39分の再開試合。

 昨日は、ノジマフットボールパークでノジマステラ神奈川対スフィーダ世田谷の「39分の再開試合」を取材。
 朝はフロンターレの練習取材で麻生に。
09年に鹿島との「16分の再開試合」を経験している憲剛選手にそのときの話もちょっと聞かせてもらったりもしました。「最初のセットプレーで、テセがマークを外されてさ・・」と当時の懐かしい話も少々。
 夕方まで新百合ケ丘駅周辺のカフェでモロモロの原稿仕事をしてから向かいました。ノジマフットボールパークの最寄り駅は、相模線の相武台下駅。無人改札口を降りると、コンビニもファーストフードショップなどの商店街が皆無で、しかも周辺は真っ暗。「・・・え?」と、久々に焦りました。駅に周辺案内すらなかったのですが、ノジマフットボールパークが建っているとおぼしき方向の遥か彼方に、なんかナイター設備のあるスポーツ施設っぽい明かりが見えたので、それを頼りに歩いて向かいました。
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こんな感じです。
田んぼを横目に通って歩いたわけですが、街灯もなくて真っ暗だから、すげぇ心細かったです。そして歩くこと、15分ぐらい。たどり着いたノジマフットボールパークはとてもしっかりとした設備でした。選手はみなここで練習しているんですね。いい環境です。
 前日に突然発表された平日のナイターゲーム。
普段、選手は仕事をしていますから、都合をつけるのに大変だったみたいです。再開試合ですから、中断する前と同じメンバーでスタートしなくてはなりません。しかし臼井選手が仕事で間に合わず、代わりに岡田選手が出場することになりました。彼女達はプロではなく、みな平日は仕事をしながらサッカーを続けている事実をあらためて感じました。
 選手だけはなく、サポーターも同様です。入れ替え戦出場が決まる重要な一戦。「39分の試合」を見る為に駆けつけていました。
試合の方は東京偉蹴のコラムで詳しく触れたいと思います。
ただのっけから、攻める方はロングボールによるパワープレーで、守る方は全速力でのハイプレスだったので、実に見応えがある応酬でした。こんな全力サッカー、なかなか見れないですからね。後半25分にスフィーダの10番・薄田春果選手のゴールで3-0となり、勝利を決定づけました。これでホっとしました。
 そしてこのまま勝利。リーグ戦1試合を残して、スフィーダのなでしこリーグ9位との入れ替え戦出場が決まりました。
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 試合後に選手、スタッフが並んでサポーターの前で挨拶する際、川邉監督不在に気づかぬまま麻里菜主将が話し始めてしまい、「おい、待てよー」と言いながら監督が走ってくるなんて一幕も・笑。試合後、監督にその話題を振ったら、「麻里菜はそういうところあるんだよー」と笑ってました。
 スフィーダ世田谷に関わるみなさん、ひとまずおめでとうございます!
 決戦の入れ替え戦は11月です。... 記事を読む

走る味方の足元に合わせるパスとは?

昨日予告した通り、フットボールチャンネルに広島戦の原稿が掲載されました。
川崎はなぜ密集地帯を攻略できるのか? 広島戦に見る風間イズムの浸透
読み応えあると思いますんで、どうぞ。
 ちなみにこの原稿では「スペースへのスルーパス」と「走る味方の足元に合わせるパス」の違いについて触れておいたのですが、一見似てるので、なかなか認識してもらえないことも多いです。「走る味方の足元に合わせるパス」と言っても、「いや、だからそれはスペースへのスルーパスと同じじゃん」と言われてしまいます。
 なので「走る味方の足元に合わせるパス」の実例をひとつ。
 
