昨日は天皇杯2回戦、川崎フロンターレ対徳山大学を取材。
Jリーグと天皇杯ではプレスパスも違います。
天皇杯の初戦ってやはり独特ですよね。
まずキックオフ時間がナイターではなく、陽気の心地よいお昼。観客もリーグ戦と比べたらかなり少ないですし(2800人)、両サポーターの応援もピリピリしたものではないので、スタジアムの雰囲気もどこかまったりしている感じがあります。
取材する側もしかりだったりします。
記者席も人がまばら。同じ列の記者席には他に一人しか座ってない状態です。試合が始まれば、いつもと同じように観戦メモをしっかりノートに書いているのですが、どうにもエンジンが入りにくいんですよね。
フロンターレの選手も、前半はどこかスイッチが入っていないようなサッカーをしていました。そうなってしまった原因はいろいろあると思うのですが、相手が大学生でしたし、立ち上がりの出方で相手の力量を見極めて「これぐらいでやっていても、いつか点が入るだろ」というムードがチームの中で伝播したのかもしれません。
当然ながら、パスワークも冴えがありません。
パスを出して動く。動いたら、またパスを受ける。その繰り返しでスイッチを入れて、自分たちのリズムを作っていくわけですが、この日の前半は、パスを出した後、動かなかった。正確にいうと、動くのを止めてしまった。一見するとボールは保持しているし、足元にパスはつながっていくが、風間監督の言葉を借りれば、「楽なところ、楽なところに逃げていった」だけのポゼッションでした。これでは自陣でブロックを構える相手の守備は崩すことができません。
そんな中、状況打開を果敢に試みていたのが右サイドバックの田中裕介選手。ときには中央に切れ込み、ときには左サイドに流れて、後ろが追い越していく動きを精力的に繰り返し、前半だけで4本のシュートを放って、停滞しているチームを鼓舞していました。
田中裕介選手は去年からレギュラーでしたが、風間監督になってからの4ヶ月での成長は目を見張るものがあります。風間監督も「スペシャルな選手になりつつある」ことを認める選手の一人です。
前半は0-0で終了。
ハーフタイムに小林選手を下げ、ワントップに小松選手を投入。そして山瀬選手が右サイドに。これはいい交代だったと思います。
「前へ、前へ。ボールを持ったらゴールを向かっていくことを意識していた」という小松選手は、キックオフ直後から猛烈に相手ゴールに迫っていきます。そして49分、風間宏希選手の突破から風間宏矢とつなぎ、こぼれたボールを山瀬選手がトゥーキックで蹴り込み先制。その後も、高さと機動力のある小松選手が相手の最終ラインをかき回していきました。小松選手の決定機も何度かあったのですが、決めきれず。ここで一仕事、いや、二仕事ぐらいすれば、小松選手も一気にワントップのレギュラー争いに名を連ねてくると思うんですけどね・・・・決定機をものにできなかったことを本人も反省しきりでした。
試合は77分、登里選手のクロスに山瀬選手が頭で合わせて追加点。これで勝負あり。反省点は多々ありますが、なんとか3回戦に駒を進めることができました。
試合後、山瀬選手に苦戦した原因を聞いてみると、プロ同士の試合とは違う感覚の違いを挙げてました。
「例えば、プレスの仕方ひとつにしても、プロ同士だったらそこはボールを取りにこないでしょ、という部分まで奪いにきたり、普通はくると思っていたところにこなかったり・・・そのつもりはなくても、こちらがちょっと受けに回ってしまう」とやりにくさがあることも話していました。
このへんの感覚は素人の自分にはちょっとわかりませんが、この2回戦で神戸、広島、札幌、FC東京、鳥栖のJ1勢が敗退するなど番狂わせも多かったのも、そういった「いつもと違う何か」がいろいろ影響したのかもしれません。
次は10月10日、等々力でJ2の徳島ヴォルティスと対戦です。
さて来週は風間監督のインタビューの予定。
2冊同時発売の風間本を読み込んで準備。ここに書いてない言葉を引き出せるように頑張ります。
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Author: いしかわ ごう
UAE戦。
凡戦でしたね。
昨日は録画観戦だったのですが、「・・・うーん」という感じの試合展開だったので、途中からはケンゴ選手が出てくるまで早送りしてしまいました。
