足したような選手!? サッカーと将棋の意外な共通点

 ネタバレになるのであまり詳しくは触れませんが、作品内では新シーズンが始まってます。
 ナリキン!の場合、連載が始まったのが去年のため、作品中の登場クラブや登場人物も2012年シーズンがモデルになっているのですが、連載漫画の難しいところで、どうしても現実と物語の進み具合にタイムラグが出て来てしまいます(例えば、スラムダンクの連載期間は6年でしたが、作品中では3ヶ月しか経ってないとか)。
 ここをどう扱うかというのは、いろいろな方針や考え方があると思いますが、ナリキン!の場合は、スパッと切り替えましたね。連載が一年経って、新シーズンが始まっています。選手名など旬なネタを取り込んでいる漫画ですし、個人的にもそっちのほうがいいと思います。
将棋×サッカーといえば、8月7日の日刊スポーツの裏一面で将棋プロ棋士の深浦康市九段が「こだわりジャパン」に登場していました。
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 日本代表選手を将棋の駒に例えて解説してくれてます。
敵の王将の頭にパチンと金を打つ「頭金」をゴール前に豊田陽平選手にボールを集めてトドメを刺すイメージと語っていたり、野月さんの視点もまた少し違っていて、勉強になります。深浦さんは野月さんの口からもよく話題にあがるサッカーマニアですからね。将棋連盟サッカー部を立て上げて初代部長に就任してますから、かなりのものです・笑。
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 明日は多摩川クラシコですね。
そういえば、ナリキン!の第1巻が発売されたのって、去年の9月の多摩川クラシコ直前だったな。何か縁がありますね。
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情熱大陸に林真理子さん。そして「野心のすすめ」。

 情熱大陸に林真理子さんが出てました。
最近の情熱大陸、作家の登場率が異常に高いですね。「原稿料と印税で食べている作家は、今の日本では50人ぐらいしかいない」と本人。長年売れ続けている人気作家の仕事ぶりと生活ぶりに密着してました。パワフルで面白い人でした。
 少し前に読んだ「野心のすすめ」(講談社現代新書)。
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 僕が買ったときは帯に「20万部突破」と印刷されてましたが、すでに40万部突破しているんですね。
 この帯に印刷されている「“高望み”で人生は変わる」のフレーズ・・・なかなか刺激的です。本書では、コピーライターとして世に出てきた彼女が「いかに成り上がってきたのか」を赤裸々に語ってます。そして何かとスマートにしたがる時代だからこそ、あえてガツガツすること、野心を持つことの大事さを説いています。
 いいですねぇ。それだけギラギラしたら、そりゃあ、まわりに敵もたくさんできるだろうけど、もし何かを成し遂げたかったら、このぐらいのパワーも大事だよな、と。
 野心のない同業者の若者に危機感を抱いているのも印象的でした。

若い作家のエッセイを読むと、昼頃に起きてシャワーを浴びて、自分で美味しいパスタを作って、そのあとちょっと仕事をして、ビデオを観て寝る、みたいな一日だったりするんですよね。欲がまったく感じられない。野心オーガニックな生活とでもいいましょうか。
 昔はもっと生意気で鼻につくような若い作家がいて、やり込められたり、むっとしたりすることも多かったのですが、いまはみんな、こちらが感心するほど礼儀正しく、おとなくして「あ、いい子だね」という印象だけで終わってしまうんです。

 これは作家だけではなく、この風潮は若者全般にも及んでおり、お金がなくても、飢え死にはしない日本の現代社会、具体的には(極論だと思いますが)「一生、松屋とユニクロでオッケーじゃん」という状態が若者から野心を奪っているのではないかと危惧。
 そして泥臭く頑張ることの重要性も説いています。
人生にはここが頑張り時だという時があります。そんな時、私は「あっ、いま自分は神様に試されているな」と思う。たとえば、仕事や勉強を必死でやらなくてはいけないときなのに、つい気が緩み、ソファに寝そべってお菓子を食べながらテレビを観ているとします。しばらくするとハッとして「いかんいかん。この姿も神様に見られているんだから、頑張らなきゃ」と再び机に向かうんです。
 ちゃんと努力し続けていたか。いいかんげんにやっていたか。それを神様はちゃんと見ていて、「よし。合格」となったら、その人間を不思議な力で後押ししてくれる。

好き嫌いが分かれるタイプかもしれません。でも今の時代だからこそ、響く言葉も数多くちりばめられています。そんな本です。
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東急将棋まつり2013。