 最近、憲剛選手に話を聞いたとき、個人的に一番気に入っているのは、ホーム鹿島戦の後半、大久保選手が決めたゴールの崩しだそうです。左サイドのスローインからエリア付近で受けた憲剛選手が高い位置で起点となり、縦にパス。走り込んでコントロールしたレナトがエリア内をえぐって折り返し、それを大久保選手が流し込んだ形でした。
 この場面の憲剛選手は走り出すレナトの足元に絶妙なコントロールでパスを届けています。あれがまさに「走る味方の足元に合わせるパス」ですね。憲剛選手いわく、「あのタイミングであそこに出せた自分に気持ち悪かったぐらい。あの試合はもうあれで満足だよ」とのこと。あの場面だけをもう何十回も見返したぐらい気に入っているそうです・笑。
 フロンターレはペナルティエリアの中の崩しで、よくこの走り出す味方の足元に届けるパスを狙っています。守る人が何人いようとも、出し手と受け手の関係だけでエリア内で崩してしまえますからね。リーグ戦でアウェイ仙台戦で、憲剛選手のパスに、走るレナトがダイレクトで決めたゴールもそうでした。ああいった崩しの関係に注目してみるといいかもしれません。
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 日曜日は、駒沢でスフィーダ世田谷対ASエルフェン狭山戦を取材してきました。
 勝てばなでしこリーグの復帰が決まる狭山。戦力は1部のクラブ並みです。なにせ2部リーグに在籍するクラブながら、GK山郷のぞみ選手、FW荒川恵理子選手の元なでしこジャパンメンバー、そして現役のなでしこジャパンメンバーである大野忍選手がいるのですから。
 
 前半はスフィーダノ健闘が光りました。
荒川選手に先制はされたものの、特に臼井選手と田中麻里菜選手のセンターバックコンビの出来が素晴らしく、荒川選手に入るボールに対する積極的なチャレンジ&カバーで仕事を制限。大野選手に対しても、前を向いてドリブルをさせないように対応が出来ていました。
 そして左サイドからのクロスに、得点王・森仁美選手のゴールで同点。そこからはサイドを起点にした攻撃で主導権を奪い返して決定機を作ったのですが、逆転とはいかず・・・逆に後半になると、スフィーダの足が止まり、終始防戦一方。2点を奪われて1-3で敗戦となりました。前半で逆転できていたら・・というのはありますが、試合全体を見ると、力負けだったと思います。
 勝った狭山は、これでなでしこリーグ復帰が決定しました。負けた3位のスフィーダは入れ替え戦出場に望みをつなぎます。
・ ・・実は昨日、先週、後半6分で試合中断になっていたノジマステラ神奈川戦との再開試合が本日開催されると発表されました。
残り39分、スフィーダの2-0のリードからスタートとのことです。
 
プレナスチャレンジリーグ2013第20節再試合のお知らせ 
川邊監督も気合いが入っている模様です。そりゃそうでしょう。3位のスフィーダは、この試合に勝てば入れ替え戦出場が決まるというシチュエーションなんですから。しかし再開試合でそれが決まるとは・・・運命の90分ならぬ、運命の39分になりそうです。しびれますね。... 記事を読む

等々力取材〜ボールは大事なものだから。

 サンフレッチェ広島戦は2-0で勝利。
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 完勝だったと思います。
思えば、風間監督にとって等々力での初陣で完敗した相手が広島でした。あれから約1年半。あのときは全くと言っていいほど歯が立たなかったリーグチャンピオン相手に対して、自分たちのサッカーを確立した上で勝つことができました。風間監督のもとでチームが力強く成長していること、そしてその方向性が間違っていないことを示した試合だったのではないでしょうか。
・・・とまぁ、書きたいことは盛りだくさんあったので、この広島戦の詳細に関しては、フットボールチャンネルで原稿を書かせてもらいました。書きたかったことをほぼ全部書きましたし、どこよりも読み応えあるマッチレポートになった自負もあります。近日中に掲載されると思いますので、お楽しみに。
「風間サッカーとはなんぞや」みたいなことをいまだに聞かれることがあるのですが、風間監督が選手に求めている約束事は、「ボールを失わないこと」、そして「ゴールに向かうこと」だけです。これは練習初日から全く変わっていないんですよね。
 それが技術的、意識的にも選手に浸透したことで、自陣で[5-4-1]で守る広島のような相手からも完全に崩して点を取れるようになってきました。広島の守備は鉄壁ですが、あれだけスペースがない狭いエリアであっても、相手の逆を取りながらボールを受けることでプレッシャーをもろともせずにサッカーをしてしまったわけです。「止める」、「蹴る」を追求し、それをチーム戦術として機能させてしまったのですから、恐れ入ります。それが体現できている試合は、だいぶ面白いサッカーになってきたんじゃないでしょうか。
「ボールを大事にする」という点に関していえば、広島戦ではこんな場面がありました。
 前半の29分のことです。
フロンターレが右サイドのタッチライン際での何気ないパス交換をしていたところ、バックパスを佐藤寿人選手に狙われて、ボールを失った場面があったんです。このパスの出し手だったのは、中盤に下がっていた大久保選手でした。
 次の瞬間、彼はどうしたかというと、物凄い勢いでボールを奪い返しにいったんですよ。結局、逆サイドにいる左サイドのファンソッコを全力で追いかけて行って、ペナルティエリア前まで戻って守りました。絶対にボールを失ってはいけない場面でのミスだったのは確かですが、ボールを取られた後のあの責任感は「さすがだな」と感服した次第です。

