どうも。
サッカー本ソムリエ・いしかわごうです。
いやー、いよいよ2011年も終わりですね。今年もたくさんのサッカー本を読ませていただきましたわ。
・・・そ・こ・で!
年末ということもあり、ここで「今年読んだサッカー本のベスト10」を発表してみようかと思います。
いや、ベスト10じゃ面白くないな。サッカーなんだから、11のほうがいいですね。
ってなわけで、今年出たサッカー本でベストイレブンを組んでみることにしました。
題して「サッカー本ソムリエ・いしかわごうが選ぶ、2011年サッカー本ベストイレブン!!」
フォーメーションは、ザックジャパンの基本布陣である[4-2-3-1]です。本の選考基準は、今年出版されたサッカー本であること、そしてわたくし・いしかわごうが読んだ本であることです。そして言うまでもなく、独断と偏見による選出です。あしからず。
結果、こんなメンバーになりましたーーー!
それぞれ、何の本かわかりますかね?
では、スタメンの選考基準を説明していきますね。
フォワードはワントップ。
・心を整える
心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣/長谷部誠
¥1,365
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いわずと知れた、日本代表キャプテンの長谷部誠による今年のサッカー本最大のベストセラーです。「長谷部ならボランチだろ」というツッコミは承知のうえで、販売数=得点力と考えてワントップに起用してみました。サッカー本ならずとも、この本抜きに今年の書籍は語れないですし、そういう意味では、日本サッカー「本」史上に名を残したストライカーと思っています。
いわゆる自己啓発本ですが、フロンターレの選手にも読んだ選手が何人もいましたし、その装丁や内容の読みやすさから、サッカーに詳しくないお子様や女性層など、幅広い層に読まれる工夫を施していたところが素晴らしいですね。
次は中盤。
・トップ下:僕がバナナを売ってドリルをつくるワケ
僕がバナナを売って算数ドリルをつくるワケ (単行本)/天野 春果
¥1,470
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その企画力で他クラブの追随を許さないフロンターレ。その企画を仕掛け人であるフロント・天野氏の書いた本。その豊かな柔軟性、発想力で攻撃力を機能してもらうため、トップ下に配置してみます。
フロンターレサポーターにはお馴染みの一冊ですが、できればそれ以外のサッカーファンにも読んでもらいたい一冊ですね。やりかたを真似る必要はないけれど、ヒントや参考になる考えも多いと思います。ちなみにフロンターレは、シーズンオフに「いっしょにおフロんた~れ」なる企画を開催しており、今年は人気漫画テルマエ・ロマエとコラボレーションした「テルマエ・フロマエ」をやっていますよ。
両サイドハーフは、技工派の選手が出てくるノンフィクション本を置いてみました。
・右サイドハーフ:不器用なドリブラー
不器用なドリブラー/会津 泰成
¥1,365
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いまだ現役選手であり続ける、褐色のドリブラー・永井秀樹選手のノンフィクション。Jリーグ開幕バブルの華やかな時代も、フリューゲルスの消滅も、ラモスヴェルディでの昇格も、そしてFC琉球で挑戦を続けている男の物語。カズともゴンとも違う生き様がそこにはあります。
・左サイドハーフ:異端者たちのセンターサークル
異端者たちのセンターサークル──プロサッカー選手を育てるということ (サッカー小僧新書)/海江田 哲朗
¥945
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ヴェルディではなく、そのルーツとなっているヨミウリ時代までさかのぼって、そのイズムの魅力と課題を考察している一冊。やはり中盤に置いておきたい存在です。古きよき時代の日本サッカーを知る読み物としても面白いです。
中盤の底、ダブルボランチは「戦術眼」に優れたタイプを選抜してみました。新刊コンビです。
・ボランチ:なぜボランチはムダなパスを出すのか。
なぜボランチはムダなパスを出すのか? ~1本のパスからサッカーの”3手先”が見えてくる~ (サ…/北 健一郎
¥945
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ビルドアップにボランチが出す1本の何気ないパスを徹底的に解明した良書。こういうタイプが中盤の底にいるかどうかは、チームを循環させる上で非常に重要なポイントになりますからね。派手さはないかもしれませんが、必要不可欠なタイプです。
もうひとりのボランチはこちら。
・ボランチ:サッカー「観戦力」が高まる
サッカー「観戦力」が高まる/清水 英斗
¥1,500
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こちらも新刊。サッカーを観る力を養うための本はこれまでもたくさん出ていますが、この本のよさは、システム論や技術論などに極端に偏ることもなく、技術論やセットプレー論など、多岐にわたってバラスンよく視点を提供しているところですね。試合の実例も、Jリーグ、日本代表、海外リーグと豊富なので、読み応えと説得力も十分です。
