最近読んだサッカーの漫画本を紹介します。
「68m」
ビッグコミックスピリッツで連載されていた高校サッカーの短編集です。タイトルの「68m」はサイドバックの物語のタイトルです。68メートルは、ピッチの横幅の数値ですね。
全部で5作品が収録されているのですが、個人的には「ベンチウォーマー」という、全国大会に出場することになった高校のゴールキーパー2人の話が好きかな、やっぱり。
試合に出たいベンチを温めているサブキーパー目線で物語は進んで行きます。同じゴールキーパーというポジションでも、性格もプレースタイルも全然違う2人。でも試合に出るのは一人だけ。お互いに実力を認め合っているのだけど、それを素直には認めたくない、そんな微妙なキーパー心をうまく描いています・笑。
あとは「老牛」も面白いかな。
タイトルの「老牛」は、近鉄バッファローズ(っぽい)野球帽がトレードマークとなっている高校サッカーの顧問から。72歳。「ゾーンプレス」を信奉して、ひたすらトレーニングで走らせる一昔前の指導者といった風情で、そんな昔ながらの指導に反発する選手とのあれこれです・・・うーん、実際にありそうなシチュエーションですわ。
それぞれの物語の「テーマ選び」や出てくるエピソードを見ていれば、作者さんがどれだけサッカー好きなのかが十分過ぎるほど伝わるサッカー漫画だと思います。
68m: 手原和憲 高校サッカー短編集 (ビッグ コミックス)/小学館
¥650
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Author: いしかわ ごう
サイン会に行ってきたゾ。
先月末の話ですが、ホリエモンこと堀江貴文さんのサイン会に行ってきました。
ビジネスマンという視点では、やはり彼はただ者じゃないと思ってます。一度は生で見てみたいと思い、サイン会に足を運んできてみました。サイン会は先着100名。僕は88番でした。意外にも、若い女性が多くてビックリしました。
生ホリエモン・・・久々に緊張したわ・笑。
サインの間、「アディダスのジャージはこわだりなんですか」とかくだらないことを聞く俺。「いや全然。通ってるジムの近くにセレクトショップがあるから着てるだけだよ」とのことでした。
「出所なう」のハンコ入りでした・笑。
ホリエモンの有料メルマガで公開していたビジネスのアイディアをまとめた本。いろいろな分野に応用できそうなものばかりです。
金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?/堀江貴文
¥1,260
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堀江貴文の言葉/堀江 貴文
¥1,500
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自伝的な小説。ビジネスのノウハウも紹介しているので、面白いです。2部作。
成金/堀江 貴文
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拝金/堀江 貴文
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イラク戦雑感〜機能しなかった攻撃陣。
ワールドカップ予選イラク戦。
最終節がお休みのため、日本はこれが最終戦です。試合は後半44分にカウンターで岡崎選手が決めた1点で逃げ切り、1-0で勝利。まさに辛勝でした。
「うーん・・・」という試合内容でしたね。
まずメンバーについては、最終ラインにCBに伊野波選手、右SBに酒井宏樹選手。中盤は、ボランチに細貝選手、トップ下に香川選手、左に清武選手、そしてワントップにハーフナー選手と言った具合が変更点です。先発が期待された憲剛選手は、残念ながらベンチスタートとなりました。
おそらくザックの頭の中には、コンフェデの連戦を想定して試しておきたいものがあったのでしょう。そんな顔ぶれではありましたが、これが機能したかというと”否”でしょうな。
試合内容うんぬんよりも、まず選手達の動きが、かなりしんどそうな感じを受けました。