途中から出場したケンゴ選手は、この日唯一となった得点に絡むプレーで貢献してました。駒野選手にパスを預けた後、「ここ(足元)にパスをくれ!」と主張しながら、相手陣内へダッシュ。そうやって相手の注意を引きつけたフリーランニングから、ボールを保持している駒野選手がセンタリング。GK含めて相手守備陣は完全なボールウォッチャーになっているところから、ファーサイドでハーフナー選手がズドン。
ケンゴ選手にアシストはつかないですけど、マスコミ的な表現でいえば、“決勝点の起点になった ”というプレーです・笑。この試合の攻撃は、中央からの崩しに寄りすぎるきらいがあったので、外からのいい崩しが出来たのではないかと思います。
ヤット選手に代わってキャプテンマークを巻いていたので、試合後は、キリンカップを受け取っていました。思わず一時停止してパシャリ。
フロンターレだけではなく、日本代表でも“持たされていた”ケンゴ選手なのでした・笑。
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渡辺啓太「なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか」
最近読んだ本。
「なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか」
サッカーではなくバレーボールの本です。
ロンドン五輪で、見事に銅メダルを獲得したバレーボール女子日本代表。そのチームアナリスト・渡辺啓太さんによる本。出版したのは五輪前です。以前、「ナダールの穴」という番組にも出演していましたね。
そもそも、チームアナリストってなんじゃらほい?って話になると思うのですが、女子バレーでは、眞鍋監督が試合中にiPadを手に持ちながらあれこれ指示を出していますよね。
そのiPadには「データバレー」という世界標準のソフトが入っていて、目の前で行われているリアルタイムのゲームデータが反映されている。具体的には、コートを45分割して、ボールの落ちてきた位置を座標で素早く入力し分析。監督はそのデータを元に、作戦や戦術の指示を出すわけで、監督が持つそのiPadに情報を送るのが、アナリストの渡辺啓太さんの仕事です。そんな彼のデータ分析術が公開されていました。彼がどうやってアナリストになったかの紆余曲折も面白かったです。今までない職業ですから、それを認めさせて居場所を確保するのは大変ですよね。
どうしてもサッカーとの比較をしてしまうのですが、サッカーもかなりの情報戦になってきていますが、ピッチの広さもありますし、タイムが取れないスポーツですし、バレーのように分析をリアルタイムに伝えるというのは、まだできないですよね。せいぜいハーフタイムに情報を伝えるぐらいでしょうか。iPadのような通信手段の道具をベンチに持ち込むことも制限されていますし、PK戦のときにコーチがメモをGKに渡したことが問題になったこともありました。
サッカーとの比較という意味でも、情報化が先鋭化されているバレーの世界の分析が垣間みれて、興味深い一冊でした。
なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか―勝利をつかむデータ分析術 バレーボール「観戦力」…/渡辺 啓太
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データバレーを採用した眞鍋監督の本。
「精密力」~日本再生のヒント~―全日本女子バレー32年ぶりメダル獲得の秘密 (主婦の友新書)/眞鍋 政義
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チームのスイッチを入れる。 カリスマじゃなくてもできる組織を変える55の戦略/眞鍋 政義
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ほぼ日手帳の使い方。
先日、ロフトに行ったら2013年度のほぼ日手帳が発売されておりました。
もう9月ですもんね。文房具コーナーに来年度の手帳が並び出すと、今年のカウントダウンもぼちぼち始まったのかな・・・なんて実感してしまいますわ。
僕もほぼ日手帳を愛用しております。
スケジュール管理などはシステム手帳をメインに使っているので、ほぼ日はネタ帳としての位置づけですね。テレビ観戦したサッカーの観戦記や布陣だったり、練習取材に行ったときはその雑記、あと毎日本を読むので、忘れないようにそのポイントをメモっておきます。ライブとかに行ったら、その半券も貼付けておきますね。
表紙カバーには、スラムダンクのイラストを挟んでおります。
