頂上対談 岡田武史×ヨハン・クライフ ~フットボールの理想と現実







 正月にwowowで岡田武史とヨハン・クライフの対談を放送してたんですよ。タイトルは「頂上対談 岡田武史×ヨハン・クライフ ~フットボールの理想と現実」。最初のオンエアを見逃してしまったので、再放送を録画して見たんですけど、対談といっても岡田さんはほぼ聞き手のスタンスで・・・・いやはや、クライフの哲学満載で刺激的な内容でしたわ。面白かったわー。
 中でも印象に残った内容をひとつあげるとすれば、グアルディオラとモウリーニョについて語った場面ですかね。何かと比較される両者ですが、クライフは「どちらもすばらしい監督だが、私はグアルディオラを支持する」と断言。その後に続けた理由が、実にクライフらしかったですね。

「フットボールは勝つだけのものではないからだ。ファンのために、若者のために、教育のために、さらに振る舞いや話し方、フットボールの全てが子供の教育になる。表現の仕方、若い選手を教育する方法において、グアルディオラのやり方が好きなのだ。

 モウリーニョは勝利することだけを強迫観念に戦っている。しかし、私は勝つことは大事だが、もっと大切なものがあると思う。当然、誰しも勝利したい。しかし人生はそれだけではない。特に2つのビッグクラブには大きな責任があるのだ。
仲間とプレーすること、勝利を受け入れ、敗北を受け入れること。上手くない子を助けること、そして自分の調子が悪いときは誰かが助けてくれる。それがスポーツだ 」

 これには岡田さんは、ため息をつくように「・・・・素晴らしいね」と一言。そして「俺は、『チームが勝つ』ということだけに関してだけ言えば、モウリーニョというのは外にはすごく悪い印象を与えるのだけど、自分のチームの中には非常にうまいマネージメントをしていると思っていて、監督としては非常に認めている。でもいまクライフさんの話を聞いて、もっと大きな視点から見なければいけないと・・・ちょっと感じたな」。

 クライフは言う。
「勝利に対する強迫観念だけではいけないのだ。私は74年のワールドカップで負けた。しかし我々の戦い方は今でも語り継がれている。36年前のことだ。負けたにもかかわらず。勝とうが負けようがあとに残したもの、それが重要なのだ」

 「勝とうが負けようがあとに残したもの、それが重要なのだ.」という言葉は重いですね。負けても語り継がれるチーム、サッカーというのはありますから。
 「昨シーズン優勝したインテルの場合、残念ながら、フットボールとしての魅力はなかった。人々は、そんなインテルのフットボールをコピーしたがる。それで勝てると思うからだ。しかし私はその反対の立場にあるだろう。私のフットボールには喜びが必要だからだ。フットボールが好きならば、ボールを持ちたがる。ボールなしでプレーするならば、陸上でもやればいい」
「人々はアーティストを見るのを楽しみにしている。1週間ずっと働いて応援するクラブの試合に来て、1時間半にわたって試合を楽しみたいのだ。感動し笑って跳ねて。緊張して負けてしまうかもと考えていてはよくないのだ。私はいつも勝てるだろうかと不安になっているよりも楽しんでもらう方を望んでいる」

 などとクライフ節が続きました。

そしてこの対談の翌日、岡田さんはバルサの歴史的な大勝で終わったクラシコを目の当たりにして、試合後は大興奮。

「あのレアルが何もできない。あのレアルをものともしないバルサに、サッカーの常識を超えた何かを感じた。誰しも、サッカーの面白さ、醍醐味、遊び心を満たしたいというのはわかっているのだけど、実際、それで勝っていくのは並大抵のことじゃない。それを追求し続けたバルサ・・・その勇気と、何て言うのかな・・・理屈じゃない世界・・・マインドというか哲学を感じますよね。僕も54年になってこういうものを見せられて、あと10年早く、これを見ていたらものすごくファイトが沸いてきたのかな(笑)。すごい衝撃だよ、これは」

そしてクライフとの対談を終えて、岡田さんは「日本で自分の進むべき道、やるべきことを感じた」と。
「僕にとっての勝利というのは目的であって、そこにいくためにいろいろな道があるけれど、その道をわきまえながら、たどり着けばいいと思う。

 でもその目的は、最終目標じゃない。その先にもっと大きな目標がないとサッカーは終わってしまう。それは人々に夢を与えたり、元気を与えたり、勇気を与えたり、そういうものでなくてならない。そのためには勝つだけではなく、そこに哲学であり、意志がなくてはならない。

 その意志や哲学はいろんな道がある。昨日のバルサを見て、そういう意志もあるのかと、強烈なインパクトを受けた。それに触れると、それにチャレンジするというか、探しにいかないといけないと気がしてしまよね(笑)。それはまた先の見えない道をいくので、すごく大変なことなのだけど・・・今まで頂上にいって全部見えたのかなと思ったら、またジャングルなのかわからないけど、何かが見えてきたような・・・どういう形かわからないけど、何かひとつ触れてしまったものがある感覚かな」

 自分はクライフの世代ではないのですが、彼に関する書物を読むと、いつも彼の頭の中にある「発想」は驚かされますね。本当に「天才」なんだなと感じます。クライフのサッカー観を知るなら、この本がオススメですね。過去のインタビューや記事から読み解いております。僕も読みましたが、「サポート」という考え方一つにしても、うなりっぱなしです。

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