キクの選択。

 菊地光将選手の大宮アルディージャ移籍が決まりました。
 ワイルドな風貌とは裏腹に、実は照れ屋な一面を持っている選手でした。
なので、取材で話を聞こうとすると「僕に聞いても何もないですよー」と言ってはぐらかされ、本音らしきコメント聞かせたとしても、語尾に「・・・・よくわかんないですけど・笑」と言ってぼやかすので、本当に掴めない性格でした。最後まで掴めなかったですな。なので、今回の移籍の決断に関しても、核心を聞けずじまいでした。ただ解散式の日に、奥様とも一緒にクラブハウスに来ていたので、まぁ、そういうことなのだなとは薄々感じてましたが。
 菊地選手のプレーといえば、なんといっても、空中戦でのあの滞空時間の長さですね。
なんというか、1人だけ空を飛んでいるみたい高さと長さ。もう「ビヨーン」って擬音が出そうなぐらい・・・って、ライターならもうちょっと言葉を選べよって話ですが。いや、でも本当にそんな感じですからね。
 その滞空時間の長さを生かしたシーンが、今年の等々力リーグ第16節広島戦で菊地選手のゴールです。
エルゴラで、担当クラブの今季ベストゲームを選ぶ企画があったのですが、実は僕はこの第16節広島戦(2-0)を選出しています。「パスを出したら動く。動いたら味方からボールが出てくるので受ける。そしてまた動く」という相馬監督の目指す連動性がチームとして非常によく機能していた試合だったからです。完封し、守備もパーフェクトでした。
 なかでも、菊地選手のゴールシーンは圧巻でした。自陣でパスカットすると、左サイドの矢島選手へパス。タッチライン際をゴリゴリと突破した矢島選手がゴール前にクロスを挙げると、そこに飛び込んでいたのは、なんと自陣ゴール前にいたはずの菊地選手。パスを出した後もそのままオーバーラップしていき、見事なヘッドでゴールネットを揺らしました・・・あのゴールは、実にダイナミックでした。
 後日、菊地選手に「何であそこまでオーバーラップしようと思ったの?予感があった?」と聞いてみたら、「なんとなく・・・よくわかんないです・笑」と相変わらずのコメントでしたが、「去年だったら、たぶんあそこまで行ってないでしょ」と質問を変えてみると、「そうですね。去年の自分だったら、あのまま攻め上がっていかなかったかもしれないですね」とも話してくれました。これを聞いて、相馬監督が目指しているリスクを冒してでも前に行くという選択ができ始めているのだなぁ、と感心したものです。あれはいいゴールでした。
 埼玉でのレッズ戦や大宮戦の前に意気込みを聞いても、地元への思いをあまり語ったりしないタイプだったので、今回の選択は意外といえば意外ですね・・・やはり最後まで掴めない選手だったということで。
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ヨコの決断。

 横山知伸選手のセレッソ大阪への完全移籍が発表されました。
ヨコらしく、丁寧な感謝の言葉が並べられていましたね。
「川崎フロンターレはとても大好きなクラブです。プロの世界に入り右も左もわからない自分をどんなときも温かく、そして熱く後押ししてくれたサポーターの皆さん。初めて、等々力で名前を呼んでいただいた時は震えるほど興奮したのを覚えてます。4年間のうちにタイトルを取って一緒に喜び合えなかったのは残念ですが、違うチームに移ってもフロンターレに対する気持ちは変わりません。これからは対戦相手と立場は変わりますが、引き続き陰ながら応援していきたいと思います。4年間ありがとうございました」
 オファーが殺到しているという報道があった数日後、帰り際の本人に「ヨコさん、なんかモテモテみたいじゃないですか」と話しかけたら、ちょっと照れくさそうにしてました。そして自身の胸の内を話してくれました。ここに詳しくは書きませんが、やはりセンターバックではなく、ボランチで勝負したいとの思いが強かったようです。新天地・大阪での挑戦、応援したいと思います。
 ヨコは、僕がフロンターレ担当になったときからよく取材させてもらっていた選手でもあります。
担当になった当初は、優勝争いしていたこともあり、ケンゴ選手や川島選手、テセ選手などの代表選手の主力は、番記者が複数で囲むのでコメント取りも大変だったのですが、ヨコに関しては、スタメンで出ていながらも、ほぼ1対1で話が聞けたのが仲良くなったきっかけですね・笑。
読書家なので、オススメ本の情報交換もよくしていました。今年の夏には、オフィシャルホームページのピックアッププレイヤーの企画で密着取材もさせて、いろいろ胸のうちを聞かせてもらいました。
 「このままじゃ終われない」
 一般的には、その経歴が目を引くプレイヤーかもしれませんね。
帝京高校卒業、一年予備校で浪人して早稲田大に入学。大学4年次には、有名証券会社の内定していたにもかかわらず、誘いがあった川崎フロンターレへの入団を決断。そういう意味では、やや異色の経歴のJリーガーです。
 あるとき、「サラリーマンになっていたら・・と思ったことってある?」とちょっと聞いてたことがあります。
 「全然ないんですよ。プロになって試合に出たときも、よく聞かれたんですけど、周りが思っているほど自分はサラリーマンに執着してしなかったんですよ。フロンターレから話が来たときも即決でしたから。それに自分、サッカー好きですよ・・・サッカー好きに見えないんですかね?」と笑ってました。
 そしてその後に続けてくれた言葉がヨコらしいものだったので、すごく覚えています。
「もし就職していたら、きっとサッカーがやりたいと思っただろうし、もしプロになって試合に出れなかったら、サラリーマンになっていればと思うものですよね。だから、どっちに行ってもその道で頑張れば、きっと後悔はしないんと思うんです。自分のやりたいほうをやればいい。なので一回も後悔したことはないです」
 今回の決断も、きっとそれと同じだと思ってます。
横山知伸選手の新天地での活躍、期待しています。
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今年最後の麻生取材。