これは週刊少年ジャンプで連載してた当時(もう15年ぐらい前ですね)、ファンレターを出したら送られてきた一品です。山王メンバーがいますし、花道が「今年は決着」と言っているので、多分連載終了年のものですね。書き下ろしのイラストですし、ファンにとってはレアなものかもしれません。
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ちなみに、最近ツイッターをしていたら、井上雄彦先生からリプライをもらえて、すげぇうれしかったなぁ。しかも「ひかる!チャチャチャ!!」というジャンプで連載されてた柔道漫画の話題で(笑)。
ひかる!チャチャチャッ 全7巻完結 (ジャンプコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]/みのも けんじ
¥価格不明
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パラパラと見返すと、たまに発見があったりします。
例えば、4月の練習雑記を眺めていたら、「田中雄大、セクシー主将と言われていた」という汚い字の走り書きがありました・笑。
これは、関西大学在学時、セクシーフットボールの愛称で一世を風靡した野洲高校出身だったこともあり、主将の彼は部員から「セクシー主将」と呼ばれていたというエピソードです。
その後の「自分では普通のプレーのつもりやった。でも映像で見たらすごかった」というのは、たぶんそのときの流れで聞いた野洲高校が日本一になった決勝戦で見せた、決勝点につながった伝説のサイドチェンジについてのコメントです。
・・・これね。
・・・国立競技場をどよめかせたサイドチェンジでした(どよめいたうちの一人)。
売り場には、ほぼ日手帳の公式ガイドブック2013年度版も並んでました。いろんな人の使い方が載っているので、読んでると参考になります。
昔、羽生善治さんがほぼ日手帳ユーザーの取材を受けていたのですが、スケジュール表に「対局」とか書き込むシンプル過ぎる使い方でウケました。
使いやすいので、ほぼ日手帳はおオススメです。
僕の使い方を知りたい方・・・ほぼ日手帳からの取材もお待ちしております・笑。
ほぼ日手帳 公式ガイドブック2013 ほぼ日手帳と、その世界。/マガジンハウス
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ほぼ日手帳公式ガイドブック2012 どの日も、どの日も、大切な日。/マガジンハウス
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ほぼ日手帳 公式ガイドブック 2011 いっしょにいて、たのしい手帳と。/マガジンハウス
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俺のカギ。
最近、自宅のカギチェーンを替えました。
バクマン。に出てきたサイコの仕事部屋のキーホルダーですわ。
おじさんの部屋のカギです。
漫画で出てきたアイテムって、なぜか惹かれるんですよ・・・お気に入りです。
うわー、なんか普通のブログじゃねーか。
まっ、たまにはこんなのもいいか。
バクマン。1stシリーズ DVD-SET 1 〈期間限定生産〉/ジェネオン・ユニバーサル
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スティーブ・ジョブズ「ラスト・メッセージ」、前刀 禎明「僕は、だれの真似もしない」
最近読んだ本と観たDVD。
どちらのアップル関係のものです。
DVDはスティーブ・ジョブズの半生を振り返った映像集。
彼の半生は知ってましたが、公の場でビル・ゲイツと対談している映像があるというのに惹かれて買いました。
対談自体はダイジェスト風味だったので、そんなにうなるような話はなかったですが、この2ショットを映像で見れただけで満足でしたわ。なお対談では、終止ジョブズのペースで、ビル・ゲイツを圧倒していました。
書籍は、前刀禎明氏の「僕は、だれの真似もしない」。
僕は、だれの真似もしない/前刀 禎明
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「ジュブズに日本を託された男」の名の通り、日本におけるappleブランドを復活させた仕掛人です。彼の発想、行動力はさすがに刺激的です。
まず日本市場でヒットさせたのが、iPod mini
