スフィーダ世田谷の開幕戦取材。


 昨日は久しぶりに駒沢に。
前日の爆弾低気圧もすっかりと去り、天気は快晴。風がやたら強かったですけどね。休日ということもあり駒沢公園の敷地内ではあちらこちらで球技を楽しんでいて、ランナーもたくさんいました。
 チャレンジリーグ開幕戦・スフィーダ世田谷対セレッソ大阪堺レディースの取材でした。
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 チャレンジリーグというのは、なでしこリーグの2部リーグに当たります。その名の通り、なでしこリーグにチャレンジするカテゴリーというわけです。1位になると1部(なでしこリーグ)に自動昇格し、2位は入れ替え戦。昨年のスフィーダ世田谷は3位でした。今年は昇格を目指しています。
 スフィーダ世田谷のホームタウンは、世田谷区。
事務所がウルトラマン商店街で有名な祖師ケ谷大蔵にあり、そのウルトラマン商店街と協力しながら活動している地域密着型クラブです。昨年の胸スポンサーがウルトラマン商店街ですからね。試合前に歌うチャントが「来—たぞ、我らーの♪」のあの曲だったり、地元の応援番組で選手が行う決めポーズもスペシウム光線だったりと・・・なかなかのウルトラっぷりで面白いです。
 相手のセレッソ大阪堺レディースは、今年昇格したばかり。育成組織としてスタートしていた、中学生が主体となっているU-15のチームでした。前日、男子のトップチームが鹿島で試合をしたということもあり、その流れでセレッソサポーターも足を運んできていた印象です。試合中の「さくら・なでしこ!」というコールがなんか可愛かったです。
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 試合のほうはというと、8対2でスフィーダが大勝。
実力差を考えれば、妥当ともいえる結果ではあるのですが、開幕戦という緊張からなのか、それとも見た目以上に状態が悪かったピッチコンディションの影響なのか、立ち上がりはスフィーダの最終ラインからのパス回しが不安定で、どうもぎこちない時間が立ち上がりに続いていました。
 開始11分には最終ラインのギャップにパスを通されて失点し、スフィーダが先手を許しています。
 このとき最前線からセンターサークルまで戻っていき、味方に一言二言、声を駆け寄っていく選手がいました。
 チームのキャプテン・田中麻里菜選手。
小学生からスフィーダ一筋の生え抜きであり、チームの顔です。ガイドブックによれば自分の性格を「女版高田純次」と評していましたが、ピッチ上ではジョンテリーばりの頼れるキャプテンであり、そこにいい加減さはありません(たぶん)。
 失点直後のプレーでは、その田中麻選手が右サイドをグイグイと突破していく姿がありました。中央に折り返しを合わせた味方のシュートはゴールバーを越えてしまいましたが、反撃ムードをチームに注入していきます。
 そして20分、CKにヘディングで奇麗に合わせて同点。決めたのはやはり田中麻里菜選手でした。29分には再びCKから、こぼれ球を下条選手が決めてスフィーダが逆転に成功。41分には最終ラインからのロングフィードを田中麻選手が丁寧に落とし、それを森選手がミドルシュート。キーパーの頭上を越えてゴールマウスに鮮やかに吸い込まれて、これで3対1。
 後半は選手交代を積極的に行いながら、サイドからのアーリークロスを徹底。そして思い切りの良いミドルシュートを中心にゴールを量産していき、後半だけで5得点。局面ではフットサルのように足裏を使ったスフィーダらしいテクニックで相手を突破していくプレーもあり、見ていてなかなか楽しかったです。8対2で開幕戦を白星で飾りました。
 試合後、川邊監督に話を聞いてみます。
川邊監督は32歳・・・監督としては若いです。僕と同世代です。
「今日は正直なところ、相手のペースで試合が進んでいましたね。二度追い、三度追いしてくる相手にディフェンスにウチが飲まれてしまった。個々の差はあったので、このぐらいの厳しい内容でも差はつくと思っていましたが」と大勝にも渋い表情。
 というのも、セレッソの守備は、相手のボール付近で人数をかけて密集を作り、とにかくそこに頑張ってアプローチしていました。それが川邊監督の言う「二度追い、三度追い」という表現なのでしょう。そしてスフィーダはその密集地帯を打開していくことがなかなかできませんでした。
 要因はいろいろとあったと思います。
まずはこの日のピッチコンディション。「見た目は奇麗なのですが、意外とよくないんですよ(笑)。デコボコしていてイレギュラーなバウンドがあり、ボールがつなげなかった」とのこと。吹きすさぶ強風もしかりです。
 ハーフタイムには、攻撃が縦に速くなり過ぎていること、そしてそれを相手が狙っていることを指摘し、もっと相手を横に揺さぶって広く攻撃して改善策を指示して修正。選手交代による活性化を行いながら、サイドの選手は忠実にやってくれたと後半には一定の評価をしていた印象です。
 そして率直に聞いてみました。
今日の田中麻里菜選手のパフォーマンスはどうだったのかと。
 川邊監督のリアクションは「今日は最悪でしたねー」という苦笑い。
「まずこの芝生に慣れてないというのがあったと思います。凄く足の速い選手なのですが、スピード感がなかった。チームとしてもパスをつなげないから麻里菜に頼って出す。そのワンパターンの攻撃になってしまった。そこは今日の試合で苦しくなってしまった要因です」
 試合後の田中麻里菜選手も「気候もあって自分たちのやりたいサッカーはできなかったです。チームとしてシンプルな攻撃になってしまいました。もっと自分たちのスタイルを貫けるようにしていきたい」と話しておりました。今度の課題ですね。
 さて。
特筆すべきなのは、この日の観客数が1682人だったこと。なでしこチャレンジリーグは無料試合なのですが、それでもこの数字ははっきり言ってすごいです。
チャレンジリーグでは他は全部3ケタ2以下なのでダントツの動員ですからね。この日行われたなでしこリーグ全体でも、(こちらは有料試合ですが)神戸、岡山湯郷、仙台につぐ観客数を誇っています。
 というのも、スフィーダ世田谷はサポーターを増やす仕組みにかなり力を入れていますから。
例えばクラブ後援会のゴールド会員(年会費10000円)に加入するともらえるのが、スフィーダのログが入っている豪華なサーモスの保温ポッドですからね。グッズ売り場を見ても、スフィーダ仕様になっているカッコイイiphoneのカバーが1種類ではなく3種類あったりして、並々ならぬ力の入れ方を感じます(川邊監督がブログで写真つきでグッズを紹介していました
川崎フロンターレのプロモーションを間近で取材している自分としては、なかなか興味深かったりします。いろいろと発見のある取材ができました。みなさんも興味を持ったら、足を運んでみてはどうでしょうか。
(スフィーダ世田谷のホームページ)
http://www.sfida.or.jp/
(今年のなでしこリーグのガイドブックです)
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