森谷選手にロングインタビューしました。

 昨日は練習後にインタビューを一本。

 森谷賢太郎選手のロングインタビューでした。
「泥臭さ」、「ハードワーク」、「球際の強さ」・・・もしかしたら、少し前の彼の口からは出てこなかったかもしれないようなキーワードが、たくさん出て来ました。何が彼を変えたのか。そんなターニングポイントになったであろう昨年のあるきっかけについても、詳しく聞かせてもらいました。
 インタビューの最後に「あとは、いしかわさんの筆力でうまくまとめてください」と言って、地味にプレッシャーをかけてくるあたりも、ちょっとモリヤ節でしたね。いい作品にまとまるように、頑張ります。
 ちなみに週末が三ツ沢でのマリノス戦だったこともあり、三ツ沢の思い出を聞いたんですけど、サザエが美味しいんですよ。あそこでサッカーを見ながらサザエを食べるのが、僕らのカッコ良さでしたねぇー」と、小学生時代の三ツ沢観戦でよく食べていたというサザエの海鮮焼きの話で終わりました・・・お、おう。
取材後は、用事があったので自由が丘に。
ついでに熊野神社と、Mr. 都市伝説こと関暁夫さんの「セキルバーグカフェ」に寄ってきました。お店には、なんと関さん本人が普通にいました・笑。写真をお願いすると、快く撮らせてもらいましたよ。

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久しぶりのケンゴラッソを語る。

明日は2位・浦和レッズ戦ですね。
未来をグイグイ見ているところで申し訳ないですけど、あえて過去の振り返りを・笑。
 それは前節柏戦で憲剛選手が決めたミドルシュートです。
試合に大敗したためか、あまり話題にはなりませんでしたが、前半ロスタイムに決めたあの同点ミドルシュート、かなりのゴラッソでしたよね。0-1にリードされたまさにその直後に、森谷選手からの落としに走り込むと、エリア外から右足を豪快に一閃。名手・菅野選手も届かず、まさにゴールネットに突き刺さる一撃でした。久しぶりの「ケンゴラッソ」でした。
 試合後のミックスゾーンではあまり聞けなかったので、今週の練習後にあらためて詳しく振り返ってもらったのですが、「完璧でしたね。久しぶりに気持ち良く打たせてもらった」と手応え十分だった様子。
 実はその前の新潟戦の前半でも、似たような形のミドルシュートを放っていたのですが、このときは惜しくも枠を外しています。そのことも踏まえてこう話してくれました。
「新潟戦のときは、目の前に相手選手が出て来ていたんですよ。でも柏戦はドフリーでした。時間があったので、コースも見えていた。基本的に相手に前に立たれるのだけど、たまたまあのときは相手が下がっていた。あんなにフリーで時間をもらえることはまずないからね」
 なおゴール後には、ベンチ前でゆりかごダンスをしています。
チームメートではなく、元チームメートで、現在はクラブスタッフである伊藤宏樹さんの第二子誕生を祝うもので、憲剛選手は「ヒロキ!ヒロキ!」と言いながら、ゆりかごで祝福。ただそれでも、イマイチ理解できていないのか「?」という表情をしていた選手もいたみたいです。まぁ、現在のチームメートではなく、クラブスタッフとはいえ、元チームメートに向けたゆりかごダンスというのは、あまり聞いたことがないですからね。
 それにしても、あの憲剛選手のミドルシュート。
本当にゴラッソな一撃だったわけですが、彼は自虐的にこう言って、報道陣を笑わせてくれました。
「でも、西くんのほうが凄かったし」


・ ・・確かに・笑。
前節、鹿島アントラーズの西大伍選手がコーナーキックからダイレクトで決めたボレーシュート。あれはちょっと異次元というか、年間最優秀ゴールにノミネートされるレベルでした・・・さすがのケンゴラッソも、今回ばかりは西大伍のダイゴラッソにはかなわなかったのかもしれません。いや、ダイゴラッソとか呼ばれているかどうか知らないですけど(たぶん呼ばれてない)。
 次は勝利にむすびつくケンゴラッソになると良いですな。
2試合連続ゴール、密かに期待しております。
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「僕、囲碁の井山くん、知ってるんですよ」と言われた話。

