サッカー批評、最新号が出ました。
今回のテーマは「サッカー監督の正しい叩き方」
その中の「Jリーグ監督の処世術を読み解く」という特集で川崎フロンターレの風間監督の原稿を執筆させてもらいました。
今年のJリーグで、風間監督ほどシーズン序盤と現在で周囲の評価がこれほど変わった人もいないかもしれません。未勝利が続いた4月のどん底の時期は、スタジアムの雰囲気含め、サポーターからもかなり手厳しい意見が多かったと思います。
ただ風間監督のスタンスって批判されているときも、評価されているときもさほど変わらないんですよね。つい最近も、風間監督に「最近は、周囲の評価もだいぶ変わったんじゃないですか」となんとなく水を向けてみたのですが、「俺はまわりの評価は気にしないから」と、相変わらずな感じでした。勝ってるときぐらい「まぁな」ぐらいは言ってくれると思ったのですが・笑。
たぶん自分の中に確固たるものであり、断固たる決意(スラムダンク的表現)があるんでしょうな。そしてもっともっと上を目指しているのでしょう。
サッカー批評(63) (フタバシャスーパームック)/双葉社
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最近、昨年の監督就任時の会見を読み直してみたのですが、今読むと、これがなかなか興味深いです。
4/24 風間八宏監督就任記者会見[全文]
「正確性はスピードに変わる」、「ボールを失わないサッカー」、「どう勝つかにこだわる」など、現在のピッチで表現されているサッカーの理解に役立ちます。
ちなみに「監督の理想のサッカーは?それは何対何?」と問われた際にはこう答えているんですよね。
「正直言うと、理想はありません。なぜかというと、それは選手の中で決めることで僕がやることではないですから。一番は、もちろん90分間ボールを持ち続けて選手が楽しんでやること。球技である以上、ボールを持たずに考えることはないですよね。例えば手でやるスポーツで、ボールを持っていない、ボールを取られることを考えるスポーツはないですよね?だから堂々と自信を持って、ボールを持つサッカーをしていって欲しい。そのなかで選手たちの発想が出てくる。何対何というのはありません。その中で僕があれそっちに行くのと思うことがあって、まったく違う方向に行っても、それでとんでもない結果を出してくれればそれは面白いと思う。元から当てはめる気もないですし、彼らが作っていくものにもっともっと大きくしていこうと考えています。それが僕の理想だと思っています。」
つまり、風間監督は「理想はない」って言い切っているんですよね。だって「プレーするのは自分じゃなくて選手なんだから」と。勝てない時期は「理想論」とよく批判されてましたが、実は本人は「理想はない」って最初に言っていたところが、今読むと興味深いです。
さて明日は首位・大宮戦。
首位ということは、今日本で一番強いチームです。そんな相手にどんなサッカーを見せてくれるか。楽しみですね。