「本物のトッププレイヤーからボールを奪うのはそれほど難しくない。でも、奪った後が怖い。どんなことをしても取り返してくるから」

 あの場面を見て、風間監督の著書「日本サッカーを救う超戦術」にそう書いてあったのを思い出しました・笑。ボールは大事なもの。だからこそ、大事なものを奪われたら、殺気立って取り返すわけです。この試合は珍しくゴールがなかったため、試合後のミックスゾーンに現れたときも、「今日は何もないっすよ」と笑ってましたが、実はゴール以外のプレーもなかなか見応えがありますよ。
 ミックスゾーンではもうひとつ。
試合後、稲本選手を取材していると、「チームの成長の証」というフレーズを使っていました。そこで「去年、風間監督で最初の試合が広島で、そのときと比べたときのチームの成長というのは…」と質問を切り出したところ、かなり食い気味に「いや、あのときはセンターバックだったから!あれ以来、やってないし!」と笑って即答してくれました・・・・やっぱり、気にしていたんすね・笑。
 リーグ戦は残り9試合となりました。ナビスコカップもまだ残ってますし、シーズン終盤は楽しみが残っているというのはいいものです(天皇杯も)。
 あと最近は、ファイフロ出演効果で、サポーターに声をかけてもらう機会がとても増えました。ありがとうございます。「握手してください」的なのは、遠慮なくどうぞ・笑。
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 最近、風間監督の著作をまた読み返しています。今読むと、以前読んだときとはまた違った発見があったりしますよ。
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等々力取材〜天皇杯高知大戦ことユウキ・サネトウのメモリアルマッチ。

 天皇杯2回戦・高知大学戦。3-1で勝利。
フロンパークがなく、スタジアム周辺の閑散とした雰囲気も、場内にかかるBGMも、試合前の盛り上がりもいつもと違う牧歌的な感じの等々力は、やはりいつもとは違いますね。
 週末に広島戦を控えていることもあり、風間監督は完全ターンオーバーを敷いてきました。試合前日練習の紅白戦では、普通にAチームとBチームを分けて行っていたので、もしかして3連戦なのにバリバリの主力でいくのかと一瞬思いましたが、さすがにそれはなく、そのためベンチに座っている顔ぶれが豪華でした。
 試合に関して言えば、「最低限の結果を残した試合でした」という感じです。開始10分、アランのPKで先制していい入り方をしながら、前半のうちで試合を決めることができなかったのが、後半の「ヒヤ汗」につながりました。
 正直、アランと森谷選手のコンビネーションからしか攻撃の手だてがなくなっていたので、同点の時間帯が長く続いたら、大久保選手、憲剛選手、レナトの誰かを引っぱり出される展開もあったかもしれません。ただセットプレーから棗選手打点の高いヘディングでなんとか勝ち越し。棗選手のヘディングの場面、味方は折り返しを予想していたそうですが、そのまま入りました。相変わらず打点が高く、滞空時間も長かったですね。彼のあのヘディングはやはり非凡なものがあると思います。
 内容が良いに越したことはないですし、課題を見いだそうとすればたくさん指摘できる試合ではありました。ただそこを厳しく求めるような位置づけの試合ではなかったと思いますし、勝ったことを嘉人しましょう。いや、良しとしましょう。
・・・と言いますか、この日は試合内容うんぬんよりも、やはり實藤友紀の話題に尽きると思います。ユウキ・サネトウのメモリアルマッチでしたから。
 母校との対戦となった實藤選手。試合前のスタメンでアナウンスされると、高知大のゴール裏からも大拍手、試合後にもサネトウコールとチャントが鳴り響いていました。スターやね。
あらためて思いましたけど、Jリーガーという存在は、サッカーをしている者からすると選ばれた人しかなることのできないヒーローなんですよね。普段、Jリーグの試合ばかり観たり、取材していたらついつい忘れてしまいがちになりますけど。
 試合後は、後輩を引き連れて場内を一周していました。サネに聞くと、「ひとりで挨拶してもさみしかったので、一緒に回って挨拶しようと思い自分から呼びました(笑)」とのこと。このときの等々力の雰囲気は、プロ同士の公式戦にはない温かい光景だったと思います。
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そして取材後は、先週に続き、ファイフロのVTR収録。
江藤さんとのコンビでまた登場させてもらうことになりました。短い時間ですが、週末の広島戦の展望を語っております。収録は奇跡の一発OKで、撮影後にはきむっちこと木村朱美ちゃんから「凄いですね~。わたしなんて、半年もやっているのに!」と驚かれてしまいました。ただのまぐれだと思いますが。もしよければ観てやってください。... 記事を読む