 昨日は麻生へ。
天皇杯のエルゴラ原稿のボリュームがわりとあったので、少々寝不足でしたわ。
 今季の公式戦を全て終えたので、クラブハウスでの解散式。
クラブハウスでのミーティングを終え、外で集合写真を撮影して解散となりました。天気がよかったですねー。
 吉田勇樹選手、久木野聡選手、松本拓也選手、相澤貴志選手、そしてイッカGKコーチ。
今季限りで退団する選手は、帰り際にサポーターからプレゼントや手紙がもたくさん渡されていましたね。僕も「また」と握手してお別れしました。きっとまたどこで会えるでしょう。
 相澤選手とは少し長めに話を聞かせてもらいました。
高校卒業後、練習生を経て2000年に川崎フロンターレに加入した相澤選手。08年はセレッソ大阪に期限付き移籍していますが、足掛け11年間フロンターレで過ごしている功労者です。
その思いを聞くと、「自分は練習生として入ったので、いつの間にかここにいた感じなんですよ。そして、いなくなるときも、いつの間にっていうことで・・・」とクールなザワジョークを言ってくれました。すでにいくつかのチームから話が来ているようなので、早く朗報が発表できるといいですね。
 さて今季の僕のフロンターレ取材活動も、これで終了となりました。
おかしいなぁ・・・元日までするために準備していたんだけどなぁ・笑。
一年間お疲れ様でした。
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等々力取材~イッカさん。

 昨日の等々力取材のことを少し。
 フィールドプレイヤーよりも先にアップに出てくるゴールキーパー陣。
そのときサポーターからは「OBRIGADO ICA」の弾幕の掲げられてました。そして沸き起こるイッカコールに、あの大きな身体を折りたたんで感謝を伝えるイッカさん。
 自分はGKの練習を見るのがけっこう好きなんですが、今まで見てきた経験の中でも、たぶんイッカのトレーニングが一番ハードですね。イッカの場合、なんといってもシュートが抜群に上手い。「シュートが重くて、コースがエグイ」と言っていたのは、夏に湘南から移籍してきたマツこと松本選手。それにあの巨体からは想像がつきにくいかもしれませんが、どのコースにも正確に蹴り分けることができるあのキック精度は、まさに職人芸でした。
 例えば優れたGKは、シュートが打たれた瞬間、それが枠内かどうか瞬時に判断しますよね。イッカは、全く同じモーションで枠内と枠外のコースにも蹴り分けますから。あれを受けて毎日鍛えられるのですから、選球眼も相当養われると思います。
 この試合でのイッカとのウォーミングアップ中、杉山選手は「自分がデビューしたナビスコカップ(09年のマリノス戦)の光景がフラッシュバックしました。等々力でしたし」と感慨深げに話してくれました。「だから、無失点で勝ちたかったのですが・・・」とも。
 試合は残念ながら、湘南に負けてしまいました。
これで今シーズンのフロンターレは終了。本当に残念です。
試合後のミックスゾーンでイッカに話を聞かせてもらいました。「ここ(フロンターレ)は本当にすばらしいクラブだった。自分がやってきたこと、彼ら(Gk)が成長してくれたことに感謝したい」。
 相澤選手、杉山選手、安藤選手、そして松本選手。
松本選手は所属期間が短く出番がありませんでしたが、それ以外の3人は甲乙つけがたいレベルで成長していることを公式戦で披露しました。第3GKである安藤選手も遜色ない堂々としたプレーぶりを見せていましたからね。
 そしていまや日本代表で押しも押されぬ守護神となった川島永嗣選手。
「エイジは、来日したときは日本で3番手のGKだった。今では日本でトップクラスのGKだ」と目を細めていました。
リールセ移籍後も、代表で帰国した際、川島選手はイッカのシュートを受けたくて、麻生の練習に顔を出しているぐらいですから。イッカの手腕(足腕?)をいかに信頼しているかがうかがえますね。
 今後については、一部報道にあったように、岡田監督が指揮する中国のクラブに誘われているようで、明日(今日)会って話をするとのこと。「自分への意欲を高めたい。挑戦することが好きなんだ。中国はまだまだ成長していく国なので、楽しみ」と話していたので、前向きに考えているみたいでしたね。
 最後は、握手をしてくれました。すっごく大きい手だったなー。
イッカさん、またどこかで。
$いしかわごうの「サッカーのしわざなのだ。」... 記事を読む