[書評]調べてもわからないサッカーのすべて


 こんばんは。
サッカーブックソムリエ・いしかわごうです。
 今回紹介する一冊は、こちら。
$いしかわごうの「サッカーのしわざなのだ。」
「調べてもわからないサッカーのすべて」。
先日も少し紹介した、知人・猪狩さんによる一冊です。
いわゆるデータ本ですが、面白く読めるように「マニアックに」読み解いてます。
ようやく読み終えました。
ここでは、個人的に印象に残った調査ファイルを紹介したいと思います。
・シュート。打つべきか、打たざるべきか。
シュートを打たないとゴールは生まれない。あるいは、シュートを打てば何かが起こる。そんな「シュート至上主義」について、「では実際、どのぐらいラッキーゴールが生まれているのか」の考察。09年と10年のJ1リーグのゴール数を調べてみると、川崎フロンターレが1位だったそうです。
 そのデータを受けて、ラッキーゴール数2年連続1位という中村憲剛選手の特別インタビューが収録されていました。
 このインタビューは面白いです。シュートを打てば何かが起こるという「シュート至上主義」に対する自身の意見を皮切りに、「シュート」というプレーに対するケンゴ選手の考えがよくわかる内容になってます。「中村憲剛のパス」のこだわりはよく知られていますが(本が出てるぐらいですからね)、「中村憲剛のシュート」のこだわりというと、あまり知られていませんからね。貴重だと思います。
 
 あとはラッキーゴールの話題なので、どうしても偶然か、必然といった確率の話も絡んでくるのですが、ケンゴ選手自身がシュート、パス、ドリブルといったプレーの選択を時間帯でどう使い分けているのかとか、確率論の話だったのが、いつの間にか自身のサッカー観まで垣間見れるようになっているのが面白いです。僕はここを読むだけでこの本を読む価値はあったかな。
 ちなみにインタビューでは、ジュニーニョとチョン・テセ選手(ボーフム)の名前がわりと出てきますね。ジュニーニョはともかく、テセ選手に関しては、何も起こらないだろう場面で強引にシュートを打っていた選手として挙げられてますが・笑。
・ルーキー監督の成績を強引に評価する
今年のフロンターレは相馬監督が指揮を執りましたから、これは気になるデータです。詳細は本を読んでもらうとして、この部門でJ2の勝率トップを記録していたのは、関塚監督でした。もちろん、04年の川崎フロンターレです。その勝率はなんと80.7パーセント!ちなみに2位は、06年に横浜FCを率いた高木琢也監督で、71.3パーセント。
・なぜGKはこれほど走っているのか?
ワールドカップ南アフリカ大会で、試合中のGKの走行距離に注目したデータ。日本代表の川島選手は約4キロだったそうです。これは平均的な数字だそうです。うーん、意外に走ってるんですね。トップは、スイス代表のベナーリオで7キロ!初戦でスペイン代表を倒した背景には、彼のリベロ的な運動量があったんですね。
・セカンドボールの重要性を考察する
苦戦した試合の要因に「セカンドボールが拾えなかった」とコメントする選手は、本当に多いです。では、そのセカンドボールって実際にはどのぐらい試合に影響を与えているのかを検証しています。ただ、これをカウントする作業は相当大変だったみたいです。うん、想像しただけで、すげぇ時間がかかりそう・笑。そのへんの言い訳も書いてあります。猪狩さん、お疲れ様でした。
・つなぎ倒して点を取れ!J1遅攻選手権
引きこもった相手をどう崩すか。現代サッカーでは難しいとされる作業ですけど、「パス5本以上つないで決めたゴール」という基準でカウントしたデータ。10年のトップは、ガンバ大阪。まぁ、納得ですよね。
 ってなわけで、5本以上パスをつないで決めたゴール数1位の遠藤保仁選手の特別インタビューが収録されています。
ボールを回しているときに、相手にブロックのどこを見ているのかについて、さらにヨコだけじゃなく、タテの揺さぶりで相手のDFラインを食いつかせることなどをかなり具体的に話しています。特にヨコのゆさぶり方については、「相手が4人か5人で手をつないでいるとして、つないでいる手を締めたら間は空かないけど、広げたら手と手は離れていく。その感覚と一緒」とそのイメージを話していたのが、印象的ですかね。遠藤選手がどういう狙いでパス回しを組み立てているのか、ちょっと分かった気がします。
 思えば、先月の万博でのガンバ戦で、フロンターレは後半10人になって逆転負けをしたわけですが、他のチームならば、自分たちが負けている状態で相手が退場の展開になると、少しは攻め急ぐこともあると思うのですが、あの後半のガンバはそれがまるでなかったですからね。それこそ詰め将棋でも解いていくかのように、パスを回しながら、フロンターレの守備陣の穴をじっくりと見つけていきました。あれは「さすがガンバ」でしたわ。
・・・・とまぁ、こんな感じで突っ込みをいれながら面白く読める本です。
かなりマニアックなデータばかり集めてますが、「こんな本もあるんだ、と存在を世に知ってもらえたらうれしいです」と作者の猪狩さんからメッセージをいただいたので、興味のある方は購入してみてください。フロンターレサポーターならば、このケンゴ選手のインタビューだけでも読む価値はあるかと僕は思いますよ。
調べてもわからないサッカーのすべて/猪狩 真一

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