 渋谷の東急百貨店で開催された将棋まつり。
 
 今年も行ってきましたよ。8月1日から4日間開催されているのですが、僕は3日目の昨日に行ってきました。
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 いやはや、会場についてビックリしました。
午前中の時点で「満員御礼」で会場に入り切れないほどの混雑になっているとも聞いてましたが、本当に凄かったです。後世に語り継がれるほどの大入りでした。
 なにせこの日は出演者が豪華でした。
羽生善治三冠と三浦弘行八段の特別対局、羽生善治三冠と矢内理絵子女流四段によるトークショー、バラエティ番組でもすっかり人気者の加藤一二三九段のサイン会・・・・豪華過ぎるでしょ。そこに藤井猛九段、広瀬章人七段、松尾歩七段、竹俣紅女流二級などなどですからね。
気軽に記念撮影に応じていた藤井先生。
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アメトーーク!の将棋楽しい芸人でも紹介された「藤井システム」の創始者です。やはり大人気です。最近は某アイドルグループが「恋の藤井システム」なるフレーズを使って話題になりました
 一番のピークは、将棋界のスーパースター・羽生三冠とNHK将棋トーナメントの司会でおなじみの矢内理絵子女流四段のスペシャルトークショー。しばらくの間、壇上の姿を確認できないぐらいのにぎわい。
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 ただなごやかな感じで楽しいトークショーでした。藤井先生からの質問の流れで、「羽生システムってないですよね?」、「矢内さんも矢内システムを編み出してみては?」、「誰も指してくれないと思います」みたいな。なお、こちらのトークショーの模様は日本将棋連盟のyoutubeにアップされるようです。
 物品販売では書籍や扇子が中心。
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指導対局のまわりもたくさんのひとだかり。
サッカーファンでもある広瀬七段。最後までたくさん指してました。
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大人気の竹俣紅女流二級。
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なんとか写真撮影できました。まだ中学生なんですよ。
 夜に行われた藤井先生対加藤先生の席上対局では聞き手としても活躍。
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「銀が泣いてますね」と阪田三吉の名言を言うと、解説の三浦さんに「ふふふ・・」と笑われ、「なんで笑うんですか。普通のことじゃないですかー」とか言ったり、なんか微笑ましかったです。
バラエティ番組でも活躍中のひふみんこと加藤一二三九段。伝説がたくさんあります。
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イベント終了後、ステージをパシャリ。
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 僕も今よりもいい駒と盤を買おうかしら。
今回の盛況ぶりは、羽生三冠や加藤先生が出演したからというのもあると思いますが、人気棋士がたくさん見ることが出来て楽しかったです。女性もいて、将棋人気が幅広くなってきているのを目の当たりにしましたね。入場料を払ってもいいぐらいのイベントな気がします。
<加藤一二三先生のつぶやきより>
将棋はいくつになっても、思い立ったその日から始めることができ、冷静さと情熱、緻密さとともに大胆さ、理詰めでありながら感性やひらめきもときには必要とされ、文系と理系(私の場合は体育会系なんだそうです!)の要素も併せ持ち、とてもとても、奥のふかい世界なのです。


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・・・あっ、ナリキン!の4巻が8月8日に発売されるそうです。表紙は以前コラボした横浜Fマリノスです。
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麻生取材〜小林悠選手と山越享太郎選手が退院してました。

 本日は麻生取材に。
連戦の前日練習としては、いつもより入念にトレーニングとモロモロの確認をしていた印象です。今年はまだ連敗がないですし、またいい流れを続けたいですね。
 練習後のクラブハウスで、ある選手を取材していたら、その横を通り過ぎていった選手が一人・・・先週、右膝半月板の損傷で手術を行い、全治8週間程度と発表されたばかりの小林悠選手でした。
 あまりにも普通に歩いていたのと、つーか、いつの間に退院していたんじゃい、という二重の驚きで、「えっ、もう退院したの?」って聞くと、湘南戦の日に退院してたとのことでした。表情も明るく、「もう明日ぐらいから試合にも出れますよ」とサラリと言って笑わせてくれました・・・・さすがにそれはなかろうに。
・ ・・ってなことを話していたら、次はコッシーこと山越享太郎選手も通りがかりました。彼も先月に右膝半月板損傷の出術をしました。少し前に退院したとのことでした。
 山越選手とは少し雑談しました。
リハビリ中ですから、サッカーはできないでしょうから、「何をして過ごしてるの?」と聞いたら、「連続ドラマのDVDを見てます」とのことでした。「瑛太と上野樹里が出てるドラマなんですけど・・・」と言っていたので、最初はこの2人と長澤まさみが出てた「ラスト・フレンズ」かと思っていたら、「素直になれなくて」のほうだそうです。
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ラスト・フレンズは懐かしいですね。宇多田ヒカルの主題歌も印象的でした。
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 ちなみに山越選手といえば、壇蜜の「私の奴隷になりなさい」が愛読書であることでお馴染みですが(?)、今見ているドラマが「素直になれなくて」・・・・
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    ↓
でも「素直になれなくて」

・・・・一体、何のストーリーが始まろうとしてるんですか、これは。
この続きに合うようなドラマタイトル・・・何か無いかな・笑。
あと新加入のアランとロブソンの登録も無事完了し、早ければ明日の試合から出場可能です。出番があるといいですね。... 記事を読む

