スティーブ・ジョブズ「ラスト・メッセージ」、前刀 禎明「僕は、だれの真似もしない」


 最近読んだ本と観たDVD。
いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
 どちらのアップル関係のものです。
DVDはスティーブ・ジョブズの半生を振り返った映像集。
彼の半生は知ってましたが、公の場でビル・ゲイツと対談している映像があるというのに惹かれて買いました。
 対談自体はダイジェスト風味だったので、そんなにうなるような話はなかったですが、この2ショットを映像で見れただけで満足でしたわ。なお対談では、終止ジョブズのペースで、ビル・ゲイツを圧倒していました。
書籍は、前刀禎明氏の「僕は、だれの真似もしない」。
僕は、だれの真似もしない/前刀 禎明

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「ジュブズに日本を託された男」の名の通り、日本におけるappleブランドを復活させた仕掛人です。彼の発想、行動力はさすがに刺激的です。
 まず日本市場でヒットさせたのが、iPod mini
彼が就任した2004年は、MD全盛期で高機能リモコンが付随しているのが当たり前だった時代で、アップルジャパンでも「リモコンのないiPod miniは売れるはずがない」という風潮だったそうです。
 そこで前刀氏が考えた切り口は、「iPod miniはデジタルでバイスではなく、ファッションアイテムだ」という考え方。まずあのカラフルな5色のカラーというエモーショナルな部分で女性に訴えたところ、反応は上々。そのうえで「これは音楽プレイヤーで1000曲聞ける」というと、驚かれたそうです。理屈や機能よりも先に「感性に訴求する」ことで勝負した。人前で使っていることが自慢できるような新しい音楽の楽しみ方を創るという意識を持たせたわけです。
 
 
 スティーブ・ジョブズにまつわるエピソードも豊富で面白かったですね。
一番考えさせられたのが、アップル本社でのジョブズの存在について。
 アップルにおけるジョブズは、やはり社員の多くからは「神」とあがめられる存在だったそうです。ただアンタッチャブルな存在でもあったそうで、例えば、ランチのときなどでは自社食堂にふらっと現れるのですが、ジョブズを見かけても誰も話かけないのが、社員の暗黙の了解。
 しかしそれを知らない前刀氏は、ジョブズを見かけると一言二言、立ち話をしていて、ジョブズも普通に応じてくれていたとのこと。
「せっかくジョブズがいるのに、なぜ誰も話かけないんだろう?」と思っていたら、仲間が渋い顔で「リスキーだからやめておけ。彼の機嫌を損ねると、首だぞ」と言われたそうです。つまり、機嫌を損ねると首になるから、誰もジョブズに話しかけない、それがアップルの常識になっていたみたいです。
 この光景から前刀氏は
「スティーブは偉大だ、すごい」と言っているだけの人間こそが、アップル本社にくればスティーブを見かけても保身のために話しかけず、後ろ向きなことを言って「彼」を怒らせてしまうだけの存在になっているのではないか。

と違和感を口にしていました。実際のジョブズはもの静かで、烈火の如く怒るのは、「それは不可能だ」、「それは絶対にできない」などとあからさまにネガティブな物言いをする人間、真剣に取り組まない人間に対してのみ。
 いろいろ考えさせられるエピソードです。
どちらもアップルをより知る上で、楽しめる内容でした。
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