テレ朝の中継によれば、風が強く、空気が乾燥していて眼が痛いほどだと言っていました。それでいて給水タイムが設けられるほどの30度越えの暑さですから、気候としては相当に過酷だったのだと思います。サッカーは体力を使いますが、それ以上に選手の思考力が鈍るような環境だったのではないでしょうか。日本は勝ちが絶対に必要な状況ではなかったですが、内容をテストにも不向きな条件で、なんか難しかったですね。
一方、日本に勝たないといけないイラクは、結果最優先であり、やるべきことをシンプルにして徹底してきた印象です。地上戦ではテクニックのある選手よりも、スピードのあるアタッカーをサイドに走らせて勝負。そしてシンプルなロングボールで日本の最終ラインに圧力をかけてきました。
これに手を焼いていたのは事実ですが、伊野波選手と酒井宏樹選手の入った守備陣は、全体的にそつなくやっていたと思います。チーム全体が間延びしてしまったことで、カウンターを受けた場面も何度かありましたが、局面勝負に晒されながらも冷静に対応。ロングボールの処理を含め、劣勢の時間帯でも粘り強く守り、及第点での出来だったのではないでしょうか。
攻撃陣は機能しませんでしたね。
暑さで動き出しが少なかったというのもあると思いますが、ワントップのハーフナー選手、トップ下の香川選手の持ち味が活きる場面が少なく、完全なる消化不良に終わりました。特に香川選手は、やはり活かされるプレイヤーだとあらためて感じました。自身の良さである、相手を外してフリーになった瞬間に走りながらボールを受けてスピードに乗る動きも、そのタイミングで足元にボールをつけてくれる味方がいなければ、マンUのようには輝けません。本田選手のようにバイタルエリアでも身体でキープできるタイプではないのですから。
攻撃陣であえて評価するならば、清武選手でしょうか。
前半31分の場面。香川選手が中盤の底まで下がって相手のマークを引きつけた瞬間、清武選手が左から中央に寄っていき、わざとサイドバックがつきにくい間の位置でボールを受ける。そこで生まれた左サイドのスペースに長友選手がオーバーラップ。高い地位で起点を作って清武選手が絡み、クロスにハーフナー選手がヘディング。完全なる決定機でしたし、いい連係でした。こういう崩しをもっと観たかったですね。
憲剛選手は後半の残り25分という場面で清武選手に代わって登場。トップ下に入り、香川選手が左サイドにスライドする形になりました。
ただ捨て身の攻撃に出てきていたイラクに押され続ける展開でしたし、中盤も間延びしていて、なかなか憲剛選手のところにまでボールが運ばれてこず、ボールタッチ自体が少なかったですね。ボールを持ったときは持ちすぎず、シンプルにさばいてテンポをあげていたのはさすがでしたが、ボールに触る回数自体が少なかったので、「これぞ中村憲剛!」という見せ場を作れませんでした。やはり試合の始めから観たかったですね。
それでも岡崎選手のゴールで勝ち切ったので、深夜まで起きて観ていた日本のサッカーファンも報われましたが。ただ収穫という点では物足りなかったと思います。これを受けてザックがコンフェデのグループリーグ3試合をどうやりくりするのか。
それにしても、この試合が行われたのはカタールのドーハでした。あのドーハの悲劇が1993年ですから、あれからちょうど20年ですか。いろいろ考えさせられますね。そりゃあ、僕も年を取るはずだわ・笑。
最近発売し、献本を受けたサッカー本です。
10番は「司令塔」ではない トップ下の役割に見る現代のサッカー戦術/角川書店
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僕は自分が見たことしか信じない 文庫改訂版 (幻冬舎文庫)/幻冬舎
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国立観戦〜94年アメリカW杯のフランコ・バレージを語れ。
昨日は国立競技場に。
日本OB対イタリアOB戦を観戦してきました。
取材ではなく、イチサッカーファンとしてチケットを買って観に行きました。友人とビールを飲みながら、気楽に。天気がもの凄くよかったので、ビールも進みましたね。
なんといってもロベルト・バッジョです。
僕にとっての一番のスーパースターです。マラドーナよりもバッジョ世代ですから。この思い入れを語り出すと、たぶん一冊の本が書けます・笑。ブレッシアのバッジョユニフォームを着て観戦しましたよ。
