最近読んだ本:佐藤秀峰の「漫画貧乏」。

最近読んだ本。
「漫画貧乏」
いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
 漫画「海猿」、「ブラックジャックによろしく」などの作者で知られる佐藤秀峰さんによる著書。
漫画とお金の話、そして出版社との関係(確執)を赤裸々に明かしています。週刊連載をしている売れっ子でさえ原稿料だけでは赤字で、単行本が売れないと食えないという漫画家の現実。なかなか衝撃的な内容です。そして現在運営している「漫画 on web」までの道のりも綴っています。
 
 紙メディアの衰退が叫ばれて久しいですが、漫画も例外ではありません。
まず電車で移動していて周りの人を観察したら、漫画雑誌を読んでいる人はかなり少なくなっていることに気づきます。じゃあ、みんな何をしてるか?ケータイなんですよね。メール打ったり、ネットしたり、ゲームをしたり、ツイッターをしていたり・・・・すっかりツールが取って代わられています。
 それに伴い、漫画の読み方自体も少し変わりつつあるのかもしれません。
移動中に気軽に読むわけではない。だから雑誌に掲載しているときは読まずに、単行本になってからじっくり読む派も多くなっていますし、それこそ雑誌や単行本は漫画喫茶で済ます人も珍しくありません。そうなるとますます漫画雑誌は売れなくなる。だからといって、webや電子書籍に対応すれば、気軽に読んでもらえるかというと、それもまだまだわからないですよね。iphoneで漫画を読むことは僕もありますが、拡大できるとはいえ、やはり少し読みにくいですから。
なお本のなかでは、連載時の原稿料がいくらで・・・経費はこのぐらいかかるなどなど、かなり生々しい金額も書いてあります。告発本に近い内容といってもいいのかもしれませんね。
 人気漫画家が自身の体験を引き合いに出しながら漫画業界に対する問題提起をしている一冊・・・いろいろ考えさせられますよ。
漫画貧乏/佐藤 秀峰

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書評:風間八宏の「1対21」のサッカー原論。

 どうも。サッカー本ソムリエ・いしかわごうです。
今回は、風間八宏監督の著書、「1対21」のサッカー原論を紹介します。
$いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
 まずは、この「1対21」というタイトルについて。
サッカーは11対11で行うスポーツなのに、なぜ1対21なのか。それは仲間の10人とともに自分はどう動きべきか。そして敵の11人に対していかに攻撃を仕掛けるのか。そういう1人のサッカー選手として意識すべき「個人戦術」にフォーカスした内容だからです。副題にあるように「個人力」を引き出す重要性について説いてます。
 実は風間監督の就任当初に予習もかねて読み終えたのですが、この書評を書くためにもう一度読み直してみたら、普段の練習を見ていた分、かなり理解度が変わりますね。「あぁ、この本で言っていたのはそういうことだったのか」とリンクしていて参考になる部分が多いです。
 例えば、第1章で語っている「考える力」。
考える力を養うには何が必要なのか。風間監督は「考えるための作業をする前に、いつも周囲を見て情報を集めておく習慣が大事」と選手に言っています。具体的には、「ボールがないときにまわりの状況を見ていること」であり「次にボールがきたときにどう動くべきか意識しておくこと」です。
 実際、ある日のゲーム練習中、トラップしてからパスコースを探した若手選手に厳しく指導をしたことがありました。
風間監督は「ボールをもらってから探すな。探すぐらいなら、すぐに味方に預けて、もう一度もらい直せ。そのボールを動かしている間に、周囲を見てどう動きか考えておくんだ」と、一連のプレーを実戦しながらアドバイスしていました。つまり、何の目的も意思もなくボールを受けるな、ということです。そしてそういう場面では、具体的にどういう対処法を持っておくべきなのか。こういうことを日々習慣づけておくことでボールの動かし方もスムーズになっていくのでしょうな。
 技術に重心をおいて解説していることも特長ですね。
「止める」「蹴る」といった技術について、図解入りでかなり細かく解説しています。
 「敵を外す動き」についても説明しています。
ゴール前では「マークがついていたら、パスを出すコースがない」と言われがちですが、「スペースではなく、マークがついているほうがチャンスが作れる。そのマークを外せばフリーになれるから」と、逆手に取る考え方でゴールを狙うのが風間監督の指導です。
「サッカーでは、場所(スペース)がないときはありますが、敵がいないことは絶対にありません。ですから、敵の数だけ、その敵から少しだけ味方が離れることで、攻撃の起点はいくらでも作れるというわけです」。これはハンドボールの発想に近いですよね。よくわからない人は、本を買って読んでください・笑。
 あと興味深かったのは、「力を引き出すためのポジションチェンジ」。
風間監督は稲本選手のセンターバックに始まり、田中裕介選手のボランチ、登里選手の左サイドバック、伊藤選手のボランチ、福森選手の左サイドバックなどなど、大胆ともいえるコンバートを敢行しています。取材では、その意図をあまり詳しく話してはくれないのですが、この本のなかではポジションチェンジをする意味を明かしています。
 「決まったポジションだけをやらせると、それがいつの間にかパターンになってしまいますし、自分の中で固定意識ができあがっているため、そこに戻りたがるのです。しかしそこに戻さないでやらせ続けると『自分』が出てきます。」
 「そういうことを経験すると、再び最初と同じポジションに戻したときでも、今までとはまったく違う、プレーの幅の広い選手になっていることがほとんどです。」
「勝つことを第一にしたポジションチェンジではなく、すべては『この選手はどこの場所でプレーすると、もっとうまくなるかな?』という育成の目的の元に試みるのが理想的ではないでしょうか。そのためにでしたら、試合を犠牲にするぐらい、私にとっては何の問題もありません」
 「チームが勝つためにどこに選手を配置するのかというよりも、いま以上に選手の才能を引き出すためにはどうすべきかに力を注ぐほうが、本当の意味での選手のためになるのではないかと感じています。」

