なでしこジャパン:アメリカ戦分析&総括。


 なでしこジャパン、銀メダルでした。
少し冷静にアメリカ戦の戦いぶりを振り返って見ようと思います。ちなみに長文です。
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 まずゲームの入り方ですね。
 ブラジル、フランス、アメリカ。
決勝トーナメントになってからの対戦相手は、いずれも立ち上がりに猛ラッシュを仕掛けて主導権を奪おうとするゲームプランを採用してきました。過去2戦はなでしこがそれをうまく耐え、徐々に反撃して先手を奪う展開に持ち込みました。しかしこのアメリカ戦では開始8分に失点。大会通じて、初めてビハインドを背負う展開を余儀なくされたわけです。
 これは試合の大きなポイントでした。
というのも、日本が前に出ていかざるを得ない展開になると、そのスペースをカウンターで狙って抜け出すアメリカのモーガンが猛威を振るうのは自明の理。もちろん大型ストライカーのワンバックもいるのだけど、なでしこのCB岩清水・熊谷にとって、この状況でやっかいなのはむしろスピードのあるモーガンのほう。去年のW杯決勝延長後半、岩清水選手はモーガンをプロフェッショナルファールで防いで退場した場面を覚えている人もいたでしょう。
 最終ラインとモーガンとの駆け引きは、戦前から試合の肝だったと思うのですが、一点ビハインドになると、やはりメンタル的な主導権は相手に傾いてしまう。実際、アメリカがカウンターを仕掛けてきたとき、なでしこの最終ラインはアタックにいかず、ズルズルと下げて対応する場面が目につきました。後半に喫した2失点目は、その典型。右サイドに流れたモーガンをケアしながらズルズルと下がってしまい、結局、坂口選手はボールを運んでいたロイドに対するアタックにいけず、そのままミドルシュートを決められてしまった。この大会の劣勢を支え続けてきたなでしこ守備陣でしたが、決勝に関していえば、やはりこの綻びは悔やまれます。
 攻撃に関していえば、澤の攻撃参加、大儀見のポストプレー、そして川澄の突破などは随所で見られましたし、決定機もありました。しかし何かが噛み合い切らないと言うのかな・・・・宮間もフリーキック以外、流れの中でのプレーにやや精彩を欠いていたのが気になりました。
 それでも後半2失点を喫した後、すぐに大儀見のゴールで追撃。その後は一進一退の攻防が続き、佐々木監督も勝負所で鮫島を下げて岩渕選手を入れて前線を活性化。鮫島が下がったことで3バックとなり、前線に人数をかけて、前からのプレッシングを強めることで高い位置からも積極的にボールを奪いにいきました。
 そして、これが相手最終ラインのトラップミスを誘い、岩渕の決定機を呼び込みます。もしかしたら、これはこの試合最大のハイライトだったのかもしれません。ドリブルで持ち込み、GKホープ・ソロとの1対1。
 岩渕選手はたぶんソロが先に動くのを待っていたと思いますが、そこは老獪なソロ。ギリギリまで動かず、結果的には岩渕がシュートを打たされた格好になったように思います。甘いコースのシュートをソロがセーブし、アメリカは最大のピンチを乗り切りました。そしてロスタイム2分をしのぎ、タイムアップ。アメリカが去年のW杯の雪辱を果たし、なでしこは準優勝となりました。
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 銀メダルという結果をどう受け止めるのか。
人それぞれあると思います。負けは負けですし、金メダルを狙っていて持ってかえれなかったのだから、批判の声もあるかもしれません。それに試合内容やモロモロに目を向ければ、反省点を指摘したくなる部分も多々あります。
 それでも、僕個人としては褒め称えたい銀メダルです。
まず昨年のW杯優勝によりなでしこジャパンを取り巻く環境は大きく変わりました。それこそ、彼女たちが勘違いして、天狗になってもおかしくないぐらい持ち上げ方をされました。今回の五輪も、気づいたらどこか優勝して当然、のような危険な空気が世間にはありました。彼女たちが受けたそのプレッシャーは、かつてないほどだったはず。
 ピッチ内でも同じです。W杯チャンピオンとして、対戦相手からは徹底的にマークされます。日本のサッカー界は今までそういう立ち位置で世界大会に臨んだことがありません。正直、ベスト8ぐらいでコロッと負ける可能性もあるんじゃないか?とも思っていました。
 そんな中でも、彼女たちは決勝まで勝ち進んだ。決してすばらしいサッカーをしてわけではないですが、とにかくしぶとく勝ち進んだ。このたくましさが素晴らしかった。
 もちろん金メダルを取れなかったのは残念ですよ。
でも04年のアテネはベスト8、08年の北京でベスト4、そして今回は銀メダル。00年のシドニーにいたっては五輪出場権を逃している国です。右肩上がりの成長をしている証拠で、十分に立派だと思います。
 それに、確実にチームが進化していたことも評価したい。
というのも、去年のW杯でアメリカにPK戦の末に勝ちましたが、実力的には、10回対戦しても、1、2回勝てるかどうかというぐらい、圧倒的な力の差があると感じました。しかし今回は10回対戦したら、4回ぐらいは勝てるんじゃないか、ぐらいの感覚になっていたからです。負けたけど、去年よりも王者・アメリカとの差は去年よりも確実に縮まっているようにも感じました。だから、評価したいです。
まだまだ書きたいことはありますが、長くなったので、このへんで。
 早起きした人、眠い目をこすって試合を見た人、おつかれさまでした。
 男子の3位決定戦も期待しましょう。
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