彼が就任した2004年は、MD全盛期で高機能リモコンが付随しているのが当たり前だった時代で、アップルジャパンでも「リモコンのないiPod miniは売れるはずがない」という風潮だったそうです。
そこで前刀氏が考えた切り口は、「iPod miniはデジタルでバイスではなく、ファッションアイテムだ」という考え方。まずあのカラフルな5色のカラーというエモーショナルな部分で女性に訴えたところ、反応は上々。そのうえで「これは音楽プレイヤーで1000曲聞ける」というと、驚かれたそうです。理屈や機能よりも先に「感性に訴求する」ことで勝負した。人前で使っていることが自慢できるような新しい音楽の楽しみ方を創るという意識を持たせたわけです。
スティーブ・ジョブズにまつわるエピソードも豊富で面白かったですね。
一番考えさせられたのが、アップル本社でのジョブズの存在について。
アップルにおけるジョブズは、やはり社員の多くからは「神」とあがめられる存在だったそうです。ただアンタッチャブルな存在でもあったそうで、例えば、ランチのときなどでは自社食堂にふらっと現れるのですが、ジョブズを見かけても誰も話かけないのが、社員の暗黙の了解。
しかしそれを知らない前刀氏は、ジョブズを見かけると一言二言、立ち話をしていて、ジョブズも普通に応じてくれていたとのこと。
「せっかくジョブズがいるのに、なぜ誰も話かけないんだろう?」と思っていたら、仲間が渋い顔で「リスキーだからやめておけ。彼の機嫌を損ねると、首だぞ」と言われたそうです。つまり、機嫌を損ねると首になるから、誰もジョブズに話しかけない、それがアップルの常識になっていたみたいです。
この光景から前刀氏は
「スティーブは偉大だ、すごい」と言っているだけの人間こそが、アップル本社にくればスティーブを見かけても保身のために話しかけず、後ろ向きなことを言って「彼」を怒らせてしまうだけの存在になっているのではないか。
と違和感を口にしていました。実際のジョブズはもの静かで、烈火の如く怒るのは、「それは不可能だ」、「それは絶対にできない」などとあからさまにネガティブな物言いをする人間、真剣に取り組まない人間に対してのみ。
いろいろ考えさせられるエピソードです。
どちらもアップルをより知る上で、楽しめる内容でした。
スティーブ・ジョブズ:ラスト・メッセージ ~天才が遺したもの~ [DVD]/スティーブ・ジョブズ,スティーブ・ウォズニアック,ロス・ペロー
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フットボールサミット「本田圭佑という哲学」
どうも。
サッカーブック・ソムリエいしかわごうです。
最近読んだ本。
フットボールサミット第8回「本田圭佑という哲学」
本田圭佑という人間がどう形成されていったのか。
ザックジャパン、岡田ジャパン、ガンバユース時代、高校時代、名古屋時代、オランダ時代、CSKAモスクワでの実情、そしてFK を含めたプレースタイル・・・徹底的に検証しています。
本田選手の変遷はもちろん、ピッチ上のテクニカルな部分をがっつり読みたい人も、人となりを知りたい人の要求も満たしてくれる一冊になっていると思います。バランスのよい記事が多かった印象です。
ビッグマウスで知られる本田選手のコメントを心理学者が分析した記事もありました。
彼のコメントってすごく刺激的ですよね。「ぬぬ?」と、ひっかかるフレーズを言って来る。たぶん自分に言い聞かせているところもあるんでしょうけど、彼が発言したいくつかのコメントを心理学者が分析していました。例えば、
「誰も止められないところまで1年で突入したい」
オランダVVVフェンロ時代に公言したものですが、これは目標だけではなく、具体的な期限を公言することで「公表効果」を生んでいるなどなど、彼の数々のビッグマウスは心理学的にも理にかなっていることだとわかります。
あとレギュラーコーナの松本育夫さんの炎の説教部屋、佐山さんの書評は相変わらず面白いです。都倉のバロテッリパフォーマンスを一刀両断するあたり、育夫さんさすがです。
先日、佐山さんと一緒にお仕事させてもらったのですが、ちょうどこのコーナーの締め切りが近づいた頃だったのか、書評しなくちゃならないサッカー新刊本が多くてちょっとぼやいましたからね。
まぁ、僕は自分のブログで書く分は、気楽にやるスタンスですわ・笑。
ではでは。
フットボールサミット第8回 本田圭佑という哲学 世界のHONDAになる日/元川悦子