 こういう風に風間監督の本を読んでいくと、今のフロンターレでやろうとしていることも読み解きやすくなりますよね。そしてコンバートした後、すぐに元のポジションに戻しているのか。少なくとも、ヒントは多いですから、参考書にはなると思います。
この中断期間に注目して読んで、風間監督のやろうとしていることを勉強してみるのもオススします。少し前の本ですし、大きい書店ではない限り、置いていないかもしれません。アマゾンで注文するのが一番早いかもしれませんね。
「 1対21 」 のサッカー原論 「 個人力 」 を引き出す発想と技術/風間 八宏

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日本サッカーを救う「超戦術」 (ベースボール・マガジン社新書)/風間八宏

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書評:風間八宏 日本サッカーを救う「超戦術」
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※サッカー本ソムリエ・いしかわごうへの献本、書評の依頼など問い合わせは go.ishikawa55@gmail.com まで気軽にどうぞ。... 記事を読む

千原ジュニアの「とはいえ、便所は宇宙である」。

最近、読んだ本。
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千原ジュニアの「とはいえ、便所は宇宙である」
雑誌『週刊SPA!』で連載中の「 すなわち、便所が宇宙である」を単行本化したシリーズの第二弾です。トイレに置いてあるというネタ帳に書いてあるフレーズを紹介している。
 内容自体はトーク番組でよく話しているネタを、文字で解説し直したような感じなのですが、その元ネタといいますか・・・・ジュニアの目の付け所であったり、彼がどういう物事を面白がろうとしているのか、そういう彼の発想が垣間見れるので、そういうところがわかってよかったかな。分厚いので、読み応えもあると思います。
そういう発想の部分を楽しんでもいいと思いますが、あと単純に会話などのネタも面白いんですよ。
 例えば、去年、足の小指を骨折したときの話。
昔、たびたびジュニアのトークのネタに登場していた帯川さん(元マネージャー)。現在は大阪の吉本にいるらしく、新幹線の移動で新大阪に来たときサポートにきてくれたそうです。ひさびさの再開となったときの2人の会話。
「ジュニアさん、元気ですか?」
「骨折やわー」
「僕、大阪で5キロやせたんですわー」
・・・・えぇっ、もうお前の話?
新幹線発車するまで骨折の話だけでいけるで。僕の骨折の話なんて、めちゃくちゃ長持ちしますよ。ガムで言うたら「ストライド」ぐらい持つわ。
「僕、大阪で7キロ太って、5キロ痩せたんです」
「いや、結果2キロ太ってるやん!」

