ナビスコカップ鳥栖戦雑感。


 ナビスコカップ鳥栖戦。
1-2での敗戦。カップ戦ですが、今季初黒星となりました。現地取材ではなく、テレビ観戦ですが、エルゴラの原稿もないので、感じたことなどをツラツラと書いてみようと思います。
 システムは〔4-4-2〕。先発6人を入れ替えました。ターンオーバーと言ってよいかと思います。
        小林  レナト
   楠神             田坂
        稲本  柴崎
森下      伊藤  ジェシ   田中裕
          安藤
 見どころはいろいろありますが、個人的には、小林選手とレナトの2トップ、そして最終ラインの連係に注目していました。あとはGK安藤選手のプレーを公式戦で見るのもひさびさなので、そこも楽しみでした。
 ここ2試合の反省を生かしてか、前半のゲームの入り方はよかったんですよね。
序盤は、レナトの仕掛けもよく効いていたこともあり、しっかり主導権を握れていました。ボランチとCBの4人からいいボール回しをして、相手のプレスをいなしながら、後ろからもうまく攻撃のリズムを作れていました。
攻撃面では、相変わらずレナトの個人技による突破が目立ちましたが、チームとしては左サイドを起点にした大きな展開からチャンスを作っていました。
30分の楠神選手からのサイドチェンジを受けた小林選手が切り返してのシュートや、42分の左SB・森下選手のフィードから小林選手のポストプレーに走りこんだ田坂選手がシュートした場面ですね。特に森下選手のフィードは、ドリブルからのカットインが得意な小宮山選手との違いをしっかり出していたと思います。
気になったのは、2トップの小林選手とレナトの連係があまり噛み合ってなかったことかな。
 守備面もまずまず。前半は、決定的なピンチも少なかったと思います。
印象に残っているのが、28分に柴崎選手が自陣でボールロストをしてショートカウンターを喰らった場面での森下選手の判断力かな。中央でボールを失って攻め込まれた瞬間、左サイドにいた森下選手が猛然と中央のボールホルダーにタックルをしかけて、見事にピンチの芽を刈り取ったんです。
自分のマークとエリアを捨ててボールにいく、勇気ある決断でした。この危機察知能力は素晴らしかったですね。あとは、何度か背後を狙われたボールや抜け出しそうな相手をジェシがしっかり対応してました。
 問題は、後半です。
47分の田坂選手のミドルは惜しかったですね。楠神選手のカウンターから攻め込み、狙い済ましたシュートを放ちましたが、惜しくもポストに弾かれました。これが入っていれば、その後の試合展開は全然違っていたと思います。
 後半に感じたのが、レナトが相手に封じ込められたことですね。鳥栖の守備陣のレナト対策はこうでした。最初はボールをトラップする瞬間に後ろから寄せて、レナトに前を向かせないように密着して守る。すると相手を背負いながらボールをキープしようとするので、その間にボランチが素早くプレスバックする。つまり、2人ないし3人が前後から挟み込むような形でレナトを押さえ込んできました。
 それだけ人数をかけてくるならば、彼らが寄せてくるのを逆手に取って、フリックして相手をはずしてワンツーで打開などの工夫を見せればいいのですが、まだ周囲との連係が十分ではないためか、そういう選択はできていなかった印象です。
もちろん味方がレナトのサポートに入って、彼のパスコースを増やす動きをすればいいのですが、ここで効いてきたのが連戦になっている選手がいたこと。中二日ということで、後半は運動量が落ち始め、パスを預けたあとのサポートになかなか駆けつけられません。こうなると厳しいですよね。レナトの「キープ力がある」という特徴も、ただ単に「球離れが悪い」だけになってしまいますから。
 そして52分に失点。
左サイドを完全に崩されて、ジェシも左に引っ張り出され、最後は中央で合わされてネットを揺らされました。さらにその10分後には、中央でのこぼれを拾われ、縦パス一本で崩され2失点目。どちらも見事に崩された形です。
 ここからどう反撃していくのかに注目していましたが、得点して息を吹き返した鳥栖が、持ち味のアグレッシブなプレスを強烈にかけてきて、それを受けてしまい、なかなかうまくいきません。プレスをいなせず後方からのロングボールが多くなり、しかも今日のフロンターレの前線に高さはないため、それをことごとく相手に跳ね返されました。
ならば地上戦かと、人数をかけたショートパスをつないで崩そうとしてチーム全体が前がかりになると、その代償として前に出ていったサイドバックの裏のスペースを縦一本のロングボールで狙われ始め、ジェシがサイドのカバーに奔走する姿も目立ちました。これは去年に何度も見続けた苦しい形でもあります。
 相馬監督も山瀬選手、矢島選手、小松選手と投入し、最後はかなりスクランブル体制で猛攻をかけましたが、結局、矢島選手のゴールで1点を返すのが精一杯。安藤選手の公式戦不敗記録も11試合でストップしてしまいましたね。安藤選手、後半に2回ぐらいロングスローでカウンターを狙っていましたな。
 ターンオーバーによるこのテストは、苦い結果になってしまいました。
ですが結果は結果として受け止めて、今後の内容改善に努めていくしかありません。守備陣の連係はリーグ戦のメンバーに戻せば問題ないと思いますが、攻撃面は何らかの改善策を求めたいところです。特にレナトは、今後も厳しいマークにあうはずですし。
・・・・とまぁ、テレビ観戦だとモヤモヤしてしまい、つい長々と書いてしまいましたがこのへんで。
僕も気持ちを切り替えて、セレッソ戦に向けた取材をしていこうと思います。
ではでは。

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