日本がワールドカップで優勝した日。

$いしかわごうの「サッカーのしわざなのだ。」
ワールドカップトロフィーを掲げる澤穂希.
いやはや、朝からしびれました。ワールドカップで優勝すると、こういう気持ちになるんですね。はー。こんな光景、キャプテン翼の世界ですよ。いや、キャプテン翼よりも先に実現してしまうんだもんな。
この日の試合展開もそうですが、現実は漫画よりもドラマティックで、エキサイティングで、スリリングで・・・あとはなんだ?うん、わかんないけど、最後まで絶対にあきらめない気持ちとか、夢を叶えるチカラとか、そういうのも全部ひっくるめて、見ている人の心に響く戦いぶりでした。あの「最後まで絶対にあきらない気持ち」っていうのは、彼女たちの才能ですよね。本当にすばらしい。
 一応サッカーライターのはしくれなので、試合を少し冷静に振り返ってみます。
前半は無失点で済んでいるのが不思議なぐらい防戦一方でした。アメリカが高いラインで激しいプレッシングを敢行。澤のところをかなりケアされていて、後ろからのビルドアップもままならなくて、奪ったボールを縦に入れても、すぐに取られて逆に相手の速いカウンターを受け続ける悪循環。アメリカのプラン通りのサッカーをされていたと思います。ただ守備を崩されながらも、最後の局面で必死に身体を寄せて守っていた。相手のシュート精度にも助けられてましたけど、あの立ち上がりに一本でも決められていたら、0-2、0-3となっていた可能性もあったと思ったぐらい。本当に心臓の悪い前半だった。
 後半も劣勢は変わらず。ワンバックとの空中戦はよく抑えていたのですが、カウンターからモーガンのスピードにやられて失点。それでもサイド攻撃から打開して、最後は逆サイドから中に走りこんでいた宮間が、クリアボールのこぼれ球を拾ってゴール。「なんでそこにいるの?」という「そこにタニ」、「そこに悠」に次ぎぐ、「そこにあや」でしたな。
 延長戦前半に、警戒していたワンバックにヘディングを叩き込まれたときは、さすがにダメかと思ったがそこから追いつくんだもんな。CKから決めた澤穂希の魂のダイビングシュートもミラクルでしたけど、それよりも評価したいのは、そのCKを取ったプレーですよ。澤のロングパスに反応していた右サイドバックの近賀ゆかりですからね。延長後半のあの時間帯にサイドバックがゴール前に攻撃参加しているんだから、恐れ入りますよ。彼女の攻撃参加が奇跡的な同点劇を呼び込んだのだから、あのプレーはもっともっと評価すべきですよ。
 PK戦は、1本目で勝負が決まったんじゃないかな。
まずGK海堀がアメリカの1本目を足で止める。ただこういうときって失敗が連鎖するというか、日本も決まらない流れが生まれがちなんですよね、PK戦も場合。でも宮間の落ち着きが半端ない。小刻みにステップワークするアメリカGKのソロの動きを冷静に見極めて、逆をついて成功。
 最後のキッカーになった4人目の熊谷の「決めたらたぶん勝ちだと思ったけど、確信はなかった。みんなが喜ぶ姿を見ていて、喜んだ」っていうコメントにも爆笑。だって、「決めたらワールドカップで優勝」というシチュエーションでのPKですよ。世界中のサッカー選手でも感じたことのない大プレッシャーなのに、あんまり気づいてなかったっていうね。天然かっ。
 はー、ワールドカップで優勝してしまうんだもんな。
岡田武史前監督は、日本代表のワールドカップベスト4を掲げて臨みました。あのベスト4宣言も、もともとは「韓国代表だって(日韓大会で)ベスト4まで行ったんだから、俺たちだっていける」というのがきっかけでベスト4を目指したと記憶しています。でもさ、なでしこが優勝したんだから、男子だって「ワールドカップ優勝を目指す」と口にしたっていいと思う。無理だよ、じゃなくて男子もやったろうじゃん、てなっていこうよ。そういう意味でも、本当にいろんなメッセージのこもった優勝だったと思うわ。
$いしかわごうの「サッカーのしわざなのだ。」
今日のエルゴラ、フロンターレが表紙だったんだけど、すっかりかすんでしまったぜ(笑)。まっ、ワールドカップで優勝したんなら仕方がないよね。
本当におめでとう、なでしこジャパン。... 記事を読む

フロンターレ対レイソル戦取材。

 土曜日は等々力でフロンターレ対レイソル戦取材。
 まず暑かったー。普段は、取材受付を済まして記者席を確保した後、だいたいフロンパークをぶらついて腹ごしらえするのですが、この日はそれすらもおっくうになったぐらい暑かった。ここまで暑いと、むしろ塩ちゃんこを食べてやろうかと思いましたけどね(思っただけ・笑)。
 ゲームのポイントは、フロンターレの左サイドと柏の右サイドの引っ張り合いにあると思っていました。このエリアで主導権を取ったほうが勝つな、と。試合前日の練習取材で、中村選手が体調不良、稲本選手が怪我という事情で出場が難しい状況なことはわかっていましたし、代わりに左サイドハーフに登里選手、左ボランチに田坂選手ということも含めて、これがどう出るかと。実際の試合でどんな駆け引きがあったのかはエルゴラのマッチレポートに書きましたが、前半はフロンターレが、後半はレイソルが主導権を取りました。だから、フロンターレの前半のリード、後半のレイソルの同点劇は、ある意味、なるべくしてなったと見ています。最後は、等々力のチカラでなんとか3-2で競り勝ちました。
 
 個人的には、ジュニーニョの守備意識が目に見えて上がっていたことも印象的でした。
これまでのようなコースを消すだけ、ボールに寄っていくだけの守備とは違い、ボールを奪いに行こうとする意思が感じられるアプローチをしていた。実は試合前日の練習後、相馬監督とジュニーニョが中山通訳交えてかなり長く話し合ってましたが、そこらへんを指摘されたのかな、と。やればできるじゃん、ジュニーニョ(なぜか上目線)。
 観客数も今季最多でスタジアムの熱気もありましたね。J2も含めて関東では試合が少なかったこともあり、報道陣もたくさん。特に夏の等々力のミックスゾーンは蒸し風呂状態なんですよ。試合後、記者陣に囲まれていた柏の北嶋選手も取材の途中で思わず「外でもいいっすか?」と言って、報道陣が大移動したぐらいでした。
 取材を終えて自宅に帰宅したら、例によって日付は変わっていて、それから試合を映像を見直して、コメントを起こして、依頼された原稿をぶっ通しで3本ほど書いて・・・終わったらお昼過ぎていて疲れ果てましたわ。だから、夕方に寝て夜に起きるっていうね。
今はなでしこに備えております。頑張れ、なでしこ。... 記事を読む