将棋界のいちばん長い日。


昨日は午前から麻生取材に。
そして午後からはキックオフカンファレンスに行かず、千駄ヶ谷の将棋会館へ。
 「将棋界のいちばん長い日」に立ち会ってきました。
将棋界では、A級順位戦の最終局が行われる日を、「将棋界のいちばん長い日」と呼んでいます。A級順位戦の最終局というのは、わかりやすくいえばサッカーのリーグ戦最終節と同じようなものだと思ってくれればいいです。約1年間かけてA級棋士10名が総当りで対局を行い、その結果で名人挑戦者と2名の降級者が確定するわけですが、その最終局が昨日3月2日でした。
いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
将棋会館で5局同日開催となるため、館内の会場スペースでは大盤解説などのイベントを行っていて、それに足を運んできました。イベントではプロ棋士や女流棋士が解説をしてくれるのですが、対局は深夜にまで及ぶので、交代制でいろんな棋士が登場して解説してくれます。スペシャルゲストは森内名人でした。
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将棋会館の書籍コーナーで森内名人のサイン本が売っていたので、ちゃっかり購入。
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1位が森内名人へのタイトル挑戦権を獲得するわけですが、今年は8戦全勝で羽生さんの挑戦権利獲得がすでに決まっている状況でした。そしてこの最終局も郷田プロに勝ち、9戦全勝で挑戦権を獲得。これは将棋史上3人目となる歴史的な快挙だそうです。サッカーで言えば、リーグ戦を全勝したみたいなもんですよ。羽生さん、凄すぎます。
なので、この日の注目は残留争いでした。プロ棋士になる人はみな天才だと僕は思うのですが、そのなかでもA級にいる10人の棋士は、まさに天才中の天才。それでも下位2人はB級1組に降級するシステムです。
今年は2勝7敗の久保2冠と、1勝8敗の高橋九段、丸山九段の3人の中から2人が降級する状況でした。久保2冠のように、タイトルを2つ保持していても、降級争いに巻き込まれてしまう難しさがあります。
 そして久保2冠は丸山九段との直接対決でした。勝てば自力で残留できますが、負けると高橋プロの結果次第にもなるなど、いろいろな条件がついてきます。丸山九段が残留するには、久保2冠に勝った上で、高橋プロの結果待ちです。この対局は、両者ともに負けられないプレッシャーからか、両者ともに穴熊戦法でガッチリ守備を固めて戦う相穴熊を選択。残留のかかった試合では、サッカーでもまずは失点しないように守備に重点を置いて、慎重に戦いますよね。そんな心理が将棋でも垣間見れたようでなんか興味深かったですね。
 深夜1時過ぎまでの熱戦の末、丸山九段が勝利。
しかし対局終了前に、高橋九段が谷川九段に勝利したことにより、2勝8敗で3人が並び、諸条件により丸山九段は降級。負けた久保2冠は2勝8敗のままで、彼の高橋九段の勝利により、降級となりました。つまり、久保対丸山の対局は、勝者はいない悲劇に・・・。
とはいっても、僕が見ているときは終電の時間が迫っても決着がつかなかったため、しぶしぶ帰りましたけどね。まだ会場で観ている将棋ファンもいました。
そんな感じで「将棋界のいちばん長い日」を過ごさせてもらいました。
将棋会館の「濃い雰囲気」、僕は好きなんですよ。建物の中に入ると、歴史を感じるというか、なんか空気を感じるんですよね。
いろいろ刺激をもらえた一日でした。
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