なに、この会話・笑。
 ところどころの例えも絶妙ですね。
キャバクラで「すべらない話してよ」としつこく言われて、「もし 僕らがボクサーなら、『ちょっと私の顔面に左フック入れてよ』って言うか?」とかね。
 こういうネタが盛りだくさんです。ジュニアファンは読んでみてください。
とはいえ、便所は宇宙である/千原 ジュニア

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すなわち、便所は宇宙である/千原ジュニア

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これもジュニアの視点がよくわかる本。
うたがいの神様/千原 ジュニア

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ボクらの時代 芸とロック  ~悩みながら前に進む/斉藤 和義

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チハラトークのDVD.
チハラトーク#7 [DVD]/千原兄弟

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フロンターレ、ファン感。

 日曜日は再び等々力へ。
フロンターレのファン感謝デーの取材でした。ほぼ徹夜でエルゴラ原稿を書き終えて向かった身に、この日差しはきつかったー。
 でも、さすがフロンターレのファン感です。相変わらずのエンターテインメントぶり。開会宣言からしてパウロのハカ(←ラグビーのニュージーランド代表が、試合前によくやる儀式)ですからね。なんでハカやねん。
 会場をウロウロと取材。
フロンターレのサポーターは、家族連れだったり小さいお子さんがとても多いですね。ジェシのお子さん・カイキくんも目撃したのですが、ふわふわのアトラクションで楽しそうにしてました。
いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
 個人的なお目当ては、柴崎農園(柴崎選手の実家)フレッシュイチゴジュース。ただ開場30分後にはもう完売になってて残念。飲みたかったな。ゲストのテセ選手や風間監督のサイン会は、ものすごい行列でした。
ステージパフォーマンスは、多くを語りません・・・・伊藤宏樹オンステージって感じでしたな・笑。少女時代も、「おめーら、このためというより、普段から踊ってただろ、それ」って言いたくなるぐらいのクオリティでした。
 今回のファン感は、新体制発表同様、ニコニコ動画でも生中継していました。番組MCを井川祐輔選手と西岡明彦氏。西岡さんって大御所すぎるでしょ・笑。途中、井川選手がレポーターとしていろんなブースを中継していて、その場面にばったり出くわすと、イガちゃんに無理やりニコ生に出演させられました・・・・「ピンクの雑誌でお馴染みの・・・」、「ピンク大好き、いしかわさん」、「いつもお世話になってます」とか、エルゴラを知らない人が見たら、勘違いしそうな紹介の仕方・笑。
 最後は、風間監督の挨拶と田坂選手のサプライズ入籍報告。
ファン感初体験の風間監督は「こんなことをやっているところは、ヨーロッパのどこに行ってもない。こういったものを全て引き継いで、サッカーの方でも喜んでもらえるようなチームにして行きたい」と言っていました。相変わらず良いことをいいますね。
 そしてレネサントスの締め。レネサントスは何言ってたのかよくわからなかったけど、なんか面白かったわ。
 会場内では、「いしかわさんですか?」と僕もサポーターの方から声をかけてもらったり、サインをもとめられたりして、ちょっと恥ずかしかったです。でも、あっざーす。
最後に一枚。
ヤンフロによるドラゴンボール。
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 悟空はニコ駿、ピッコロは雄大、フリーザはパウロ、魔人ブウはコバユウ・・・魔人ブウというか、魔人ユウでしたわ。
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仙台戦。