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実現の条件 本田圭佑のルーツとは/本郷 陽一
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本田の男は骨で闘う 本田圭佑、本田多聞を育てたオリンピアンの日本人の心を強くする言葉/本田 大三郎
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日本代表激闘録 AFCアジアカップ カタール2011 [DVD]/出演者不明
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小山薫堂さんの「幸せの仕事術」
最近読んだ本。
小山薫堂さんの「幸せの仕事術」
ビジネス本もかなり読むタイプですが、放送作家が書いた仕事術ってまずハズレがないですね。いわゆるビジネスマンが書いた仕事術だと、どこかで読んだことがある方法や内容だったりするのですが、放送作家の場合は「なるほどなー」といううなるやり方だったり、ヒントになる面白いエピソードが多い気がします。だから、書店でみかけるとついつい買ってしまいます。
小山薫堂さんは「カノッサの屈辱」、「料理の鉄人」、「世界遺産」などを手がけてきたベテラン放送作家です。最近では、映画「おくりびと」の脚本家としても脚光を浴びた方ね。執筆活動や企業のコンサルティングなどテレビというフィールドを超えて活躍している彼の企画力、仕事術を紹介していました。
一番面白かったのは、大学のゲスト講師で呼ばれたときのワークショップの話ですね。
冒頭、学生たちの前で鍋に入ったカレーを見せて、「作ったのはこの方です」と鈴木さんというおばさんを紹介したそうです。そして学生の前で「このカレーのポイントは?」、「食材はこれで、ルーはこれで・・・」と説明してもらいながら、最後に「じゃあ、このカレーを食べたい人?」と聞く。
お昼休みの後だったということもあり、学生は誰も手を上げなかったそうです。
でもそこから、「じゃあ、鈴木さんの息子さんのことを聞かせてください」と種明かしをしていく。
「息子さんは何をしているのですか?」
「野球ばっかりしています」
「どちらにいらっしゃるのですか?」
「アメリカです」
「では、息子さんのお名前は?」
「ありふれた名前ですけど、一朗という名前でして」
そこで初めて「このかたはイチロー選手のお母さんなんです」と明かす。
イチロー選手が毎朝カレーを食べていた話は有名ですよね。弓子夫人は、お母さんからレシピを教わってこのカレーを作っていたわけです。
そう明かしてから「イチロー選手が『朝カレー』と言って食べていたのは、まさにこのカレーのことだったんです。ハイ、食べたい人?」
というと、今度は一斉に全員が「食べたい!」と手を挙げる。
・・・すごい変化ですよね。
同じ商品であっても、その背景にどういうストーリーがあるのか、どういう思いでその商品が生まれているのかを知ることで人の心は大きく変わる・・・なるほど、これがブランディングなんですね。
本の中では、こういう思わずヒザを打ってしまう実例がたくさん紹介されています。
受付がパン屋になっている小山さんの会社、行ってみたいな。
小山薫堂 幸せの仕事術―つまらない日常を特別な記念日に変える発想法/NHK出版
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考えないヒント―アイデアはこうして生まれる (幻冬舎新書)/幻冬舎
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他のオススメの放送作家の本。
テレビのなみだ 仕事に悩めるあなたへの77話/鈴木 おさむ
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相手に9割しゃべらせる質問術 (PHP新書)/PHP研究所
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とっさのひと言で心に刺さるコメント術 (PHP新書)/PHP研究所
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25歳からのひとりコングロマリットという働き方 ~仕事も肩書きもひとつじゃなくていい.~/大和書房
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