今日のエルゴラです。
表紙に掲載されていたタイトル「Jリーグの一番長い日」に思わずニヤリ。
これはたぶん「将棋界の一番長い日」を意識してつけたんでしょうね。
将棋の最高峰・名人位の挑戦権を決めるA級順位戦。その最終局は、さまざまなドラマが起きることから「将棋界の一番長い日」と言われているんです。所属する10人の棋士が一年間総当りのリーグ戦でしのぎを削り、成績で1名の名人挑戦者と2名のB1組陥落者が決まるわけですが、その運命が決まる最終局の人間ドラマが、ひじょーに濃いんです。
Jリーグの優勝争いや残留争い、昇格争いで描かれるドラマって、きっとサッカーに詳しくない人が見ても引き込まれるものがあると思うんですよ。「将棋界の一番長い日」も、毎年NHKのBSで生中継されているぐらいで、対局は当然のように深夜まで及び、さらにほかの結果次第で自分の運命が決まる棋士も出てきますから、そこでの人間模様、現場の阿鼻叫喚は、本当に天国と地獄。将棋ファンならずとも見入ってしまうものがあります。
サッカーのリーグと違っているのは、A級順位戦で一位になった者が、そのまま名人になれるわけではないことですね。サッカーならリーグ戦で優勝したらそのまま「リーグ王者」の称号を得ることができますが、将棋のA級順位戦優勝者は、まだ名人戦の「挑戦権」を得ただけ。ここから名人との七番勝負を制して、初めて名人位に就けるわけです。
なおプロデビューした棋士が名人位にたどり着くまでには、どんなに早くても理論上で5年かかります(もちろん5年でたどり着いた棋士はいません)。おれが町のクラブが、Jリーグ王者になるには、都道府県リーグ、地域リーグ、JFL、J2、J1というピラミッドを勝ち上がっていかなければいけないイメージと同じです。将棋の名人への道というのは、それだけ険しいわけです。
・・・とまぁ、なぜかエルゴラの表紙で将棋を熱く語ってしまいました・笑。
紙面で磐田戦に向けては「勝たなければならない三つの理由」と題したプレビューを書いてます。
よろしくです。
将棋界の裏話なら、先崎プロのエッセイが面白いです。
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