 週末は等々力取材。
ここまでリーグ戦わずか1敗の首位・仙台を、矢島選手のロスタイム弾で逆転。ひさびさに記者席で「うぉぉぉぉぉぉーーー」ってなりましたね。
 風間チルドレン・福森選手の左足のクロスが、実に美しかった。
あのクロス、記者席からはその軌道がちょうどいい具合に見えました。本当にいいボールでしたね。ゴールが決まった後、Gゾーンに走りこんでいく矢島選手らの反対側のタッチライン側では、福森選手が「おっしゃ!」とガッツポーズして喜びをかみ締めていました。そして次の瞬間、その福森選手に後ろから強烈な体当たり(というかヒップアタック)を見舞うケンゴ選手が・笑。
試合後に福森選手に聞いたら、「何が起きたかわからなかった。完全に不意打ちでした」と笑ってました。すぐにベンチから飛び出してきたチームメートからもくちゃにされてましたね。サポーターと喜ぶ矢島選手らの輪とは逆のメイン側では、実はそんな光景になっていました。
 あと劇的な3ゴールで忘れがなのですが、先制点を挙げた小林選手のことも。
それはアシストの場面についてです。「アシストなんてしたっけ?」と思われるかもしれませんが、1失点目の富田選手の弾丸ミドルシュートの場面、実はあれは小林選手の自陣でのクリアボールが直接相手に転がって渡ってしまったものでした。
 ただ「なんであんな簡単なパスミスを?もしかして・・・」と思い、試合後に本人に「聞きづらいことなんだけど、1失点目のところって・・・」って切り出してみると、「そうなんですよーーー!!」と一言。
「間接視野で味方を捉えていて、黒っぽい服の人にパスを出したら・・・・レフェリーで。言い訳になってしまうんですが」と悔やんでました。やはり味方と審判を見間違って出したパスだったみたいです。それを審判によけられ・・・走りこんできた富田選手がズドーンでしたから。
 というのも、この日の主審は黒いパンツとストッキング。これはフロンターレと同じ配色。ユニフォームも淡いグレーで、遠くから見ると水色のフロンターレとは多少近いですよね。だから、見ているほうですら紛らわしかったんですよ。なんとかならなかったんですかね、あの配色。
 勝ったからまだ救われましたが、小林選手は1ゴールと(悲しい)1アシストになってしまいました。
 首位・仙台に劇的勝利したということもあり、エルゴラ原稿はたっぷり。
表紙もいけるかな?と思ったのですが、味スタがかなりの好ゲームだったため、見開きカラーでした。マッチレポートと3ゴールを読み解くコラム、そして風間チルドレンについてなどなど、読み応えはあると思います。
いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
ケンゴ選手の大島選手に負けない「キュートな笑顔」によるウィンク写真も・笑。
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昨日のファン感の記事もちゃんと載ってますよ。ファン感の取材こぼれ話は、後ほど書きますわ。... 記事を読む

風間チルドレン。

おはようございます。
 首位・仙台との大一番ということもあり、エルゴラのプレビューは見開きカラーっす。
$いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
プレビューでも触れましたが、けが人が非常に多い状況なので、選手の組み合わせやそれに伴うフォーメーションがどうなるのか。注目して欲しいと思います。
 コラムでは、攻撃のキーマンとして楠神選手を取り上げました。
仙台が中村ケンゴと矢島卓郎のホットラインを分断しようとしてくるのは当然のこと。そこで楠神選手がいかに潤滑油となれるか。「ワイルドだろ?」ならぬ「セクシーだろ?」とも言いたげな、彼のプレーに注目です。
 ちなみにケンゴ選手は、風間監督になってから試合に出始めた若手たちを「風間チルドレン」と命名しておりました。そういえば、昔、スケバン刑事に風間3姉妹っていたな・笑。
 まぁ、風間監督になってからチームで一番イキイキとプレーしているのは、他ならぬケンゴ選手自身のような気もしますけどね・・・・「一番の風間チルドレンはケンゴ選手じゃなかろうか」と本人に伝えてみたら、「俺?さすがにチルドレンじゃないでしょ」と苦笑いしてました。まぁ、日本代表では「長老」と呼ばれるお方ですからね。
そして今日の試合も新たな風間チルドレンが一人出場しそうな模様・・・・楽しみです。
そんな感じで見開き盛りだくさんのプレビューなので、等々力の移動中のお供にエルゴラをどうぞ。
勝って明日のファン感を迎えたいものですな。
ではでは。
風間チルドレンの父による著書。
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プロフェッショナル 仕事の流儀 岡田武史

