グレアム・ポール氏のインタビュー。

 5月2日のデイリーFoot!で興味深い内容がありました。
それは、プレミアリーグのレフェリーを引退後、現在解説者を努めているグレアム・ポール氏のインタビュー。
いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
 選手や監督経験者が解説者になることは多いですが、レフェリー出身の解説者と言うのは珍しいと思います。少なくとも日本にはいませんよね。インタビュアーは西岡さんでした。インタビューを聞いていると、そこに彼なりの使命感があるように感じました。
「レフェリーはマスコミに顔を出すことがないので、批判されることが多くても、それに反論することができません。ですから、レフェリーは負けたチームの監督の逃げ道にされやすいのです。私はそれが間違っていると思う、マスコミの立場からレフェリーの考えていることを伝えようと思いました。」
 マスコミの立場からレフェリーの考えていることを伝えるという、解説者としての彼のスタンスも明かしていました。

「もしも誤審があったら、擁護しても意味はありません。明らかなミスなのに”彼は間違っていない”というのはバカげています。ですから、ミスを認めたうえで”ポジショニングがずれていたから誤審につながった”とか、”別のプレイを見ようとしてPkシーンのときには視界が限られていた”などと説明するのです」

 判定を巡る議論のとき、僕らはカメラ視点の映像をスローでリプレイで見て「正当か否か」を判断しがちです。そうではなくて、状況を理解することが大事なのだと。レフェリーからはどう見えていたのか。そのポジショニングを確認して、どう見えて下した判断だったのか。そしてそのポジショニングは適切だったのかどうか。そういう議論をした上で、主審の判定の是非を語ることも必要なのだと。確かに、そういう視点で試合を解説してもらえると、見ているほうもジャッジに対する認識が向上できますよね。なるほどな、と思いました。
 Jリーグでも主審のジャッジに関する議論はたびたび起こります。
それは歓迎すべきことだと思いますが、同時に自分も含めて、サッカーを見る側も観戦眼を高めていかねばなりません。たまにルールも把握し切れずに主審を批判している意見なんかを見かけると・・・ねぇ。
審判を巡るDVDや書籍では映画「レフェリー」と家本さんの本をお勧めしておきます。
レフェリー 知られざるサッカーの舞台裏 [DVD]/ハワード・ウェブ

¥3,990
Amazon.co.jp
主審告白/家本政明

¥1,575
Amazon.co.jp... 記事を読む

THIS IS KENGO

 今日のエルゴラ。
おかげさまで表紙からの見開きです。
$いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
 すごい試合でしたね。4-3の乱打戦。
後半、田中裕介選手のゴールが決まって3-0になって、「よし、決まった」と思っていたら、そこからさらに試合が動く、動く。エルゴラは即上げ原稿だったので、終盤にあれだけ激しく試合が動かれると、そのたびに採点寸評やマッチレポートを書き直さねばならず、記者席で焦りまくりました。見ているほうはスリリングで端子いですが、即上げのときに一番勘弁して欲しい展開でした・笑。
 ロスタイムに阿部吉朗選手に決められて1点差にされたときは、さすがに固まりましたよ。ホントに勝ってよかった。ただ西部選手のPkセーブがなかったら、どうなっていたことやら・・・とかいろいろあり過ぎて総括できないっす。というか、阿部選手には10年に湘南で、去年は甲府で、そして今年は磐田で、と等々力では3年連続でゴールを決められてるんですね。
 しかしケンゴ選手のあの矢島選手へのスルーパスは美しかったな。
試合後、本人も「ああいうスルーパスをずっと出したかった」と言ってましたが、ホント「THIS IS KENGO」でした。あれだけでご飯3杯はいけますよ。
 もっとも、あのプレーはケンゴ選手だけではなく、受け手の矢島選手が感じてくれていないと成立しません。
 受け手は相手の背後を突いて動き出す駆け引きをする。出し手はその瞬間を見逃さないために、そのパスを出せる位置に寸分の狂いもなくボールを置くことに強くこだわる。そしてそれが成立すれば、勝負あり。
 言ってしまえはこれだけの関係なのですが、風間監督の練習ではそこを徹底的に要求されますからね。ケンゴ選手でさえ、代表から合流した二日目の練習前、風間監督から「まだ無駄が多い」と言われて、いろいろとトラップやターンの仕方について、レクチャーを受ける場面があったほどです。
 そして約一週間後の昨日には、あのスルーパスでの美しいゴール。
「あのゴールに関しては、ほぼ無駄がなかったと思う」とまでケンゴ選手は言い切っていましたが、選手が見える世界も変わり始めているようです。「練習どおりでビックリした」とケンゴ選手。普段の練習の成果がこれだけ試合に現れるのだから、選手だけではなく、それを見ている記者としても、これからが楽しみです。
最近、風間監督の本ばかり紹介していたので、今回はケンゴ選手の本を紹介。
ケンゴ選手のプレーを自らが解説した本。図解つきですし、プレーを選択した意図がよくわかります。
中村憲剛のスルーパスの極意 (トップアスリートKAMIWAZAプレミアム)/中村 憲剛

¥1,575
Amazon.co.jp
自らのゴールを映像解説するだけではなく、プレー中の視界を映像で解析してるすごいDVD.
Kengo 14 2003-2010 [DVD]/中村憲剛

¥4,500
Amazon.co.jp... 記事を読む