今日、プレスルームにいたら「僕、囲碁の井山くん、知ってるんですよ」とノボリこと登里享平選手が話しかけてくれました。
 一瞬、「囲碁のイヤマくんって誰だっけ?」と思ってしまったのですが、聞くと、近所の囲碁好きの少年の名前ではなく、なんとあの井山裕太六冠のことでした。
・・・・・めちゃくちゃ有名人じゃないですか!
情熱大陸やプロフェッショナルにも登場しています。というか、現在、日本の囲碁界の頂点にいる棋士ですよ、えぇ。「そうなの???」と驚きながら聞いてみると、井山六冠とは小学校と中学校が同じだったそうです。
 確かに、お互いの出身地を見ると大阪府東大阪市出身で、東大阪市立孔舎衙東小学校→東大阪市立孔舎衙中学校なんですよね。年も近いので、知り合い同士だったとのことです。当時の井山少年の印象なんかも教えてくれました。ノボリと囲碁・・・あまりに結びつかないですし、ノボリが囲碁のトップ棋士とつながりがあるだなんて、なんという衝撃の事実!
 
 ノボリは高校から香川県ですから、その後は疎遠になっていたそうですが、2010年、まさかの再会を果たします。... 記事を読む

ノボリにまつわる話。

 本日は麻生に。
相変わらず暑かったです。灼熱です。
そんな麻生グラウンドで行われている全体練習の傍らで、登り坂を使った自転車リハビリを山本真希選手とアン・ビョンジュン選手がやっていました。

 春先には登里選手と小宮山選手がやっていました。クラブハウスからグラウンドまでのあの緩やかで、長い坂道を自転車で何往復も繰り返すトレーニングですね。
 夏場ですし、傍目からも相当キツいのはわかるのですが、そこはチーム随一のタフガイ・山本真希選手。全力でこぎつつも、どこか余裕ある表情で黙々とアップダウンを繰り返していました。「この坂道を作った人に文句を言いたい!」と笑顔で叫びながらチャリをこいでいたノボリとは違いますね。
 ゆっくり登って来たときに「何日目?」と聞くと、「三日目。今日がラストっす」とうれしそうに話していました。山本選手の完全復活も近そうですね。
 ちなみに本日のノボリ。
帰る時、その手にはコカコーラが握られていました。見せてもらうと、なんと「NOBORIZATO」のネームボトルのコーラ。

どうやらサポーターの方が作ってくれたオリジナルのラベルらしいです。すごいですね!
  いまだに鳥栖戦の決勝弾の話題を自分からぶり返して、「あのすごいゴール、決めたの誰でしたっけ・・・レナトやったかな?」とトボケるノボリ。得点はともかく、3試合連続無失点を支える最終ラインの1人として、柏戦も期待ですね。
・・・・ノボリザカ(登り坂)とノボリザト(登里)の話題で、順位もさらにノボっていきたいところです。... 記事を読む

等々力取材〜勝ち切る強さ。

 新潟戦は1-0で勝利。
イベント企画、盛りだくさんでしたね。

(藤子キャラのオバQ、ドラえもん、のび太くん、パーマンが来てました・・・豪華!)

(ハーフタイムには、毎年恒例の西城秀樹さんのYMCAショー。毎年、まわりの記者も「ヒデキだー!」とテンションあがってるのが面白いです)
 