お目当ては監督兼選手のロベルト・バッジョでしたが、ヒザの状態が思わしくないらしく出場せず。残念でしたが、同じ空間にいれただけでも嬉しかったです。
試合は2-2でドロー。ヴィエリが2点、日本側はカズ、福西崇史の得点でした。ラモスさんがめっちゃ気合いが入っていたり、ヴィエリが相変わらずの重戦車で、カズは相変わらず、ゴール前でまたぎフェイントしてました。楽しかったですねぇ。
せっかくなので、ここはこのOB戦でも鋭い読みを利かせてパスカットを連発して、僕の胸を熱くさせていたフランコ・バレージについて語りたいと思います。どうせみんなバッジョばっかり語ってると思うんで・笑。
フランコ・バレージといえば、90年代のACミラン黄金期にそのディフェンスラインを支えた選手。当時、世界最高のリべロと評され、現在に彼の背番号6がACミランで永久欠番になっている事実だけでも、その偉大さはわかっていただけると思います。
バレージの記憶といえば、94年のアメリカワールドカップ決勝戦ですね。日本がドーハの悲劇で出場を逃した大会です。そしてロベルト・バッジョがPKをはずした大会としてサッカーファンに語り継がれることの多いアメリカ大会だけど、このイタリアの主将・バレージがたどってきた決勝戦までの道のりも相当凄かったんですよ。
イタリア代表の主将であり、カテナチオの要であるバレージは、チームの絶対的な存在。しかし、グループリーグにひざを負傷し、戦線離脱をよぎなくされてしまう事態に。DFラインの4人を全員ACミランの選手でそろえ、世界最高と名高いイタリア守備陣。その最終ラインを奏でる、指揮者バレージの負傷。その度合いも、「復帰には手術が必要」という絶望的な怪我により、バレージのアメリカワールドカップはここで終わりを告げてしまう・・・はずでした。
しかし、ワールドカップ制覇にすさまじい意地を見せるバレージは、なんと大会期間中に手術をし、さらに決勝戦のみに照準をあわせてリハビリをこなし、その不屈の闘志で見事決勝戦のピッチに立ってしまうんですね。
決勝戦のためだけに手術を行い、リハビリをこなす決意だけでも相当な覚悟が必要だと思うのだけど、かりに手術が成功してリハビリを終えたとしても、イタリア代表が決勝戦まで進めなければ、その努力は水泡と化すわけですから。
しかも、主将・バレージの負傷と、エース・バッジョが絶不調だったので、このときのイタリア代表はグループリーグ突破すらあやういチーム状態でした。そんな状況でも、わずかな可能性にかけて、バレージは手術を決行。チームのことを信じていないと、絶対にできない決断でした。
そしてここからのイタリア代表の戦いぶりが見事。(当時のレギュレーションにより)グループリーグ3位でギリギリで決勝トーナメントに滑り込むことのできたアズーリは、エース・バッジョの復活劇により、ナイジェリア、スペイン、ブルガリアと撃破し、奇蹟のようなドラマを起こしてついに決勝戦にまで駒を進めるわけですよ。「バレージのために、決勝まで行こう!」を合言葉にして。
そして、いよいよ迎えたブラジルとの決勝戦。
ともに、ワールドカップ最多となる4度目の制覇をかけてのぶつかり合いとなった両国ですが、ここにたどり着くまでの道のりは実に対照的でした。
得点王を狙うロマーリオを軸に、ほぼベストメンバーで順調に決勝の舞台に勝ち上がってきたカナリア軍団。一方のアズーリはというと、あまりに満身創痍。試合当日の朝まで出場が判断できないほど脚に爆弾を抱えていたエース・バッジョ。そして、リハビリを終えたばかりの主将のバレージが決勝戦のみ戦列に復帰。物語としてはドラマティックではあるけれど、互いのチーム状態を比較すると、その差は歴然。下馬評はやはりブラジル有利でした。
しかし、いざ試合が始まってみると、リハビリ明けのバレージが、見事にディフェンスラインをコントロールして、当時世界最高と言われたロマーリオとベベトのブラジル攻撃陣を鮮やかに完封してみせるのである。バレージの指揮する、老獪かつ芸術品のようなラインコントロールの前に、攻めあぐむブラジル攻撃陣。さらに、チャンスとみるや積極的に駆け上がり、最終ラインから最前列へと攻撃参加するリベロ・バレージ。灼熱のピッチで、味方選手を追い越してグングンと走り出していく、このベテランアズーリの姿が、なんとまぶしかったことかっ!