いまさらながら、今週の「プロフェッショナル 仕事の流儀」
今年から中国リーグの杭州を率いている岡田武史監督でした。
いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
日本人プレイヤーの海外挑戦は当たり前になってきましたが、名のある日本人指導者の海外クラブ挑戦となると、まだまだ例が少ないです。日本人を指導するのとは、まったく違う難しさがあるのだと思います。その挑戦の日々に密着。チームには、10年までフロンターレにいたFW・レナチーニョがいますね。あと去年までフロンターレのGKコーチだったイッカさんも映っていました。
 日本代表監督を2回、Jリーグの監督も2回。札幌ではJ1昇格とJ1残留、横浜Fマリノス時代にはリーグ2連覇。「結果を出し続ける」ということに関していえば、やはり岡田武史が日本人指導者でナンバーワンだと僕は思ってます。ただやはり、自身の中で満足はしていないんですね。理想とするサッカーをして勝ちたいという思いが強いのでしょう。なにより、異国の地に飛び込んでチャレンジする選択が岡田監督らしいな、と思ったものです。
 岡田監督が今の指導で重要視しているのは「教えるではなく、気づかせる」こと。
例えば日本代表監督時代、ミーティングで選手に見せていた編集映像を例に出してこう話しています。
ここはドリブルすべきだった。ここはパスすべきだった。そういう”すべき”ビデオを見せていただけだった。これは答えを与えているだけ。ところが、「シンプルにパスをしろ」と言っているけど「いいドルブルだね」って言うと、選手は「あれ?ドリブルでもいいのか」と「ああこれでいいんだ」とここは何々すべきって与えるのと気づくのでは大きな違いなんですよ
 ただこの「気づかせること」が難しいんでしょうね。
シーズン前に日本で行った対外試合では、チームが機能せずに負けてしまい、選手が自信を失っていたことから、我慢し切れずに解決策を示していました。具体的には、相手のプレッシャーを受けたときに、それをどうかいくぐってビルドアップしてボールを運んでいくのか、の指導場面だったわけですが、「あんまりこういうのを好きじゃないけど・・・今日やっちゃいましたね」と悔やんでました。チームが生き物である以上、こういう理想と現実を行ったり来たりする作業なんでしょうね。
 開幕後も、思うように結果がついてこず厳しいみたいですが、どんなチームを作り上げていくのか。注目したいですね。
—-
以下は、オススメの岡田監督の本。
 岡田監督と将棋の羽生さんとの対談。勝敗を分けるものの正体を探っている。南アフリカ大会のときの采配にも触れていて、興味深かった。
勝負哲学/岡田武史 羽生善治

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 サッカー、ラグビー、野球。おのおのの競技性の違いを語っている組織論です。サッカーとラグビーはチーム作りの共通点も多いですが、野球はちょっと種類が違いますね。
勝利のチームメイク (日経ビジネス人文庫 グリーン お 4-1)/岡田 武史

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02年の日韓大会の岡田さんの観戦記。イタリア代表の祝勝会に行ったときの話や、トルシアの意図を考察する記述が面白かった。
蹴球日記 (FOOTBALL Nippon Books)/岡田 武史

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フランスワールドカップ時代と、コンサドーレ札幌監督時代の話。徹底的に論理的にサッカーを考え抜いていた時代の岡田監督のサッカー観が垣間見れます。
指揮官 岡田武史―アルマトイ、フランス、そして札幌/潮 智史

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2010 FIFA ワールドカップ 南アフリカ オフィシャルDVD 日本代表 熱き戦いの記録/本田圭佑,長谷部誠,阿部勇樹

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日本代表 歓喜!フランスへ! 日本VSイラン [DVD]/岡田武史,金子勝彦

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