 結果は中断明けからリーグ戦4連勝(天皇杯を含めると5連勝)。それも3試合連続無失点というおまけつきです。
 この試合に関して言えば、「勝因は・・・これだ!」というわかりやすいワンポイントを挙げるのが難しいぐらい、順当に勝ち切ることができたようにも見えました。GLAY の「生きてく強さ」という昔の曲があるんですけど、今のフロンターレには「勝ち切る強さ」が備わって来た感じです。
 まぁ、GLAY関係ないですけど。
ちなみにこのGLAYのくだり、別にあとで効いてきたりはしません。
 試合後のミックスゾーンで取材していても、選手たちの口からは「自分たちのサッカー」に対する手応えが聞かれました。僕はあえて「自分たちのサッカー」というフレーズ、使っていきますけどね、えぇ。中でも印象的だったのは、憲剛選手の言葉です。
「90分ずっとやり続けることができている。どこかで無理してスピードをあげるのではなく、コツコツコツコツやって、相手の運動量が落ちたり、足が止まったら、今日の得点のように狙う。そして点を取ったら、ゲームコントロールして終わらせる」
 そうなんですよね。
今のフロンターレは、一瞬の隙を狙いながらも、淡々とボールを保持して相手の守備の綻びを見つけ出そうとしているのですが、だからといって無得点のままで時計の針が進んでもまるで焦りがありません。むしろ「そのうち、点は取れるでしょ」ぐらいの自信が感じられます。
 そして後半に森谷選手の見事なゴール。
大島選手が味方とのパス交換でボールを細かく動かしている間に、大久保選手が相手を外して動き出した瞬間を見逃さずに縦パスを出しました。森谷選手のシュートも難しかったと思いますが、大久保選手のトラップとパスも、相変わらずうめぇっすね。
 このゴールがそうなんですけど、フロンターレの攻撃は細かくパス交換している間に、味方が前線に動き出しているので、ボールだけを見ていたら、一体何が起きたのかわからなくなることが珍しくありません。
 これは手品師が「こちらにはタネも仕掛けもありませーん」と手でハンカチをヒラヒラさせているときに、逆側の手にネタを仕込んでいるようなもので、味方同士でボールを動かしているときに、相手を外してゴールに向かっている味方がいないかどうかを、こちらも常に見ておかねばなりません。手品師がヒラヒラさせるハンカチだけをずっと凝視してたら、トリックが見抜けません・笑。
 試合後、この一連のプレーを大島選手に聞いてみました。
最初に大久保嘉人を見たときはパスを出せなかったので、一度、憲剛選手にボールを渡したそうです。そこからまた味方とパス交換しつつ、小林選手からボールが戻って来た瞬間に、憲剛選手から「ヨシト!」という声がかかって、大久保選手を見たら、相手を外していたので、縦パスを出したそうです。
 風間監督の「パスはスペースより足元に出す」という教えは、たまに誤解を招くんですけど、これは「相手のマークを外した瞬間に」という但し書きがあるんですよね。相手にマークされている状態にスペースにパスを出したら、相手とのヨーイドンの競争になる。でも相手のマークを外した状態ならば、その瞬間を見逃さずに動いている味方の足元にパスを出せば、ボールも取られない。そういういうわけです。
 ちなみにこの得点シーン、中盤でのパス交換する一連のプレーを映像で確認したかったんだけど、スカパー!中継では、その場面はずっと鈴木武蔵選手を流れていた・・・得点後も、森谷選手ではなくなぜか小林選手の表情を映していたし、カメラワーク頼みますぜ、TBSさん。
 リードしてからのゲームコントロールも巧みでした。チーム全体がイケイケになるのでなく、0-0のときと変わらないような冷静さと緊張感を持って試合を進めていました。シーズン序盤に見せた、得点後のバタバタ感、不安定さはありません。そして稲本選手を入れて、しっかりとゲームをクローズさせました。
 ちなみに稲本選手の投入に伴い、憲剛選手はトップ下にポジションをあげました。面白いことに、そこからの憲剛選手は、なんと守備の局面では相手のボランチであるレオ・シルバ「を」マンマークしていたんです。最近の新潟戦では、中村憲剛選手とリーグ屈指のボール狩人レオ・シルバとのマッチアップは密かな名物となってるのでしうが、この試合の終盤は、憲剛選手がレオ・シルバに張り付きました。
「あそこで、フリーでさばかれるのが嫌だった。悠と嘉人がつけていなかったし、自分が前(トップ下)に出たんで、レオ・シルバをマンマークしてた。本人、苦笑いしてたけどね」
とのこと。ちなみに憲剛選手いわく、
レオ・シルバ:「(マンマークに来なくて)いいって」
中村憲剛:「いや、お前が一番危ないから」

みたいなやりとりを試合中にしていたそうです。会話が何語だったのかは不明・笑。
 ついでに新潟について触れると、今年は少しスタイルが変わったんですね。これまでは洗練されたプレッシングとショートカウンター、ミドルシュートの印象が強いだったのですが、今年は丁寧にショートパスをつなぐスタイルに取り組んでいるとのこと。
 ただゴール前までボールを運ぶことはできるようになっても、アタッキングサードの崩しはまだ課題がありそうです。というか、ここの精度を高めていくのは覚悟といいますか、根気強く取り組んでいく必要がありますから。前半戦最多得点のフロンターレも、風間監督の下で3年目にしてようやく花が開いたんです。1年目、2年目の積み重ねがあっての得点力であることを忘れてはいけません。
 首位・浦和が引き分けたため、射程圏内になってきました。このまま「勝ち切る強さ」を見せて勝ち点3を積み重ねて欲しいものです。
この日も大人気だった蕪師匠(仮)。