サッカー批評『サッカーメディアを疑え」とTVブロス。

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 天皇杯の取材に出かけようとしたら、自宅のポストにサッカー批評の最新号が届いておりました。ありがとうございます。今回のテーマは「サッカーメディアを疑え」。サッカーの現場取材をしているものとして興味深いです。楽しみに読みます。
 そしてもう一冊。
TVブロスが「あまちゃん」総特集でした。クライマックスが近いですからね。
「寿司屋の大将の梅さんがピエール瀧なのは、やはりど根性ガエルに出てくる寿司屋の梅さんから来ていて、ただクドカンは小池徹平の役名がど根性ガエルの主人公と同じヒロシなことに頭が回らず、ピョン吉のTシャツを着せなかったことに本気で悔やんでいた」とかネタが濃いです・笑。
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等々力劇場のスイッチはいつ入った?

 本日は麻生取材に。
明日は天皇杯・高知大戦に向けて取材してきました。なかなか楽しみなメンバーになりそうです。
 さて、ここではあらためて先日の浦和戦のこぼれ話を。
2点差をひっくり返し、まさに”等々力劇場”という試合だったのですが、後半のどのタイミングでぐあーっと、劇場のスイッチが入ったと感じたのか。今日の練習後、憲剛選手に聞いてみました。
「一点入ってからかな・・・あと、CKで盛り上げたとき!久々にあそこに向かって行くときの盛り上がりが凄かった」

 確かに、一点返した直後のイケイケの時間、CKに向かっていく憲剛選手が煽ったときの盛り上がりは等々力が沸騰してました。ただ、こんなこともチラリと。
 「実は『煽るわりには、盛り上げたときのCK(のボール)がよくないよね』とサポーターに言われているから(笑)。でも、あのときは『これはいけるわ!』と思ったね」
 密かに気にしていたのね・・・ただ、あのCKでは、飛び込んだジェシのヘディングがポストとバーのジョイント部分ぐらいに当たったんですよ。あれは惜しかった!
 あとこの試合では、ジェシがサポーターを煽って湧かせる場面もありましたね。憲剛選手もこれは大歓迎なようです。
「誰が煽ってもいいんだよ。ジェシだけじゃなく、ヨシトでもレナトでもノボリでも・・だから、俺じゃない方がいいんじゃない?俺だと、『またやってるよ』っていう感じがあるかもしれないし(笑)」
確かに、憲剛選手以外のバージョンもたまには見たいですね。ただし、最後に憲剛選手が一言。
「・・・ヒロキさんがやったら、ヤバイでしょ(笑)」