結局、試合は90分を通じてスコアレスドロー。
さらに延長戦を終えても得点がなく、ワールドカップ史上初のPK戦へともつれこむことに。
手術明けの復帰戦がワールドカップ決勝戦。しかも120分間にわたって、ブラジルの攻撃陣を完封で食い止めた立役者となったバレージは、紛れもなく勝者でした。しかし、彼にはまだ最後の役割が残っていた。PK戦におけるイタリアの一人目のキッカーである。PKの流れを作るといわれる、最初のキッカーという大役をまかせられるのは、主将のバレージに他ならなかったのだ。
全世界の人々が見つめる、ワールドカップ決勝のPK戦。その一番を蹴る彼にかかるプレッシャーたるや、いかなるものだったのだろうか。しかしバレージの蹴ったボールはゴールバーを越えて外れてしまうのである。次の瞬間、その場で泣き崩れるバレージ。
誰もが声を失う中、PKで対峙していたブラジルのGKタファレルが、崩れたままのバレージにかけより、こう励ましたそうです。
「PKをはずしても、キミが世界最高のDFであることには変わりないじゃないか」
試合中である。それも世界一を決める、ワールドカップ決勝戦のPK戦の最中だ。にもかかわらず、こういうコトバで相手を励ますことのできるタファレルは、本当にすばらしいGKだと思う。心の底から尊敬できますね。
結局、ワールドカップを掴んだのは、ブラジルでした。
5人目のキッカー・ロベルト・バッジョがはずし呆然とする中、ブラジルの優勝が決まったシーンは、あまりに有名ですね。そしてバレージの泣き崩れる姿も。
あのときのアメリカ大会のメンバーだったバレージやバッジョ、コスタクルタやパリューカ、ディノ・バッジョが目の前でプレーしていたんですから・・・そりゃあ、僕も胸が熱くなりますよ・笑。
とても楽しいOB戦でした。
バッジョ含めて、またいつか見たいですね。
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書評:Hard After Hard かつて絶望を味わったJリーガーたちの物語
どうも。
サッカー本ソムリエ・いしかわごうです。
最近読んだサッカー本。
「Hard After Hard かつて絶望を味わったJリーガーたちの物語」
カンゼンさんから献本していただきました。本屋で見つけて「買おう!」と思ったのですが、「カンゼンさんの本なら献本してもらえるかも・・・」と思い、購入を我慢しました、無事、いただけてよかったです・笑。
季刊時代のサッカー批評から連載されていたものを書籍化したものですね。非常に読み応えがあるノンフィクションでした。濃いわー。
物語は、昨年タイで引退をした財前宣之と現在ザスパクサツ群馬でコーチをしている船越優蔵を軸に進んで行きます。そう、これはJリーグが開幕した1993年に日本で開催されたU-17世界選手権(現U-17ワールドカップ)組の「その後」を取材した内容が中心です。
ご存知の方も多いかと思いますが、このときのUー17組の顔ぶれは、中田英寿、宮本恒靖、松田直樹、戸田和幸ら、後の日本代表の歴史に名を残す蒼々たるメンツでした。しかしこのチームで日本代表の10番を背負っていたのは、中田英寿ではなく財前宣之。彼が絶対的なエースとして君臨していました。練習のお手本は財前選手が示し、中田ヒデがそれを体育座りで真剣に見ていたのは有名な話ですね。
財前選手は、U-17世界選手権ではU-17日本代表の中心選手として、リーグ戦三試合全てでマンオブザマッチを獲得しベスト8進出に貢献。大会ベストイレブンにも選出されていました。ちなみにこのときの大会ではスローインをキックインで行うというルールがテスト採用されていたんですが、日本の攻撃は、スローインになるたびに財前宣之のキックを長身フォワード・船越優蔵選手がヘディングで合わせるという形ばかりになってしまったため(?)、このルールは封印されました・笑。
彼らがあのときのチームメートや当時をどう振り返っているのか。それも物語の幹ではあるのですが、当時のチームメートの中には、すでにサッカー界から身を洗っている方々もいます。そんなかつての選手たちの追跡取材こそが、この物語の本質なのかもしれません。プロサッカー選手になれるのは本当に一握りですが、そのキャリアを続けていける人はさらにごくわずかです。
読み進めて行くと、当時は、Jクラブの組織自体がまだ未成熟だったことや、シーズン後のトライアウトすらなかったことで、現役を続けたかった若手の受け皿があまりにもなかった時代も災いしています。志半ばでキャリアに終止符を打った彼らの思いも明かされています。これもサッカーの一部なんですよね。ある意味、日本サッカーの光と影、と言ってもいいのかもしれません。考えさせられます。
この本を読んでいて思い浮かんだアイディアがひとつ。
サッカーライターって、色々なタイプがいるじゃないですか。日本代表や海外組を中心に追いかける人もいれば、特定のJクラブに特化したライターもいますし(自分はこのカテゴリーです)、育成年代の取材に力を入れているライターもいます。なでしこ専門の人もいます。そのカテゴリーで、現役のサッカー選手ではなく、引退した選手に特化して取材するサッカーライターがいてもいいと思うんですよね。毎年引退する選手は必ずいるわけですから。