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こちらは、新たなキャラクターですかね。

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金久保順選手のピックアッププレイヤーを書きました。

 フロンターレのオフィシャルホームページにピックアッププレイヤーの原稿を掲載させてもらいました。扱ったのは、金久保順選手です。
 掲載直前のセレッソ大阪戦で、劇的な決勝弾を決めたので、急遽追加取材による加筆修正をしました。なので、原稿のボリュームがすごいことに・・・・他のピックアッププレイヤーの1.5倍ぐらいあるかもしれませんが。
タイトルは「プラスα」。
 期限付き移籍でやってきた金久保選手のこれまでのキャリアを、色々と聞かせてもらいました。小学生時代を知る小林選手の証言も面白かったなぁ。
 興味深かったのは、中学生時代の話ですね。
中学になると、小学生時代の友達がサッカーを辞めてしまう(そして、いわゆるヤンキーの道にいく)。金久保選手も何度か両親とぶつかったそうですが、自分も田舎だったので、友達がサッカーを辞めていく空気感はなんとなくわかる気がします。田舎の弱小サッカー部ってそういうところがあるんですよ・・・・。
 それでもサッカーをしっかり続けていたからこそ、今の金久保選手があるわけですけどね。なお、さぞかし強い意志の持ち主かと思いきや、「自分はわりと人の意見に左右されるんですよ。芯が強そうですか?いや、芯はないっすよ(笑)」と笑ってましたが。
 技術の高い選手ですし、プレースタイルはフロンターレに合ってますよね。チームメートからは「中田英寿選手に似てる」との声もあがっていました。風貌もそうですが、激しい戦いにも熱くならずマイペースでプレーし続ける姿は、確かにどことなく中田ヒデっぽさが漂っているかもしれません。
 ちなみに金久保選手が最も憧れているのは、イタリアの至宝・ロベルト・バッジョだそうです。
「身体能力がそこまで高いわけじゃないけど、あそこまでできるというのは、本当にうまい選手なんだなぁと思います。それとなんといっても、1994年のアメリカワールドカップですよね。PKを外したときでも、それが絵になっているじゃないですか。プレーも好きなんですけど、包んでいるオーラというか、あの佇まいが好きですね」
 わかります、わかります。
バッジォのあの優雅な立ち振る舞い・・・あれは、本当に魅了されますもん。金久保選手のあの落ち着きも、バッジョへの憧れから来ているのかもしれませんね。
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清水戦、2点目の崩しを掘り下げてみた話。

 明日はもう鳥栖戦なのですが、前節清水戦の振り返りをひとつだけ。
 それは大久保選手が決めた2点目の局面です。
しつこすぎるほどショートパスをつないで崩した先制点も良いですが、あの2点目の大きな崩し方も、個人的に好きなんですよ。
 ゴール前だけを見れば、走りながらトラップした森谷選手からの横パスを受けた小林選手がシュート。そのこぼれ球に大久保選手が詰めたという形のゴールです。
 ですが、あの攻撃のスイッチを入れたのは、右サイドバックの小宮山選手でした。彼が右サイドから斜めに力強いクサビのパスを打ち込み、それが走り出していた森谷選手の足元にピタリと届きました。このときの背後には小林選手も走っていて、ゴール前の局面は2対1。言ってしまえば、この局面を生み出した時点で勝負ありだったとも言えます。ショートパスだけではなく、強くて、速いミドルパスを打ち込んだ、実に鮮やかな崩しでした。
 あのパスを打ち込んだ場面について、後日、小宮山選手に聞いてみました。あの斜めのミドルパスは、走り出していた森谷選手と奥にいた小林選手のどちらを狙って出したのか、と。
 小宮山選手の答えは、「自分としては、どっちでもよかった(笑)」でした。ちょっと適当な感じを受けますが、言い換えると、どちらがトラップしても良いように出したパスだったみたいです。言葉を続けます。
「賢太郎も、囮になるイメージであのコースに入っていってたと思うし、悠も賢太郎がスルーしても良いように入っていったと思う。それに賢太郎のあのトラップも素晴らしかったよね」