・・・確かに。サポーター、ビックリするね。
ここで一句。
一度で良いから見てみたい 伊藤宏樹が煽るとこ

ごう丸でした。... 記事を読む

等々力取材(ナビスコ浦和戦)〜大久保、半端ねぇよ。

 いやはや、凄かったですね。
 何がって、大久保嘉人のスーパーミドルですよ。
僕のいる記者席からだと、ゴールネットに突き刺さるまでの弾道が、とても奇麗に見えました。あれはしびれましたね。というのも、あの位置から切り込んで打っても、Jリーグの試合の場合、まず上にふかしますから、そういう弾道を予想してしまうんですよ。それだけに一直線にネットに突き刺したあのミドル・・・自分だったら、「大久保、半端ねぇよーー」って、試合後のロッカールームで泣き叫んでいると思います。
 試合後、憲剛選手が「システム好きな人は楽しめる90分だったと思う」と言っていました。特に前半は、両チームのシステムを中心に分析したら、「ここの局面でこうズレて、ここが空くから・・・」となんか語りやすい感じの展開でした。
 
 まず浦和はビルドアップと陣形の取り方を変えてきました。
このブログでそこを深くは掘り下げませんが、これは過去2戦、風間監督が3バックにした”浦和シフト”を採用していることに対する対抗策でしょう。3バックの両センターバックである坪井選手と森脇選手がワイドにグググと開き、3バックの中央にいる山田選手、そしてボランチの那須選手と阿部選手が最終ラインに降りてビルドアップする形を取りました。いつもと勝手が違うことで、フロンターレの採用した3バックの構造では、守備で思うようにハメこむことができませんでした。
 さらにこの日の浦和は、後ろでボールを保持しても、攻撃のスイッチとなる縦パスが入れることができないようならば、決して無理をせず、フロンターレの守備組織に綻びが出来るまで何度も何度も後ろでボールを回してました。将棋には「開戦の合図は歩の突捨て」なんていう格言があるのですが、将棋で言う手番を握っているときの浦和は、なかなか歩を突いてきませんでした。浦和が持ったときはスローペースになり、そのテンポに合わせてしまった前半でした。
 これで終われば悪くなかったのですが、ハーフタイム直前、がまさに浦和が狙っていた形で崩されて失点。ネジを締め直した後半の立ち上がりにもCKから追加点を許したのですから、本当に苦しい試合展開でした。
 ただ、ここからの巻き返しがすごかったですね。
4バックへのシステム変更からのサイド攻撃、途中交代で入った森谷選手の活躍など、試合の流れを変えたポイントはたくさん語れます。ただ個人的には、そんなことよりも、2失点してからのジェシがピッチ上で見せ始めた、なんとかしようとするパッションに心を動かされました。その必死な姿を見て、ここで負けるわけにいかない理由が彼にはあったことを思い出しました。バーを叩いたCKからのヘディング弾、コアゾーンの逆側にいるサポーターゾーンを盛り上げる煽りで等々力の一体感を出し、なにより絶対に勝つという気持ち・・・チームに魂を注入する彼の存在の大きさを改めて感じました。
 ジェシの気持ちに引っ張られるように、全員が絶対に勝つという気持ちを最後まで切らしませんでした。極めつけは、ロスタイムです。CKのこぼれ球に対して、田中裕介選手が見せたスライディングタックルでの魂のシュートブロック。跳ね返ったボールがパンクしたほどの気合いでした。ラストプレーで絶好機を外した憲剛選手は、その場に倒れ込むほど悔しがってましたが、手に汗握る試合でしたわ。
 決勝・国立まであと1勝です。
ミックスゾーンで伊藤宏樹選手にタイトルへの思いを聞くと、「自分たちは銀メダルホルダーですから。フロンターレの悲願でもあるし・・・」と静かに口にしていました。
・・・・伊藤宏樹選手がナビスコカップを掲げる姿、見たいですね。
 記者会見を終えてミックスゾーンに向かっていたら、客出しの曲として「潮騒のメモリー」が流れてました。癒されますねー。歌っているのが、天野春子ではなく天野春果だったら、なお良かったのですが・笑。たぶん鈴鹿ひろ美バージョンよりは上手い気がする。
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祝・ファイフロ出演。

毎週見ているTVKの「ファイト!川崎フロンターレ(通称:ファイフロ)」に番記者として出演させてもらいました。
かっこ良く紹介していただき、感謝です。
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 将棋系サッカーライターです!番組では将棋的なテイスト皆無でしたが。
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見てくれた方々、ありがとうっす。
サッカーと将棋の漫画「ナリキン!」です。3巻の巻末に僕も出てます。
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