同業者はかなり少ないので、サッカーライターを目指したい人は、おすすめのカテゴリーかもしれません(?)。ただサッカーライターというよりは、ほとんどノンフィクションライターに近いかもしれませんが。
あと磯貝さんのインタビューがかなり面白いです。斬新な日本サッカー界を変えるアイディアとか、ガンガン言ってます。これだけで一読の価値があるかもしれません・笑。
Hard After Hard(ハード・アフター・ハード) かつて絶望を味わったJリーガーたちの物語/カンゼン
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財前選手や松田選手の内面については、小宮さんの本も詳しいです。
アンチ・ドロップアウト~簡単に死なない男たちの物語 (SHUEISHA PB SERIES)/集英社
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フットボール・ラブ ~俺たちはサッカーをあきらめない~ (SHUEISHA PB SERIES)/集英社
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オーストラリア戦雑感。
無事、ワールドカップ出場が決まりました。5大会連続出場決定です。よかった、よかった。
しかし劇的でしたな。
なんだろうな・・・ワールドカップ出場切符がかかったPKを、ロスタイムに蹴る。なんか漫画じゃないとありえないようなシチュエーションですよね。ゾクゾクしますわ。フットボーラーとしてどんな感覚に襲われるのでしょうか。
そしてそのPKをド真ん中に蹴り込んで成功させた本田圭佑選手のメンタリティーには、ただただ脱帽です。強心臓だわー。ちなみにこのPKをベンチで見守る中村憲剛選手は、「マジで決めろよ、マジで」とつぶやいていました。日本全国民の思いを代弁していましたね。
試合は自宅でテレビ観戦してました。
試合直前には、FM NACK5の「スポファイ」に電話出演して、試合の見所などモロモロのポイントを話させてもらいました。キーマンとしては岡崎慎司選手と中村憲剛選手を挙げさせてもらったのですが、岡崎選手の話題で次の質問に移ってしまい、憲剛選手のことを話せず・・・あんな話や、こんな話をしたかったのにー・笑。
メンバーは戦前の予想通り。ザックジャパンにおけるベストメンバーでの[4-2-3-1]システム。さすがにこの一戦でギャンブル的な布陣やメンバーは送り出しません。
試合は思いのほか、立ち上がりからオープンな展開になった印象でした。もっとお互いに慎重になるかと思いきや、オーストラリアも積極的に仕掛けてきましたね。懸念されていたケーヒルへのハイボールは、今野選手と吉田選手がうまく対応。むしろ空中戦よりも、前半はスピードを生かした地上戦にヒヤリとさせられましたが、川島選手のビッグセーブで救われました。
攻撃に関しては、やり慣れたシステム、気心わかったメンバーということもあって、実に連動がスムーズでした。そしてやはり本田選手がいると、攻撃が格段に循環します。特に左サイドの崩しですよね。本田選手が高い位置でボールをキープして起点を作る。そのタメを使って長友選手が左サイドからオーバーラップして来る。そこに香川選手が絡み、3人で相手のゴールに圧力をかけていき、さらに遠藤選手も中盤の底から顔を出して厚みを加える。やはりここが日本の生命線ですね。
それだけではなく、本田選手はゴールが見えれば、強引にでもミドルシュートを打っていきますから。相手に十分な脅威となります。結果的には彼のミドルがCKになり、彼のクロスがPKを呼び込みました。
もちろん冷静に見ると、ザックの采配しかり、課題も残った試合でした。ただそこからへんを細かく分析し出すと文章がかなり長くなりそうなので、ここで止めておきます・・・というか、他にまだ原稿が残ってるんだよーーー!!・笑。
ワールドカップ出場は決めましたが、最終戦のイラク戦、そしてコンフェデと6月は日本代表月間ですね。憲剛選手も無事コンフェデのメンバーに選出されましたし、楽しみにしたいと思います。
ザッケローニ本を紹介。
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ブルガリア戦雑感。
6月4日に控えたオーストラリア代表戦。そのテストマッチとして行われたブルガリア代表との試合は0-2でした。
まず言うと、ブルガリア代表は十分に強かったですね。日本の課題を浮き彫りにさせてくれる感じの”いい手強さ”でした。欧州予選でイタリアについで2位をキープしているだけのことはあります。ビッグネームがいないにもかかわらず、ですから日本が学ぶべきものがあるチームだな、とかいろいろ考えながら見てました。
さて日本に目を向けると、前半45分は[3-4-3]にトライ。
個人的にはこのトライは悪くないと思ってます。今の日本代表は[4-2-3-1]という「自分たちの戻れる場所」をしっかり持っているチームです。ボールを保持できる展開ならば、完全に相手を押し込める戦い方ですし、そのオプションを増やしておく姿勢は評価したいと思ってます。