 そうなんですよ。
コミが絶賛したように、あの森谷選手の足元のトラップがまた素晴らしかった。あのパスを正確に扱うのはかなり難易度が高いように感じたのですが、森谷選手本人からすると、そこまで難しくなかったとのことでした。
「みんなに言われますけどね。ただボールの軌道は読みやすかったんですよ。雨で少し浮いている状態のパスだったので、トラップしやすかった」とのことでした。
 右サイドの2人が見せた、出し手と受け手の関係性。いやはや、レベルが高いと思いますよ。しびれましたわ。
 ちなみにこの崩しの局面、ボランチの2人がどう感じたのかも聞いてみました。
 大島選手は「コミさんの斜めのパスは『うわっ』と思いましたよ。バチーンって感じでした」と、相変わらず、擬音混じりでコメント・笑。そして「あの崩しをサイドの選手がしてくれると、ボランチとしては外に簡単にパスを出せるから楽ですよね。相手もどこを守ればいいのか、狙いがわからなくなると思います」とのこと。確かに、サイドから中央を崩してくれれば、真ん中の選手達は楽チンです。
 憲剛選手も舌を巻いていました。
「あれはよかったよね。コミとケンタロウ、2人の関係だけだから。というか、コミはあんなパスを出せるのか(笑)」と、小宮山選手のパスに驚いていた様子。
 さらには「対人にも強かったし、コミはドイツにいけば、ブンデスリーガで評価も高いんじゃない」と局面守備にも触れていました(※注意:ブンデスリーガでは、対人勝率が得点ランクやパス成功率などと同じようにランキング化されるほど重視されている)。
・ ・・とまぁ、最後はあまり関係ない話になりましたが、あの2点目の崩し方を見ているだけで、ご飯が何杯でもおかわりできますわ。明日の鳥栖戦も期待ですな。
サイドバックの組み立てに関する記述が多い本はこちら。
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闘うフリーター・所英男さんとサッカーのうまいプロモ社員・伊藤宏樹さんの対談。

 アルビレックス新潟戦のマッチデープログラム増刊号の対談企画の取材で、闘うフリーター・所英男さんの武蔵小杉にある格闘技ジム「所プラス」にお邪魔してきました。対談相手は、サッカーのうまいプロモ社員・伊藤宏樹さんです。

 少し前に、ヒロキさんがこの所ジムの格闘技コースに体験入学していた姿をクラブのツイッターで見た人もいるかもしれませんね。
 実は対談前に、ヒロキさんのお仕事である武蔵小杉にある商店街のポスター貼りに所さんも同行してもらいました。フロンターレのポスターと一緒に「所プラス」のポスターも貼らせてもらおうという作戦です。
 とはいえ、さすが所さん。行く先々のお店の人から「知ってますよ!」と言われ、みな快く貼らせてくれました。ヒロキさんのポスター貼り技術は手慣れたもので、所さんに貼り方のコツも伝授してましたよ。

 アグレッシブなヒロキさんは、まだポスターを貼らせてもらっていなかった、とあるコーヒー店に入って交渉。

見事に新規開拓に成功しておりました。できる社員ですねぇ。
 ポスター貼りを終えて、「所プラス」で対談。

 現役選手でありながら格闘技ジムの経営もしている所さん。昨年現役を引退し、今年からフロンターレの社員として働いている伊藤さん。ほぼ同年代の二人ですが、単にプレイヤー視点中心の異種競技対談ではなく、お互いの人生設計の話題もしていたのが面白かったですね。
 例えば伊藤さんは、現役引退した後は「ここらへん(武蔵小杉周辺)でお店をやっていたら、たぶんイケるやろうなと思っていた(笑)。実行には移せなかったけど」と明かしてました・笑。確かに、等々力のある武蔵小杉で伊藤宏樹のお店がオープンしていたら、サポーターは集まりますよね。何のお店だったか気になりますが。
・・・とまぁ、ざっくばらんにいろいろ話していただきました。
詳しくは新潟戦のマッチデーを買って読んでください。お互いのこだわりの番号である「2番」に関するエピソードなんて興味深かったですよ。
所英男さんの格闘技ジム「所プラス」について詳しくはこちら
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