等々力取材〜学ぶべきもののあった敗戦。

 湘南戦は1-2で逆転負け。
試合前、伊藤宏樹選手が「湘南はセットプレーとカウンターだと思うので・・・」と言っていたのですが、奇しくも、その二つの武器でやられてしまいました。
 鹿島戦、浦和戦、大宮戦などの好調ぶりを見るにつれ、もしホームで負けるとしたら、華麗でソリッドなサッカーをする相手よりは、とことんまで泥臭く頑張る相手のほうかも…などと漠然と思ってましたが、この日の湘南がそんなチームでした。等々力での今季初黒星です。
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キックオフ前の記念撮影のとき、「湘南の外国人キーパー、ごっついヒゲをたくわえとるなー」と思いながら眺めていたら、後ろからゆっくり近づいてきた湘南のマスコット・キングベルおじいちゃんのほうが、もっとヒゲをたくわえておりました。
 中断開けの一戦の布陣は[3-4-3]でスタート。
右サイドができる小林悠選手が不在でしたし、湘南の[3-4-2-1]の布陣との噛み合わせを考えれば、これは自然な選択だったと思います。試合間隔が空いたことで懸念されていたゲームの入り方もよく、立ち上がりは面白いように湘南のブロックを崩して決定機を作っていたと思います。
 ただ湘南は、前から3人がボールを奪いにいってもビルドアップで奪えなかったので、前半の途中から守り方を軌道修正してきました。潔く自陣に引いて[5-4-1]システムにして、いわゆる広島式の守備ブロックを作ってきました。
先月、広島のこの守り方を「穴熊戦法」とこのブログで評しましたが、自陣に9人で構えてゴール前に張り付かれると、そこをこじあけるのはさすがに簡単ではありません。あれだけ中央を締められると、思うように縦のクサビは入れられなくなりますし、それができなくなると、今度は前線の3枚がボールを受けに顔を出す動き直しも少なくなる悪循環です。それでも山本選手のミドルシュート、ボールを奪った實藤選手の攻め上がりなどで打開しようとしましたが、簡単ではありませんでした。湘南は若いチームらしさ全開で、守備をとことん頑張りますから。
 それでも前半終了間際にCKのセカンドボールから大久保選手の反転ボレーで先制。このとき、大久保選手が決めるプレーの前の時点からベンチにいたチョウ監督がかなり激しく抗議してました。おそらく稲本選手がボールをあげた瞬間、相手選手と競りにいっていた中澤選手か、大久保選手が戻りオフサイドだったのかもしれません。そんな感じの抗議でした。
 とはいえ、リードしていたのも事実なのでそこで追加点を奪えていれば問題なかったのですが、後半の立ち上がりにCKから失点。
「あの時間帯に失点してしまうことがまだチームとして弱いところ。あまりチャンスが無い中で決められてしまった。練習試合から失点が多くなっていたのは少し気になっていたのですが・・・」と實藤選手。確かに先週の練習試合の大宮戦、CKだけで3失点していましたから。さらにカウンターでキリノにサイドを突破され、折り返しに高山選手で逆転。その直前には、CKに實藤選手のヘディングがキーパーに弾かれ、そのこぼれに田中裕介選手が飛び込んでポストに弾かれる決定機があっただけに、これで一気に試合が難しくなりました。
 この日は攻撃の要・レナトが窮屈そうでした。
CBの1枚が密着マークして、もう一枚が素早く寄せて挟み込む。湘南はこの対応を徹底してましたし、レナト自身もややキレがなかったですね。それでもPKを獲得するなど一瞬の仕事をするあたりはさすがでしたが、これを大久保選手がポストに当ててしまい失敗。
 タイムアップの瞬間、湘南ベンチは優勝したかのような騒ぎになっていました。チョウ監督は熱いし、選手はみなひたむきにプレーするし、まったく・・・・湘南はいいチームです。広島戦同様、[5-4-1]で守る相手をどう攻略するかという課題が突きつけられましたが、湘南の選手達の姿勢に学ぶべきものもあった敗戦だったと思います。
 取材を終えて、選手の話を反芻しつつ、敗因は何だったんだろうな・・・と考えながら、等々力からの帰り道をとぼとぼと歩いておりました。
 個人的に気になったのは、全体的に裏を突いていく縦の揺さぶりが少なかったことでしょうか。相手を外して足元にパスをつけるのは基本としても、それ一辺倒になるとあれだけ人数をかけて守る相手をはがして崩し続けるのは簡単じゃないですから。背後を突く動きと「捨てパス」で相手の陣形を間延びさせることで、足元のパスを受けやすくする工夫があったのもよかったのかなと。
 特に湘南GKサンターナ選手も加入したばかりですから、その連係面での綻びを狙ってDFとGKの間を目がけて捨てパスを出していたら、何かアクシデントが起きていたかもしれません・・・その意味で、背後への動き出しが出来る4人目のFW・小林選手の不在は響いたのかもしれません。
・・・・とまぁ、等々力の帰り道が負け試合になるのは、今年初めてだったんですよね。
「7月はこれで終わりなので、8月からまた切り替えていきたいです。去年は、8月と9月にあまり勝てませんでしたからね」と前向きだった實藤選手。その通りですな。
今日から8月・・・カレンダーは隊長・中村選手が登場です(先日、田中裕介選手がなぜか隊長と呼んでました・笑)。
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