実際の効果としては、前線の配置がどうだったのかな、という気はしました。前半、3トップの両ウィングに入ったのは香川選手と乾選手でした。セレッソ時代よろしく、このコンビは2シャドー的な役割でサイドから中央に入っていく動きを得意としています。それはそれで前線のストロングポイントになっていたし面白かったのですが、その反面、[3-4-3]の特徴である幅を広く使った攻撃がなりを潜めてしまった印象があります。具体的には、駒野選手と内田選手という中盤の両サイドですよね。周囲と連係しながら人数をかけてサイドを崩したり、深くえぐってクロスを上げるといった、サイドを起点にした攻撃を出すことがあまり出来ませんでした。
ただ[3-4-3]はこれで、まだ5試合目。もう少し時間をかけていけば、出ているメンバーの配置による特徴や距離感を含めて整備できるんじゃないですかね。
守備に関して言えば、サイドチェンジされたときに対応の稚拙さは目につきました。ただこれは3バックを今野選手、栗原選手、吉田選手という並び方も含めて、何か試していた気がしました。テレビ観戦だけじゃ、意図はよくわからないです・笑。
あとは開始早々、川島選手が無回転FKを弾き切れずに失点してしまった場面は、どうしても印象に残ってしまいますね。対処の難しいシュートであるのは百も承知ですが、本大会での戦いを考えると、せめて前には弾いて欲しかったところ。ナビスコカップ決勝(09年)もそうですし、南アフリカのオランダ戦などなど、川崎時代からそうですが、未だにああいうブレ球を苦手にしている印象が拭えないです。
もっとも、ブレ球っていうのは、翼くんと岬くんが放ったツインシュートみたいなもんですからね。若島津くんの初失点も、今で言うブレ球でしたから、得意なGKはいないと思いますが(※キャプテン翼(小学生編)の全国大会決勝で登場した不死身のGK若島津は、それまで鉄壁のセービングを見せるも、翼くんと岬くんが放った合体シュートが揺れるボールとなり、反応できなかった)。
0-1で迎えた後半は4人の選手交代を行い、[4-2-3-1]に戻した戦い方。慣れた戦い方だけあって選手同士の距離感もよくうまくペースを握ったのですが、ブルガリアの守備陣も頑張ります。特に最終ラインはザゲイロ中心によく安定していました。さらにセットプレーから長谷部選手のオウンゴールで2失点目。
終盤には、中村憲剛選手がトップ下で投入されました。シンプルなボールさばきでゲームのリズムを作っていたと思います。
トップ下から中盤に下がって、ボランチの遠藤選手からボールを引き出す。その間に、憲剛選手がいたトップ下のスペースには香川選手が左サイドからスルスルと入っていく。前を向いた憲剛選手からのボールを受けた香川選手がドリブルを仕掛けてゴール前でFKを獲得する、などというスムーズな流れもありました。オフサイドにはなりましたが、長友選手のゴールも憲剛選手が起点になった形でしたね。短い時間でしたが、できることはやれていたのではないでしょうか。
・・・あっ、5月29日にフットボールチャンネルに掲載された憲剛選手の記事、なんとyahoo!のトップニュースになりました。ありがとうございます。
中村憲剛が語る日本代表への決意「本田がいないときにやってきた自負がある」
ここでネジを締め直して、ホームでのオーストラリア戦に臨んでもらいましょう。
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ザックジャパンだけではなく、歴代の日本代表(なでしこや五輪代表含む)の戦術をわかりやすく解説した本、読みやすく、ページも見やすいです。
心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣/長谷部 誠
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代表主将・長谷部選手の説明不要のベストセラー本。学生やビジネスマンにおすすめの自己マネジメント本。
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文庫本が出るみたいです。実は硬派な内容盛りだくさんのウッチー本。女性目線かと思いきや、男性にもおすすめの内容です。
眼・術・戦 ヤット流ゲームメイクの極意/遠藤保仁
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ヤットのサッカー観を丸裸にした一冊。攻撃時における、リスクマネジメント考え方が大胆で面白いです。
道を拓く力―自分をマネジメントするイメージとは/今野 泰幸
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今野選手の自己マネジメント本。読みやすいので、あっという間に読み切れます。
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吉田選手のブログ本。面白いです。... 記事を読む