先週末は等々力取材。サガン鳥栖に1-0で勝利。
このGW3連戦を全勝で走り抜けました。
この試合で注目していたのが中盤の攻防でした。
前半はお互いにボールを出し入れしながら引っ張り合いをしてましたが、後半になると川崎が押し込む時間が長くなります。鳥栖が自陣に張り付いてラインを上げられなくなってきたんですね。
試合後、元川崎の森谷賢太郎にその辺を聞きました。後半途中まで出場した彼が触れていたのは、後半から入った大島僚太の存在です。
大島僚太の何が嫌だったのか。
森谷はこんなふうに話します。
「リョータに関しても、後半から出てきてめちゃくちゃ嫌だなと思ったのは・・・ポジショニングの部分で前に行けなくなったんです」
森谷が「前に行けなくなった」とはどういうことか。
簡単に言うと、ボールに奪いに行けなくなった、奪いにいく足を止められたということです。
なぜそんなことが起きたのかというと、それは大島僚太のポジショニングにあります。
フロンターレがボールを保持していると、大島はボランチの森谷賢太郎の前ではなく、背中に入っていた。センターバックの田代雅也が前に出てきにくい位置なので、マークを受け渡しにくい。後ろにいる大島僚太を気にしなくては行けなくなったので、森谷は前に行けなくなったわけです。
「瀬古選手の時は自分の前にいて、そこを潰しに行けた。でも、リョータの時は
田代選手と自分の間に立って、どっちが見るのかを考えながらやっていた。そういうのは久しぶりに感じられて、自分がもっと成長しないといけない部分でもありました。楽しかったという印象です」(森谷賢太郎)
中盤で後手を踏まされたことで、鳥栖は前から奪いに行けなかったとも言えるわけです。
この試合、ボールを持った大島僚太は決定的な仕事をしたわけではありません。
でもボールを持たなくても、ポジショニングで相手に圧力を与えることができる・・・これが大島僚太の仕事ぶりなのかもしれませんね。
ちなみに森谷賢太郎にとっては、初めての等々力帰還になった試合でした。
試合前、フロンターレのサポーターからも拍手があったことを伝えると、「僕がいたのは4〜5年前ぐらいですが、覚えてくれている人がいるのは嬉しかったです」と少しだけ表情を崩して話してくれた。
試合後にはゴール裏に挨拶に行き、森谷賢太郎のチャントも歌われていたようですね(会見に出ていたので、見れなかった)。
フロンターレらしい光景だなぁと思います。個人的にも何度も取材した選手がJ1の舞台で頑張っているのは嬉しいことです。
というわけで、こういう話はレビューでも詳しく掘り下げております。
ラインナップはこちらです。
■「自分に来るということは後ろが一対一になるということ。僕を使うよりは、一個飛ばしてくれという話をしていた」(山根視来)。鳥栖のハイプレスを逆手に取るために。チームで共有していたスタンスと狙いとは?
■「自由にさせて前を向かせると鋭いパスが入ってくる。そこをやらせないように意識していました。ただ自分たちがボールを持った時は、意外とズレが生まれる」(脇坂泰斗)、「リョータに関しても、後半から出てきてめちゃくちゃ嫌だなと思ったのは・・・」(森谷賢太郎)。中盤の攻防戦を選手たちの証言から読み解いてみえること。
■「ロッカーでも、なるべく相手を押し下げたいっていう話になっていたので。そういうことができればなっていう感じでした」(大島僚太)。後半は、なぜ瀬古樹を下げて、大島僚太を入れたのか。鬼木監督の本当の狙いとは?
■「今まではどちらかというとバランスの方が比重として強かったと思いますけど、今はどちらかというと、より追加点に比重が向いてるかなと思います」(大島僚太)、「前半はマルシーニョにシンプルに飛ばせば、ペナルティエリアに入っていける。あれが効果的なのはわかっていました。それプラス、一回相手のFWを下げさせて押し込んでプレーする。後半は、それがよりできたところです」(脇坂泰斗)。前に進み始めているリーグ3連勝。ここからさらに強くなるために求められる舵取り。
■「自分が一番慣れ親しんだスタジアムでプレーできたことは嬉しかったです」(森谷賢太郎)、「本当は試合に出れれば良かったですけど、まずは第一歩としてJ1のステージに戻って来れて嬉しかったです」(内山圭)。初めての等々力帰還に2人が語ったこと。
全部で約9500文字です。
「There will be love there -愛のある場所-」(リーグ第12節・サガン鳥栖戦:1-0)
次の多摩川クラシコは金曜日開催だから、地味に中4日なんすよね。
中2日とか中3日ほどの連戦感はないけど、そんなにインターバルがあるわけでもないという。頑張ろう!!