最終ラインの4枚はこちら。
まずザゲイロ(センターバック)の二人は、連係面も考えてフットボリスタ本コンビで固めました。
・センターバック:フットボリスタ主義
フットボリスタ主義 (footballista)/木村浩嗣
¥1,680
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フットボリスタ木村編集長の巻頭コラム集です。サッカーを取り巻く幅広い話題をけん引している本なので、最終ラインも任せてみました。
過去5年間の211本のコラムの中から55分を厳選した掲載しています。面白いのが、そのセレクション方法。編集長自ら選んでは商業優先で配慮してしまうスケベ心が出るし、だからといって逆になっても、それもまたスケベ心になりそう・・・という理由で、別の方に選考をお願いしていることですね。岩本義和氏が「心にしみた度合い」で選考しています。個人的には「ロッカールームにテレビカメラを入れるな!」、「恋愛もサッカーも、魅力は攻撃でしょ?」が好きかな。
・センターバック:戦術リストランテ
戦術リストランテ/西部 謙司
¥1,680
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こちらもフットボリスタの連載をまとめた一冊。今年もさまざまな戦術本が発売されました。これは通常の戦術解説本とは違い、「リストランテ」のネーミングからわかるように、レストランのシェフのごとく食べやすく戦術を調理してくれています。本の構成もレストランを意識した風味になってるのもいいですね。西部さんの文章も読みやすいです。
サイドバックは最後まで悩みましたね。この2冊です。
・右サイドバック:フットボール・ラブ
フットボール・ラブ ~俺たちはサッカーをあきらめない~ (SHUEISHA PB SERIES)/小宮 良之
¥1,000
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サイドバックに求めたいのは、攻守にわたる泥臭くて、タフなプレー。ならば、サッカーをあきらめない男たちの泥臭い物語集ですね。故・松田直樹選手の丁寧な取材を中心に、サッカーをあきらめない男たちの、タフで貪欲なノンフィクションに右サイドバックを任せてみました。
・左サイドバック:・ACLの勝因と敗因と、ここだけの話
ACLの勝因と敗因と、ここだけの話/江藤 高志
¥1,050
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これはあまり知られていない本かもしれないですね。ブログではなく、エルゴラッソ本紙の書評で取り上げた本です。日本代表ではなく、ACLを経験したクラブ担当ライターが傾向と対策を語るという異色の一冊。なぜACLで勝てなくなっているのか、非常に的確な分析がなされています。
ACLならでは経験談も豊富で、例えば浦和担当記者が、フロンターレと対戦経験のあったセパハンに取材に行ったとき、現地のサポーターから「お前は、ジャーナリストなのか?ならキング・ナカムラを知っているか?」、「中村俊輔か?知ってるぞ」、「違う。キング・ナカムラといえば、中村憲剛に決まっているじゃないか!日本で一番いい選手はキング・ナカムラで、一番素晴らしいDFは伊藤宏樹だ」と言われたエピソードなんて秀逸ですね。
こういう豊富な経験のあるベテランタイプもサイドバックに欲しいです。
最後はキーパー。
・ゴールキーパー:準備する力
準備する力 夢を実現する逆算のマネジメント/川島 永嗣
¥1,365
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ゴールキーパーは、ベタに日本の守護神・川島永嗣選手の著書を起用。実際の内容も硬派ですね。サッカーだけに限らず、語学であったり、お金に関する考えたであったり、食生活についてであったり、とにかく彼の人生観を語っています。一流アスリートと言われるプロサッカー選手がどういうことを考え、どういう目標を立てて行動を積み重ねているのか。冷静で熱い川島永嗣選手の本にゴールマウスを任せてみました。
どうでしょうか。
こんな感じで、僕なりにこわだったベストイレブンを組んでみたわけですが、面白かった本を選んだわけじゃないので、選考がすげぇ大変でした・笑。もう一度フォーメーション写真をどうぞ。
そうそう。このチームを指揮する監督本も選ばないとな・・・やっぱりこれですね。
・監督:名将への挑戦状
名将への挑戦状 ~世界のサッカー監督論~/ヘスス・スアレス
¥1,500
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雑誌『ワールドサッカーダイジェスト』のコラムを書いているヘスス・スアレス氏と小宮良之氏の共著。13人のフットボール監督の手腕を、スアレス氏がさまざまな角度から論評しています。
ってなわけで、発表が無事終わりました。
サッカー本ソムリエ・いしかわごうの選んだ2011年サッカー本ベストイレブン+ベスト監督、いかがだったでしょうか。
年末からお正月に読書を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。